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After Story 2
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風呂から上がると恭介は、すぐに寝室のベッドに潜り込んだ。
すでに海斗の体温で温い。
ん、と海斗の腕が上がるから、当たり前のようにそこに収まる。
「明日でよかったの、ケーキ。せっかく買ってきたのに」
「夜食べると太るだろ。というか、毎年言ってるけど、めでたいのは俺じゃないからな」
ぴったりくっついているから、海斗が笑うと振動が伝わって恭介も震えてしまう。
「海斗、今年も泣いただろ」
「そりゃもう。しかも年々酷くなってる」
今度は恭介がくすくすと笑う。
「年じゃない?って、俺もか」
笑っていると、寝間着の裾から入ってきた手が恭介の腰を撫でた。
不意のことに、微かに吐息が零れる。
「そう言えば、この間ふと気になって調べたんだけど」
話しながら胸の尖りを摘まれて、恭介はぴくりと反応してしまう。構うことなく海斗は続ける。
「恭介さ、初老って何歳のことを指すか知ってる?」
ぷち、ぷち、恭介の寝間着のボタンが外されていく。腕を抜くのを手伝いながら考える。
「うわ、嫌な予感がする。もしかして」
「いや、まだセーフ。来年ね」
ちゅ、と海斗の唇が額に触れた。
「全然セーフじゃないだろ。嫌だな、もうそんな年齢か」
責任と部下が増えるわけだ、と納得してしまう部分もあるのが正直なところだ。
「まあ、寿命が短かった昔の基準で、だけど」
裸に剥かれた恭介は起き上がるとそのまま海斗をまたいで座った。
ズボンと下着を一緒にずらせば、飛び出すように赤黒い昂りが現れた。
覚えずこくりと生唾を飲む。
ベッド頭部の引き出しからコンドームを取り出して、それぞれにつける。恭介自身にも装着するのは事後の処理が楽だからだ。
「もういい?喋りすぎ。慰めてやらないぞ」
同じ引き出しから今度はローションボトルを出して、手のひらで受けた潤滑剤をねちねちと温める。そのまま海斗の昂りを扱いていく。
「喋ってないと今日を思い出して泣きそうなんだよ」
「ならしない?」
「しますします」
海斗の指先が、円を描くように恭介の後孔を撫で回す。ぷつり、とそこはすんなりと節ばった指を受け入れる。
「あれ、風呂で準備してきたのか」
ここ最近ずっと海斗が仕事で忙しくて、夜は大人しく寝る毎日が続いていた。
「したかったから」
十分にそそり勃ったものを窄まりに宛てがう。
ぐっと身を沈めると、海斗が眉間にしわを寄せた。
感じている顔に満足しながら、恭介は慣れた腰つきで海斗を攻め立てていく。
後ろに手をついて、卑猥に揺れる性器をわざと見せつけながら上下に腰を揺らすと、中で海斗のものがグンと体積を増したのが分かった。
「んン……っ」
奥歯を噛んで、絶頂の波が自然と引いていくのを待っていると、両尻を掴まれた。
「止まってるけど」
ずんっ、と下から突き上げるようにして最奥を穿たれて、恭介は瞠目した。
「きゅ、休憩……っ」
「ナシナシ」
「ん、はぁ、あっ、ああ、あ……っ」
恭介のいい場所ばかりをピンポイントに擦り当てられて、だんだんと力が入らなくなる。
これではどちらが慰めているのか分からない。
いやいやとかぶりを振るが、困ったことにちっとも嫌じゃない。
「もっと、もっとして海斗……っ」
指を絡めて手を握り合って、恭介はついに絶頂を迎えた。
一呼吸置いて海斗が中で達したのが膜越しに分かった。
乱れた呼吸のままぎゅうっと抱きつく。
部活の顧問をしていて体を動かしているからか、相変わらず海斗の体力は無尽蔵だ。
手早く後処理をしてもらい、元いた海斗の腕の中に収まる。
わずかに残る汗が冷えて寒いけれど、くっついていればすぐに暖かくなる。
「また来年も慰めてね」
眉間にそっと唇が押し当てられ、くすぐったい。
「いいよ」
ふにゃ、と笑って恭介は眠りについた。
来年も、再来年も、何年先も、この家で。
────────────────
あとがき
趣味で書いている素人の拙い小説(小説と言っていいのか……)を最後まで読んでいただきありがとうございました。
次は同級生のお話を書きたいなと思っています。高校時代の海斗と恭介も出てきます。
受けに関西弁で「あかん」と言わせたい。いろんな場所でスケベなことをさせたい。それだけです。
「×××する場所がない!」
どうぞよろしくお願いします。(タイトルのネーミングセンス0です)
最後に予告的なものを少し載せさせていただきます。
それでは、またいつか、どこかで読んで頂けたら嬉しいです。ありがとうございました!
