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5話
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ドミニク様の言葉に私は冷静に手を払いのけた。
「ク、クレア!?」
驚くドミニク様に私は平然と言葉を放ちます。
「ドミニク様、そう言われましても、私が付き合う友人は私が選びます。貴方の許可など、必要ないはずでしょう?」
「き、君は僕の婚約者だろう!婚約者だったら僕に尽くすのは当然のこと……」
「ではなぜ貴方の方は私に尽くすどころか、今まで私を蔑ろにしてきたのでしょう」
「それは……っ」
ドミニク様は言葉を詰まらせてしまった。言い訳のしようがないからだろう。
昨日と今日とで見た目も中身も大きく変わったことは、私も十分承知しているけれど、今までのことがあるのでつい嫌味を口にしてしまう。
次に私は、ドミニク様と仲の良いミレイ様を見て口を開く。目が合った瞬間、彼女はニッコリと私に笑いかけてきて、その余裕ぶりがクレアを苦しめていたのだろうけれど、今は微笑み返すくらいの余裕が私にもある。
「ドミニク様、貴方は随分とそちらのミレイ様と仲が宜しいようで」
「いや、彼女はただの友人だよ。断じて恋愛感情なんかじゃ……」
「そうですか」
「ああ、そうだよ。信じてくれ。君についきつく当たってしまっていたのも、君が変な化粧や髪型などをして俺を馬鹿にしてきたからなんだ」
ドミニク様はゆらゆらと私の肩を揺らしてきた。
その言葉に私は心の中で頷く。確かにそれは一理ある。
「確かに私は変でした。化け物と言われても仕方ありませんわ。それは認めます。ですがこれから何を言われても、私があなたを好きになることはもうありません」
「……っ!そんなっ、婚約破棄はしないよ」
何を早と散ったのか、ドミニク様がそう叫んだ。
「しませんよ。ただ形だけです」
「そんなっ」
こんなところでこんな冷たいことを言ってしまう私も私だ。でも、今までのちょっとしたお返しだと思えば良い。
「もうすぐ授業が始まりますよ。席に戻られては。それからドミニク様、私に話しかけてきても、あまり意味はないと思いますよ?ミレイ様と会話した方が良いかと」
「そんな冷たいこと言わないでくれよ」
「………」
私はもう返事はせずに着席する。
反応されないことに気づいたのか、ドミニク様もトボトボと席に戻っていった。
無事授業を終え家に帰ると、私はお父様のいる書斎に向かった。
部屋の中ではお父様が忙しそうに書類に目を通している。一瞬だけ顔を上げて私を見るけれど、今までの周りの反応とは違い、表情を変えずにまたすぐに顔を書類に戻す。
「何の様だ」
「相談したいことがありまして……」
「言ってみろ」
「はい。あの、実は、私の侍女たちのことを詳しく調査して欲しくて」
「理由はあるのか?」
「ええ。実は今まで……」
私は今までの出来事をお父様に話した。侍女たちに嘘をつかれていたこと、ドミニク様のこと。全て今までは迷惑になると思って相談しなかったことだ。
全てを話し終えるとお父様は顔をゆっくりと上げた。
「可愛い娘の頼みだ。聞き入れないわけがない」
「ありがとうございます!」
お父様は強面だが意外にも優しいお方だ。ついでに階段から突き落とされたことを伝えると、私が去った後、部屋を破壊する勢いで怒っていたという。
「ク、クレア!?」
驚くドミニク様に私は平然と言葉を放ちます。
「ドミニク様、そう言われましても、私が付き合う友人は私が選びます。貴方の許可など、必要ないはずでしょう?」
「き、君は僕の婚約者だろう!婚約者だったら僕に尽くすのは当然のこと……」
「ではなぜ貴方の方は私に尽くすどころか、今まで私を蔑ろにしてきたのでしょう」
「それは……っ」
ドミニク様は言葉を詰まらせてしまった。言い訳のしようがないからだろう。
昨日と今日とで見た目も中身も大きく変わったことは、私も十分承知しているけれど、今までのことがあるのでつい嫌味を口にしてしまう。
次に私は、ドミニク様と仲の良いミレイ様を見て口を開く。目が合った瞬間、彼女はニッコリと私に笑いかけてきて、その余裕ぶりがクレアを苦しめていたのだろうけれど、今は微笑み返すくらいの余裕が私にもある。
「ドミニク様、貴方は随分とそちらのミレイ様と仲が宜しいようで」
「いや、彼女はただの友人だよ。断じて恋愛感情なんかじゃ……」
「そうですか」
「ああ、そうだよ。信じてくれ。君についきつく当たってしまっていたのも、君が変な化粧や髪型などをして俺を馬鹿にしてきたからなんだ」
ドミニク様はゆらゆらと私の肩を揺らしてきた。
その言葉に私は心の中で頷く。確かにそれは一理ある。
「確かに私は変でした。化け物と言われても仕方ありませんわ。それは認めます。ですがこれから何を言われても、私があなたを好きになることはもうありません」
「……っ!そんなっ、婚約破棄はしないよ」
何を早と散ったのか、ドミニク様がそう叫んだ。
「しませんよ。ただ形だけです」
「そんなっ」
こんなところでこんな冷たいことを言ってしまう私も私だ。でも、今までのちょっとしたお返しだと思えば良い。
「もうすぐ授業が始まりますよ。席に戻られては。それからドミニク様、私に話しかけてきても、あまり意味はないと思いますよ?ミレイ様と会話した方が良いかと」
「そんな冷たいこと言わないでくれよ」
「………」
私はもう返事はせずに着席する。
反応されないことに気づいたのか、ドミニク様もトボトボと席に戻っていった。
無事授業を終え家に帰ると、私はお父様のいる書斎に向かった。
部屋の中ではお父様が忙しそうに書類に目を通している。一瞬だけ顔を上げて私を見るけれど、今までの周りの反応とは違い、表情を変えずにまたすぐに顔を書類に戻す。
「何の様だ」
「相談したいことがありまして……」
「言ってみろ」
「はい。あの、実は、私の侍女たちのことを詳しく調査して欲しくて」
「理由はあるのか?」
「ええ。実は今まで……」
私は今までの出来事をお父様に話した。侍女たちに嘘をつかれていたこと、ドミニク様のこと。全て今までは迷惑になると思って相談しなかったことだ。
全てを話し終えるとお父様は顔をゆっくりと上げた。
「可愛い娘の頼みだ。聞き入れないわけがない」
「ありがとうございます!」
お父様は強面だが意外にも優しいお方だ。ついでに階段から突き落とされたことを伝えると、私が去った後、部屋を破壊する勢いで怒っていたという。
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