世界を破滅させる聖女は絶賛引き籠り中です

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引きこもり聖女と新居 その2

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チュンチュンチュン……。
窓の外から聞こえる小鳥のさえずりで目を覚ます。
「朝チュンといえば、隣に裸の美少女が……。」
カズトは、こんもりと膨れ上がった布団をめくる。
「……ハイ、わかってましたよ。」
布団をめくって出てきたのは、あの、金髪美少女のソニアちゃん……ではなく、さっきまでカズトが抱えていた枕だった。

「はぁ……、夢じゃないんだな。」
カズトはベッドから上半身を起こし、部屋の中を眺める。
ベッドや机などは、よく言えば趣のある、悪く言えば古臭い。電灯はなく、壁にある燭台に蠟燭を置いて使用する。もちろん今は火は付いていない。
起き上がり窓から外を見る。
ファンタジー映画に出てきそうな……というかそのものの街並みが広がっている。
異世界だ。憧れの異世界にやってきたのだ。
そう思うと、じわじわと心の奥底から喜びがあふれてくる。

地球では何の取柄もなく、周りから虐められる毎日。
引きこもりを続けていればその先どうなるかなんて見えてくるものの、だからといって、外に何の希望も展望もない。
ただ、本を読んでゲームをして寝るだけのダラダラとした毎日。
いつか、自分の本当の力を発揮できる世界に行ける日が来ると信じ、そんな日は永遠に来ないと分かりつつも、現実から目を背け続けた日々……。
もう、そんな日々ともおさらばだ。俺はこの世界で生まれ変わるんだっ!

カズトは気合を入れると、身支度を整えて部屋を出る。
部屋を出るときに、カズトは思う。
……この一歩は小さな一歩かもしれない。だけど、俺の人生が変わる偉大なる一歩なのだ!……と。


「あら、カズトさん、おはようございます。」
「あ、おはよう。」
食堂で迎えてくれたソニアさん……今の姿は、「ちゃん」と言うより「さん」である……の笑顔が眩しい。
女の子は、こうしてその場その場で雰囲気が変わるからズルい、と思いつつ、なんとなく気恥ずかしくなって、返事をしつつも視線を逸らす。

「ハイ、どうぞ。カズトさんはこれからのご予定は?」
朝食を持ってきてくれたソニアさんが、目の前に座る。
どうやら話し相手になってくれるらしい。
「あぁ、まだこの街に来たばかりでよくわかってないから……そうだ、冒険者ギルドとかあるのか?」
「ありますよ。カズトさんは冒険者なのですか?」
「いや、冒険者になりたいと思ってな。」
冒険者……異世界に来たらなるのは当然ともいうべき定番の職業。
冒険者になって、一獲千金を得て、仲間の美女たちとウハウハな人生を過ごす……カズトもまた、ご多分に漏れず、そのような人生設計を描いていた。
「そうですか。登録はこの街でも出来ますけど、近いうちに王都へ行かれた方がいいかもしれませんね。」
「王都へ?なんで?」
「この街では、依頼が少ないからですよ。王都なら、多種多様の依頼があるので、カズトさんでもこなせる依頼が一杯あると思いますよ。」
「成程なぁ。でもまぁ、しばらくはこの街にいるよ……10泊分前払いしてるしね。」
昨日、ソニアちゃんに色々言いくるめられて、3日の所を10日に延長したのだ。さらに言えば、その後も10日単位での延長を約束させられた。

「チッ!」
「えっ、今……。」
「何でしょう?」
「……いやなんでもないです。」
目の前の少女が舌打ちしたように見えたのだが、それを問いただそうとした時の彼女の笑顔を見たら、なぜか背筋が凍り付く感じに襲われたので、結局黙っていることにした。
「あ、えっと、じゃぁ、……出かけてくるよ。」
「ハイ、お気をつけて。」
食事を終えたカズトは、そのまま話を続けるための話題がなかったので、ソニアに見送られながら髭の小鹿亭を後にするのだった。


「ふぅ、こんなものか。」
カズトは手に入れたばかりのギルドカードを見つめ、呟く。
冒険者ギルドでの手続きはあっさりと終わった。
能力測定などで、カズトの隠されたチート級のステータスやスキルが暴露され、お~!っと驚かれたり、という事もなく、テンプレの『新人冒険者に冒険者の心得ってもんを教えてやるぜっ!』といった絡みもなく、ただ、淡々と冒険者ギルドのシステムについて説明を受けただけで終わってしまった。

カズトの持っているギルドカードは白色で、これは最低のFランクであることを意味する。依頼を受け、実績を積むことによってランクが上がると共にカードの色も変わるのだと説明を受けた。

後、他所では、モンスターの討伐の依頼を受けることが出来るのはEランクに上がってからなのだが、この街では特別に、ランク関係なくモンスター討伐の依頼を受けることも出来るという。

