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第一章
理科室③
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「や……ぁ……っ」
逃げる腰を引き戻され、行き場のない手で大河の肩につかまると、容赦のない愛撫が始まった。
直央の性器は大河の口に簡単に入りきるほどの大きさだ。
温かさに包まれたまま上下に擦られ、丹念に裏筋を吸われたかと思えば、一方の手に陰嚢を揉みしだかれた。
先走りが溢れれば丁寧にそれを舐め取られ、直央の呼吸はみるみる速くなり、あっという間に頂へと昇らされる。
必死に手の甲で自身の口元を押さえるが、熱の籠もった吐息が漏れ出ては、静かな理科室にいやらしく響いた。
「あ、やや、あかん、も、離して……っ、汚い……っ」
脳が痺れるような感覚に、目の前に火花が散る。
「いやや、いやや」とかぶりを振っても大河は口淫を止めてくれない。
それどころか、じゅるじゅると音を立ててより強く吸い上げられては耐えようがなかった。
「……あ……っあ、……で、出るて、あぁ……──っ!」
びくびくと震えながら、大河の口腔に白濁を放つ。
強張る身体でその頭にきゅうっとしがみつくと、残滓を丁寧に吸い出されて直央はさらに甘く震撼した。
身体にうまく力が入らなくて倒れ込むと、大河が片膝を貸してくれた。
ゴツくて硬いそれは少しも居心地がよくないが、大河にくっついていたいという気持ちが勝った直央はそのまま身を預けることにした。
乱れた制服のズボンを簡単に整えて、しばらく肩で息をすると、やがて深く息を吐いた。
じわじわと理性が羞恥とともに戻ってくる。
こういう場面で、どんな顔をすればいいのか、正解が分からない。
「大丈夫か?」
そっと額を撫でられ、大河が直央を覗いてくる。
頷こうとして直央は、はたと表情を凍らせた。
次の瞬間、素早い動きで起き上がり、大河をまじまじと見つめた。
聞くのが怖い。でも聞かないのも、それはそれで怖かった。
「なに普通に喋べってんねん、お前……まさか、飲んだん……?」
つい今し方、直央は大河の口に精子を放ったばかりだ。
吐き出す素振りはなかったように思う。
「ああ、案外気にならない、ほら」
大きな片手に両頬を挟まれ、強引にぶちゅうっとキスをされる。
「ぎゃー!オエーッ!何すんねん!!」
手を突っ張って全身で嫌がっているのに大河は楽しそうだ。
人前では表情をほとんど変えない能面のくせに、直央にだけ見せる年相応の顔は恋人の特権だ。大河にとって直央は特別なのだと確信に近い自信を与えてくれる。
「嫌がるなよ、平気だろ」
わざとらしく尖らせた唇を近づけてこようとするから、嫌がりながらも直央はとうとう笑ってしまう。
「んなわけあるか!わっ、もうこっち来んなやー!」
笑いすぎて、幸せすぎて、目尻に涙が浮かぶ。
こんなくだらないやりとりが、直央にとっては信じられないほど幸福だった。
逃げる腰を引き戻され、行き場のない手で大河の肩につかまると、容赦のない愛撫が始まった。
直央の性器は大河の口に簡単に入りきるほどの大きさだ。
温かさに包まれたまま上下に擦られ、丹念に裏筋を吸われたかと思えば、一方の手に陰嚢を揉みしだかれた。
先走りが溢れれば丁寧にそれを舐め取られ、直央の呼吸はみるみる速くなり、あっという間に頂へと昇らされる。
必死に手の甲で自身の口元を押さえるが、熱の籠もった吐息が漏れ出ては、静かな理科室にいやらしく響いた。
「あ、やや、あかん、も、離して……っ、汚い……っ」
脳が痺れるような感覚に、目の前に火花が散る。
「いやや、いやや」とかぶりを振っても大河は口淫を止めてくれない。
それどころか、じゅるじゅると音を立ててより強く吸い上げられては耐えようがなかった。
「……あ……っあ、……で、出るて、あぁ……──っ!」
びくびくと震えながら、大河の口腔に白濁を放つ。
強張る身体でその頭にきゅうっとしがみつくと、残滓を丁寧に吸い出されて直央はさらに甘く震撼した。
身体にうまく力が入らなくて倒れ込むと、大河が片膝を貸してくれた。
ゴツくて硬いそれは少しも居心地がよくないが、大河にくっついていたいという気持ちが勝った直央はそのまま身を預けることにした。
乱れた制服のズボンを簡単に整えて、しばらく肩で息をすると、やがて深く息を吐いた。
じわじわと理性が羞恥とともに戻ってくる。
こういう場面で、どんな顔をすればいいのか、正解が分からない。
「大丈夫か?」
そっと額を撫でられ、大河が直央を覗いてくる。
頷こうとして直央は、はたと表情を凍らせた。
次の瞬間、素早い動きで起き上がり、大河をまじまじと見つめた。
聞くのが怖い。でも聞かないのも、それはそれで怖かった。
「なに普通に喋べってんねん、お前……まさか、飲んだん……?」
つい今し方、直央は大河の口に精子を放ったばかりだ。
吐き出す素振りはなかったように思う。
「ああ、案外気にならない、ほら」
大きな片手に両頬を挟まれ、強引にぶちゅうっとキスをされる。
「ぎゃー!オエーッ!何すんねん!!」
手を突っ張って全身で嫌がっているのに大河は楽しそうだ。
人前では表情をほとんど変えない能面のくせに、直央にだけ見せる年相応の顔は恋人の特権だ。大河にとって直央は特別なのだと確信に近い自信を与えてくれる。
「嫌がるなよ、平気だろ」
わざとらしく尖らせた唇を近づけてこようとするから、嫌がりながらも直央はとうとう笑ってしまう。
「んなわけあるか!わっ、もうこっち来んなやー!」
笑いすぎて、幸せすぎて、目尻に涙が浮かぶ。
こんなくだらないやりとりが、直央にとっては信じられないほど幸福だった。
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