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※妹の末路3
しおりを挟む王宮に着くと、何故か私を見て衛兵が目をギョッと大きく開いた。私を止めようかどうか悩んでいるうちに、私はそそくさと彼らの前を通り過ぎる。王宮ないの誰もが私を見て同じ反応をした。そのことに私はイライラが募る。
なんて不快な人達なの!私が王太子妃になったら、使用人を一掃しなくちゃ。もっと使える人材を選ぶのよ。
そんなことを考えながら、あっという間に国王様との謁見の場についた。
玉座に座っていた国王様は私を見て驚きの表情を浮かべる。
「なぜ、そなたがっ」
国王様は私に弱いということを知っている。私は顔を歪ませるや否や地面に泣き伏した。
「国王様……私、無理やり砂漠の国に誘拐されておりましたの」
「しかし、そなたが望んで駆け落ちしたと公爵夫妻から話を聞いたが?」
「……脅されていたのです。私を無理やり妃にするために、言うことを聞かないと両親を殺すと脅されて……。私、本当に怖くてっ。でも私が言うことを聞けば皆無事なんだと思ったら、そうするしかなくて……!」
大声を上げて泣いた。私の嗚咽を聞いてなのか足音が沢山聞こえてきた。そしてその中にはエリック様も……。
「カレン!?何故、今さらここに」
私はエリック様の声に顔を上げると、勢いよく彼の元へ飛び出した。しかし抱き締めるという直前で、衛兵に最も簡単に取り押さえられる。
「は、離してください!エリック様、助けて……っ」
私は慌ててエリック様に手を伸ばしたが、次にエリック様が浮かべた表情は軽蔑以外の何物でも無かった。
「今さら何の用だ……俺を捨てたくせに」
私は先ほど国王様に伝えたことと同じことを言った。手で顔を覆って泣きながら。
「泣く泣く逃げて帰ってきたんです。私が愛しているのはエリック様だけですからーーっ」
「何を言う。そんなことを言ったところで今さら遅いぞ」
「えっ、でも」
「俺にはもう結婚相手がいるしな。ーーアラーナ」
エリック様の声に一人の令嬢が私の前まで出てきた。
確か……侯爵家だった気がする。
「な、結婚相手!?私がいながら酷いです!!」
「酷いのはどちらだ。そもそもそんな嘘で俺を騙せるなどと思ったのか?」
「え、」
「誘拐された?泣く泣く逃げてきた?何をおかしなことを。まぁ今さら何を言おうが、お前が結婚相手になることはもうあり得ないことだがな。国民にも結婚相手としてアラーナを紹介した」
「そんな……」
それからいくら代弁するも、誰も私の言うことを信じてくれなかった。
両親も見つからず、屋敷も空。
どうやって生きていけば良いのか、私にはもう分からなかった。
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