その理由を尋ねたところ、この街の傍に小さなダンジョンがあるからだという。
ダンジョンに潜れば当然モンスターと出くわすので、Eランクからなどと言っていたらFランクの冒険者が出て行ってしまう。
街としてはダンジョンから得られる数々の物品の売買、及びダンジョンへの入場料など、経済的な面から一人でも多くの冒険者にダンジョンに潜ってもらいたいという大人の事情により、この特例が発せられたのだそうだ。
どの世界でも町おこしは大変だという事だな。

カズトは街中で装備一式をそろえると、早速ダンジョンへとやってきた。
「おう、新入りかい?あまり無理はするんじゃねぇぞ。」
「『冒険するのが冒険者』だろ?」
入り口にいた警備兵に、カズトは軽口を返す。
「そうともいうがな、『生き残るには冒険しないことだ』ともいうぜ。」
「……一理あるな。」
警備兵の含蓄ある言葉に、カズトは頷く。
「まぁ、初めてならとりあえず一戦交えて戻って来ればいいさ。その後の事は無事生きて戻ってこれたら考えな。」
「そうだな。忠告感謝する。」
意気揚々としてダンジョンへと入っていくカズト。

実際のところ、ここのダンジョンはゲームで言う初心者向けのダンジョンみたいなものだ、と、カズトは集めた情報から判断している。
出てくる魔物も、1階層ではコボルトがいいところであり、それほど苦戦するとは考えていなかった。
結局、平和な日本で生まれ育ち、何不自由なく引きこもっていたカズトには、命のやり取りというものが理解できていなかったのだ。


「マジかよっ!くそっ、何で当たらねぇんだよぉ。」
ダンジョンに入って10分程で、カズトは少し広い場所に出た。
そしてそこでコボルト3匹と出くわす。
ゲームではスライム、ゴブリンと並んで雑魚扱いだったコボルト。
「こんなの余裕だな。」……と思っていたのだが。

カズトが振り回す剣を難なく躱すコボルト。
当たり前だ。
剣など初めて持ったカズトが技術などあるわけでもなく、ただ振り回しているだけ。
コボルトにしてみれば、ほんの一歩後ろに下がるだけで難なく躱すことが出来る。
ただ、むやみやたらと振り回しているため、間合いに入ることが出来ない。
それがカズトにとって唯一の救いだった。

しかし、カズトとて、無限の体力があるわけでもなく、ただ剣を振り回しているだけでは体力の消耗も早い。
当然、振り回す剣の動きも鈍り、その隙を突いてコボルトが攻撃をしてくる。
「痛ぇっ!なんなんだよこれっ!俺は最強じゃなかったのかよっ。」
斬られる痛み、流れ出る血を目の当たりにしてカズトの心が折れていく。
「くそぉ……コボルトみたいな雑魚なんかに……ゲームじゃぁ、瞬殺だろ……。」
カズトは今の今まで、ゲームをしている気分だった。だから、自分は強いんだと、意味のない自信があった。
しかし、自らの痛みをもって、ここが初めて現実なのだと理解する。
ダンジョンに潜り、お金を稼いで、美少女のパーティ仲間を増やして仲良くなって……という、妄想が、ガラガラと音を立てて崩れていく。

……痛い、……痛い……。
……血がいっぱい出てる……なんでこんなことに……。
抵抗の意志を失ったカズトを、コボルトがここぞとばかりに取り囲み、斬り刻んでいく。

……そうか、ここで死ぬんだな、俺は……。
カズトの脳裏に、現実で虐められていた時の光景が蘇る。

……死ぬ寸前に思い描くのが最低の時の事なんて……くそったれだな。
……あの時もこうして囲まれて……。
カズトは虐められていた時のことを思い出す。

あの時はただ耐えて、耐えて、あいつらが飽きて去っていくのを待つだけだった。
アイツらだって、いつまでもカズトに係っていることはない。だから耐え続ければ、いつかは暴力から逃れることが出来た。
しかし、今カズトを攻めている奴らは、カズトが死ぬまで攻め続けるのだろう。カズトが逃れることが出来るとき、それは即ちカズトの死を意味する。

……あの時、反抗して手を出していれば、何か変わったのかな?
ふとそんなことを思う。

……いや、次からの苛めがもっと酷くなるだけだよな。
そう、あの時カズトはそう思って抵抗をやめ、抗う事から逃げたのだ。

……その結果が、こんなわけのわからない世界で死ぬ事ってか。
そう考えると、カズトは少しおかしくなる。と同時に腹が立ってくる。

……どうせ死ぬなら、思いっきり暴れてやるよ。
カズトの中で、今までため込んでいた鬱憤が爆発する。

どうせ死ぬなら何をしても意味はない。
だったら耐え続けても意味がないってことだ。
なら、スカッとする方を選ぼう。

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
カズトは手にした剣を振り回す。
型も技術も何もない、ただ力任せに振り回すだけ。
しかし、カズトの事をすでに死に体だと思っていたコボルトたちは、斬り刻むことに夢中になっており、まさか今になって反撃が来るとは思ってもいなかった。
だから、カズトの振るう剣をモロに受けてしまい、その結果、1匹は弾き飛ばされ、1匹は腹を裂かれ、そして運の悪い1匹は首を斬られて即死だった。

