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図書室でサーシャと共に、のんびりと本を読み進める。
すると、どこからか騒がしい声が聞こえて来た。
「……サーシャ、今の聞こえた?」
「ええ。今のって、まさか」
私たちは慌てて図書室を出て玄関に向かう。
そこには私たちの予想通り、両親、兄、そして私とサーシャの婚約者がお揃いで暴れていた。
屋敷の従業員たちが大勢止めに入ってくれているが、それでも彼らは暴れ続ける。
そして全員が動けないように体を固定された時、兄がサーシャを見つけた。
「サーシャ!」
兄の声に全員がサーシャを見る。
「無事だったのね!誘拐されるなんて、心配でたまらなかったのよ!」
「シルヴィアもいるじゃないか!また酷い目にあったろう、可哀想なサーシャ」
「兄であるのにサーシャに何も出来ない自分が不甲斐ない。だが、必ず助けに行くからな、サーシャ!」
うるさい……。
素直にそう思った。
彼らはサーシャに微笑みを私に怒りの表情を向ける。でもサーシャは彼らに向かって冷たくこう言い放った。
「お姉様を冤罪で陥れたこと、私、許してませんわよ?騎士団長のバーナード様の協力を経て、国王様にも訴えましたから」
「……サーシャ?」
「何故そんなことを!!」
「きっとまたシルヴィアに脅されているんだな、サーシャ」
「違います!」
サーシャは声を上げる。
「まぁ、おそらく何を言っても無駄でしょうから、もう私は黙りますが」
「サーシャ……?」
「あ、後、最後にお一つだけ。私、もしものことを考えて、何かあったらすぐに騎士団の方に来ていただけるようにお願いしましたの。ですからそろそろ……」
サーシャがそう言ったところで、タイミングよく地響きが始まった。
「何!?」
「何なんだ!?」
そして慌てる彼らの後ろから、凄まじいスピードで馬に乗った騎士団の方々が現れた。
彼らはそれに気づくと顔を青ざめる。
そんな彼らをみてサーシャは今までにみたことがないくらいの満面の笑みでこう言い放った。
「後は彼らにお任せしますね」
「サーシャ!?」
「そんなっ、私たちをどうするつもり?」
「見捨てないでくれ!お前のためにやっていることだぞ!?」
「それが迷惑だといつも伝えていたはずです」
「そんなっ」
「安心して下さい。爵位を剥奪されるほどの罰は受けないはずです。少しばかりお姉様への行いと不正の証拠を裁判所へ送ったくらいです」
私はサーシャを見て目を見開いた。
いつも私が守っていたとばかり思っていたのに、サーシャはこんなにも逞しかったのだ。
すると、どこからか騒がしい声が聞こえて来た。
「……サーシャ、今の聞こえた?」
「ええ。今のって、まさか」
私たちは慌てて図書室を出て玄関に向かう。
そこには私たちの予想通り、両親、兄、そして私とサーシャの婚約者がお揃いで暴れていた。
屋敷の従業員たちが大勢止めに入ってくれているが、それでも彼らは暴れ続ける。
そして全員が動けないように体を固定された時、兄がサーシャを見つけた。
「サーシャ!」
兄の声に全員がサーシャを見る。
「無事だったのね!誘拐されるなんて、心配でたまらなかったのよ!」
「シルヴィアもいるじゃないか!また酷い目にあったろう、可哀想なサーシャ」
「兄であるのにサーシャに何も出来ない自分が不甲斐ない。だが、必ず助けに行くからな、サーシャ!」
うるさい……。
素直にそう思った。
彼らはサーシャに微笑みを私に怒りの表情を向ける。でもサーシャは彼らに向かって冷たくこう言い放った。
「お姉様を冤罪で陥れたこと、私、許してませんわよ?騎士団長のバーナード様の協力を経て、国王様にも訴えましたから」
「……サーシャ?」
「何故そんなことを!!」
「きっとまたシルヴィアに脅されているんだな、サーシャ」
「違います!」
サーシャは声を上げる。
「まぁ、おそらく何を言っても無駄でしょうから、もう私は黙りますが」
「サーシャ……?」
「あ、後、最後にお一つだけ。私、もしものことを考えて、何かあったらすぐに騎士団の方に来ていただけるようにお願いしましたの。ですからそろそろ……」
サーシャがそう言ったところで、タイミングよく地響きが始まった。
「何!?」
「何なんだ!?」
そして慌てる彼らの後ろから、凄まじいスピードで馬に乗った騎士団の方々が現れた。
彼らはそれに気づくと顔を青ざめる。
そんな彼らをみてサーシャは今までにみたことがないくらいの満面の笑みでこう言い放った。
「後は彼らにお任せしますね」
「サーシャ!?」
「そんなっ、私たちをどうするつもり?」
「見捨てないでくれ!お前のためにやっていることだぞ!?」
「それが迷惑だといつも伝えていたはずです」
「そんなっ」
「安心して下さい。爵位を剥奪されるほどの罰は受けないはずです。少しばかりお姉様への行いと不正の証拠を裁判所へ送ったくらいです」
私はサーシャを見て目を見開いた。
いつも私が守っていたとばかり思っていたのに、サーシャはこんなにも逞しかったのだ。
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