すでに海斗の体温で温い。
ん、と海斗の腕が上がるから、当たり前のようにそこに収まる。
「明日でよかったの、ケーキ。せっかく買ってきたのに」
「夜食べると太るだろ。というか、毎年言ってるけど、めでたいのは俺じゃないからな」
ぴったりくっついているから、海斗が笑うと振動が伝わって恭介も震えてしまう。
「海斗、今年も泣いただろ」
「そりゃもう。しかも年々酷くなってる」
今度は恭介がくすくすと笑う。
「年じゃない?って、俺もか」
笑っていると、寝間着の裾から入ってきた手が恭介の腰を撫でた。
不意のことに、微かに吐息が零れる。
「そう言えば、この間ふと気になって調べたんだけど」
話しながら胸の尖りを摘まれて、恭介はぴくりと反応してしまう。構うことなく海斗は続ける。
「恭介さ、初老って何歳のことを指すか知ってる?」
ぷち、ぷち、恭介の寝間着のボタンが外されていく。腕を抜くのを手伝いながら考える。
「うわ、嫌な予感がする。もしかして」
「いや、まだセーフ。来年ね」
ちゅ、と海斗の唇が額に触れた。
「全然セーフじゃないだろ。嫌だな、もうそんな年齢か」
責任と部下が増えるわけだ、と納得してしまう部分もあるのが正直なところだ。
「まあ、寿命が短かった昔の基準で、だけど」
裸に剥かれた恭介は起き上がるとそのまま海斗をまたいで座った。
ズボンと下着を一緒にずらせば、飛び出すように赤黒い昂りが現れた。
覚えずこくりと生唾を飲む。
ベッド頭部の引き出しからコンドームを取り出して、それぞれにつける。恭介自身にも装着するのは事後の処理が楽だからだ。
「もういい?喋りすぎ。慰めてやらないぞ」
同じ引き出しから今度はローションボトルを出して、手のひらで受けた潤滑剤をねちねちと温める。そのまま海斗の昂りを扱いていく。
「喋ってないと今日を思い出して泣きそうなんだよ」
「ならしない?」
「しますします」
海斗の指先が、円を描くように恭介の後孔を撫で回す。ぷつり、とそこはすんなりと節ばった指を受け入れる。
「あれ、風呂で準備してきたのか」
ここ最近ずっと海斗が仕事で忙しくて、夜は大人しく寝る毎日が続いていた。
「したかったから」
十分にそそり勃ったものを窄まりに宛てがう。
ぐっと身を沈めると、海斗が眉間にしわを寄せた。
感じている顔に満足しながら、恭介は慣れた腰つきで海斗を攻め立てていく。
後ろに手をついて、卑猥に揺れる性器をわざと見せつけながら上下に腰を揺らすと、中で海斗のものがグンと体積を増したのが分かった。
「んン……っ」
奥歯を噛んで、絶頂の波が自然と引いていくのを待っていると、両尻を掴まれた。
「止まってるけど」
ずんっ、と下から突き上げるようにして最奥を穿たれて、恭介は瞠目した。
「きゅ、休憩……っ」
「ナシナシ」
「ん、はぁ、あっ、ああ、あ……っ」
恭介のいい場所ばかりをピンポイントに擦り当てられて、だんだんと力が入らなくなる。
これではどちらが慰めているのか分からない。
いやいやとかぶりを振るが、困ったことにちっとも嫌じゃない。
「もっと、もっとして海斗……っ」
指を絡めて手を握り合って、恭介はついに絶頂を迎えた。
一呼吸置いて海斗が中で達したのが膜越しに分かった。
乱れた呼吸のままぎゅうっと抱きつく。
部活の顧問をしていて体を動かしているからか、相変わらず海斗の体力は無尽蔵だ。
手早く後処理をしてもらい、元いた海斗の腕の中に収まる。
わずかに残る汗が冷えて寒いけれど、くっついていればすぐに暖かくなる。
「また来年も慰めてね」
眉間にそっと唇が押し当てられ、くすぐったい。
「いいよ」
ふにゃ、と笑って恭介は眠りについた。
来年も、再来年も、何年先も、この家で。
────────────────
あとがき
趣味で書いている素人の拙い小説(小説と言っていいのか……)を最後まで読んでいただきありがとうございました。
次は同級生のお話を書きたいなと思っています。高校時代の海斗と恭介も出てきます。
受けに関西弁で「あかん」と言わせたい。いろんな場所でスケベなことをさせたい。それだけです。
「×××する場所がない!」
どうぞよろしくお願いします。(タイトルのネーミングセンス0です)
最後に予告的なものを少し載せさせていただきます。
それでは、またいつか、どこかで読んで頂けたら嬉しいです。ありがとうございました!
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