相手を見てもいない、どこを狙っているわけでもない、ただ単に剣を振り回すカズト。
しかし、運悪くその間合いにいれば斬られるのは必至。
残ったコボルトたちは、慌ててその場から逃げ出そうとするが、腹を裂かれたコボルトは、よろよろよ立ち上がったところに、運悪くカズトの剣が来て、首を跳ね飛ばされる。
残った1匹のコボルトも、背中に傷を負うが、カズトとの距離が離れていたことが幸いし、その傷は浅く、、持っていた剣を投げ捨てると一目散に去っていった。
カズトはそのことにも気づかずにただ単に剣を振り回し、スタミナが切れて意識を失うまで続くのだった。


カズトが意識を取り戻したのは、しばらくしてからの事。
自分の身体が動かされていることで、目を覚ます。
目を開けると、自分の身体をゴソゴソと弄っている女性と目が合う。
「あっ。」
カズトと目が合った女性は、小さく声を上げると、慌てて視線を逸らし、誰かに声をかける。

「ご主人様、この人生きてました。」
「なんだと?……チッ、死体じゃねぇなら仕方がないか。」
「そうですね。仕方がないですね。」
面白くなさそうな口調の男と、どこか嬉しそうな口調の女性。
「……お前ら……なに……、してる……。」
カズトは、それだけを何とか言う。
疲れの為か、瀕死の重傷を負っているせいか、しゃべるのも辛い状態だ。
「(今は大人しくしていてくださいね。)」
女性は小声でそう言いながら、男から見えないようにカズトの口のポーションを含ませる。

「えっとですねぇ、あなたが死んでいると思ったから、金目のものを回収しようとしてたんですよ。すでに死んじゃっている人には、お金やアイテム、装備は必要ないですもんね。……でも生きているなら、それは窃盗になっちゃいますよね?どうしましょ?」
女性の言葉はカズトに向けての説明だったが、同時に同伴の男への確認だったりする。
「……ここでそいつを殺すと赤くなるからな。そこまでする価値もないし、行くぞ。」
男はそう言って立ち去ろうとし、女性もその後に続く。
女性は去り際にもう一本ポーションを置いて行った。

「……助かった……んだよな?」
ポーションのお陰で体力も回復し、動くようになった体を起こしながらそう呟く。
「赤くなる……犯罪者か。」
男の言葉にカズトはギルドで受けた説明を思い出す。

ギルドカードには倒した相手の詳細が記録されるため、どのモンスターを何体倒したかすぐわかるので虚偽申請は出来ないという事。そして、その記録されるのは、モンスターに限らないという事だ。
あの男が冒険者なら、ここでカズトを殺すとその記録が残る。
カズトが、犯罪者であれば問題ないが、何の罪もない一般の冒険者なので、殺した男のギルドカードには殺人者と記載され、一目でわかるように赤く光るのだそうだ。

それによって、完全ではないが、冒険者同士での諍いを止める抑止力になってはいる……らしい。

「要はPKってことだよな。」
PK……プレイヤーキラー……ネットゲームではお決まりのロールであり馴染み深いものではあるが、あくまでもゲームだから許されるのであって、現実のこの世界でやってしまえばただの犯罪者、殺人者である。
最も、カズトはそのプレイスタイルが好きになれず、毛嫌いをし、その手のプレイヤーとはなるべく関わり合いを持たないようにしていたので、あまり関係のない事だったが。

「とりあえず……助かったんだよな。」
カズトは自分の身体を見つめる。
自分の身体に無数の斬り刻まれた跡があるはずだが、先程のポーションにより、その傷跡はすでになく、ただ、血で汚れた防具があるだけ。
次に周りを見回す。コボルトの姿は見当たらず、ただ小さな石が落ちている。
「これが魔石か。」

魔物は絶命して暫くするとその身体が光の粒子となって消えていく。
その時の光の欠片が魔石となって残ると言われている。
だから、魔物から素材を回収するためには、倒してから、魔石に変わるまでの間に行う必要があるので、解体ひとつとっても知識と技術、経験がものをいうのである。

「……とりあえず帰るか。」
自分は甘かった。
異世界とは言っても現実だ……そのことを理解していなかった。
ここは平和な日本じゃない。
命が紙切れよりも軽い世界なのだという事を、カズトはその身をもって理解したのだった。
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