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※公爵夫妻の誤算2
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「そんな……っ!」
「公爵家は我々王族を裏切ったのだ。当然の報いであろう」
「ええ父上。むしろ公爵家の爵位剥奪も視野に入れるべきですね。公爵も公爵夫人もステラの後を追って平民になれば良い!」
王族側の怒りは最もなことであった。しかしこうも手のひら返しを喰らうとは思わず、公爵は頭を抱え、その妻は小さな悲鳴を上げる。
「そんなっ、せめて貴族でいさせてください!」
「この私が平民なんて……ありえませんわ!」
「では、カレン嬢を今すぐ連れ戻せるのか?」
何度手紙を送っても返事をしない辺り、カレンはきっと両親のことを見捨てたのだろう。
「それは……で、ですが、カレンはもう砂漠の国に」
「では、その砂漠の王とやらに家族まるごと養って貰えば良いじゃないか」
「ええ、この国で平民になっても、向こうの国で貴族になれば良い。ですよね、父上?」
「ああ」
「で、ですがっ、カレンとは連絡がもう取れなくなってしまいましたし、あの国はここから遠すぎます!」
多額の賠償金で旅をする余裕も馬車を使うお金もきっと無くなってしまう。
「どうかご慈悲を!」
「ええ。他に出来ることでしたら公爵家の力を使ってなんでも致しますわ!」
「グダグダ、グダグダ、やかましい!賠償金の詳細や爵位剥奪の決定については、後に書類を送ることにする。今日はさっさと去れ」
もう何も言えなかった。
「うっ、うっ」と嗚咽を漏らして泣く妻を支えながら、公爵はその場から去る。そうしなければ、衛兵に捕らえられてしまうということも考えたからだ。
何か良い方法を考えなければ!
我々公爵家が助かる方法はきっとあるはずだ。
賠償金の請求書は翌日の朝に送られてきた。そこには目を疑うほど多額の金額が書かれており、公爵は膝から崩れ落ちる。
「なっ、こんなの払えるわけない!」
「あなた、いくらなの?これを払ったら私たちは一体どうなってしまうの?」
「……使用人を雇えなくなる。何せ借金をしなければならないからな」
「そんな……っ!」
「あぁ、どうしてこんなことに!」
公爵が落胆する横で妻が口を開く。
「~っ!このまま平民になって働くのなんて絶対に嫌だわ!何かいい案ーー……そうよ、ステラを使えば良いのよ!」
「……ステラ?あの出来損ないを?」
「ええ。出来損ないでも、もうステラしかいませんもの。身の回りの世話もお金を稼ぐのも、全てあの子にやらせれば!」
「そうか、その金で我々は砂漠の国に行くか!国王も王妃の親を無碍にはできないだろうから」
「そうしましょう!」
「まずはステラを特定するところだな」
「きっとすぐ見つかりますわ」
妻の言う通りステラの居場所はすぐに分かった。
「公爵家は我々王族を裏切ったのだ。当然の報いであろう」
「ええ父上。むしろ公爵家の爵位剥奪も視野に入れるべきですね。公爵も公爵夫人もステラの後を追って平民になれば良い!」
王族側の怒りは最もなことであった。しかしこうも手のひら返しを喰らうとは思わず、公爵は頭を抱え、その妻は小さな悲鳴を上げる。
「そんなっ、せめて貴族でいさせてください!」
「この私が平民なんて……ありえませんわ!」
「では、カレン嬢を今すぐ連れ戻せるのか?」
何度手紙を送っても返事をしない辺り、カレンはきっと両親のことを見捨てたのだろう。
「それは……で、ですが、カレンはもう砂漠の国に」
「では、その砂漠の王とやらに家族まるごと養って貰えば良いじゃないか」
「ええ、この国で平民になっても、向こうの国で貴族になれば良い。ですよね、父上?」
「ああ」
「で、ですがっ、カレンとは連絡がもう取れなくなってしまいましたし、あの国はここから遠すぎます!」
多額の賠償金で旅をする余裕も馬車を使うお金もきっと無くなってしまう。
「どうかご慈悲を!」
「ええ。他に出来ることでしたら公爵家の力を使ってなんでも致しますわ!」
「グダグダ、グダグダ、やかましい!賠償金の詳細や爵位剥奪の決定については、後に書類を送ることにする。今日はさっさと去れ」
もう何も言えなかった。
「うっ、うっ」と嗚咽を漏らして泣く妻を支えながら、公爵はその場から去る。そうしなければ、衛兵に捕らえられてしまうということも考えたからだ。
何か良い方法を考えなければ!
我々公爵家が助かる方法はきっとあるはずだ。
賠償金の請求書は翌日の朝に送られてきた。そこには目を疑うほど多額の金額が書かれており、公爵は膝から崩れ落ちる。
「なっ、こんなの払えるわけない!」
「あなた、いくらなの?これを払ったら私たちは一体どうなってしまうの?」
「……使用人を雇えなくなる。何せ借金をしなければならないからな」
「そんな……っ!」
「あぁ、どうしてこんなことに!」
公爵が落胆する横で妻が口を開く。
「~っ!このまま平民になって働くのなんて絶対に嫌だわ!何かいい案ーー……そうよ、ステラを使えば良いのよ!」
「……ステラ?あの出来損ないを?」
「ええ。出来損ないでも、もうステラしかいませんもの。身の回りの世話もお金を稼ぐのも、全てあの子にやらせれば!」
「そうか、その金で我々は砂漠の国に行くか!国王も王妃の親を無碍にはできないだろうから」
「そうしましょう!」
「まずはステラを特定するところだな」
「きっとすぐ見つかりますわ」
妻の言う通りステラの居場所はすぐに分かった。
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