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引きこもり聖女の初試験 その2

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「ミヤコっ、そっちに行ったからっ!」
「ありがとっ……『衝撃波《スタン》』」
ミヤコの前に飛び出したウサギ型の魔物に、雷系の初級魔法を浴びせる。
不意を食らったウサギ型の魔物は、避けることも叶わず、直撃を受けて硬直する。
「ミヤコ、今よっ。」
「分かってるっ……『天に遍く聖霊よ、我と彼の者の間に古の絆を繋ぐことを願わん』」
ミヤコが聖句を唱えると、ミヤコとウサギの間に光の鎖が現れる。
「さて、約束よ。」
動けない魔物に声を掛けるミヤコ。
それに対し、ふて腐れた態度を崩さなかったウサギだが、やがて観念したのか、ミヤコの前で頭を垂れる。
「じゃぁ、契約するね……『我、古の盟約に基づき、汝と契約を結ぶ者也。ミヤコの名において、汝に『バニィ』の名を与える。此より先は身命を賭して仕えることを願わん。我が名はミヤコ、汝の名はバニィ、我が名と汝の名をもって今ここに契りを交わすもの也。』」
ミヤコの口から誓約の文言が紡がれると、ウサギの身体が光り出し、唱え終わると同時にその姿を消し、後には小さく綺麗な石だけが残される。
「成功……したみたい。」
ミヤコはその石を拾い上げ、手のひらの上でコロコロと転がしながらそう言った。
「良かったねぇ。なんとか試験にも間に合ったし。」
「ホント、ソレだよ。」
ミヤコは安堵のため息を吐く。

お互いを理解し、パーティの連携を鍛えようと、森に籠って5日が経つ。
当初は役立たずに思われた脳筋カズトも、ユウの指導により『魔闘術』を覚えてからは、パーティの盾役兼特効担当として腕を上げている。
『魔闘術』というのは、以前エルザがユウに教えてもらった魔剣技の格闘版みたいなもので、魔力もしくは魔法そのものを剣の代わりに、自らの肉体に纏わせて戦うというものだ。
例えば、拳に炎系の魔法を纏わせて殴れば、魔力により強化された拳の力は従来の何倍もの威力になり、加えて炎による追撃もある。火属性が弱点の魔物であれば、致命的な一撃となりえるのだ。
この戦い方はカズトと相性がよかったようで、今も腕に風魔法を纏わせて、ウサギを追いかけまわしている。

そしてミヤコの召喚術。
これは何かを召喚して戦わせるというのは分かるのだが、その召喚するものが何か?とか、どうやって得るのか?という事が全く分からなかった。
それを解決したのもやっぱりユウだった。
ユウは召喚術について教える代わりに、ミヤコと何やら取引をしていたようだったが、話を聞いていたミヤコの顔が見る見るうちに赤く染まっていくことからして、ろくでもない取引だというのだけはよくわかった。
結局、ミヤコはその取引を呑んだのか、しばらくユウとテントの中に引き籠り、しばらくしてから疲れた顔で出てきた。
ユウの顔が対照的に艶々して明るかったことから、テントの中で何かがあったのだろうが、ミヤコの為にも、自分の為にもスルーしておくのが無難だとエルザは思った。
その後、落ち着いたエルザから聞き出したところ、召喚術とは召喚獣を従わせ、使役するための術で、ビーストテイマーと似たようなものだという事だった。
ビーストテイマーと違うのは、対象が魔物ではなく『召喚獣』だという事。

召喚獣は、魔物と精霊の間に位置する『精霊獣』という存在が、召喚師と契約することによって変化するものらしい。
精霊獣は各魔物の種族の上位に位置するものであり、目にすることは極めて稀である。
そんな精霊獣とどうやって契約を結ぶのか?
ユウによれば召喚師が使える『契約の術式』というものがあるらしい。
今は失われた術式を何故ユウが知っているのか?というミヤコの疑惑にも「ユウだから」の一言で納得させた。

契約の術式そのものは、そんな複雑なものではなく、召喚の魔法陣を描き、魔力を流すことによって精霊獣を呼び出す。
この時、術者の魔力とレベルが高ければ、思い描いた精霊獣を呼び出すことが可能だが、規定に満たたない場合はランダムに呼び出されるため、どんな精霊獣が来るかわからないのだそうだ。
呼び出された精霊獣は、術師を見定め、否となればそのまま消え、少しでも契約してもよいと思えば条件を出してくる。
その条件を達成し、再び魔法陣を描き、契約の誓句を唱え、精霊獣に名を授けることで召喚獣となるのだそうだ。

その後、召喚獣は召喚石という宝石を残し、召喚師の求めに応じてその姿を現し、その命に応じて行動を起こす。
ただどのような命令にも絶対服従というわけではなく、召喚獣の意に染まぬ命令をした場合、一度だけ命令を聞いた後は契約破棄となり、その精霊獣が再びその召喚師の前に姿を現すことはない。
命令されたら絶対服従となるビーストテイマーと大きく異なる点がここであり、召喚師には、精霊獣に好かれる魅力というものが一番要求される。
最も、圧倒的な力の差があれば、大抵の召喚獣は大人しく従うのだが。
また、召喚の下位にあたる魔物は、召喚獣を通して使役することも可能だが、そのせいで同種の魔物が狩りにくくなるというデメリットがあるらしい。
別に下位の魔物を狩っても気にしない召喚獣は多いらしいが、そこは気分に問題というものだろう。

そして、ミヤコが呼びだした精霊獣は「ライトニングラビット」
ホーンラビットの上位種で雷の属性を持つ。
ライトニングラビットの出した条件は『鬼ごっこ』。
期限以内に捕まえることが出来たら従うとの事で始まった鬼ごっこ。
初日、二日目と、素早いライトニングラビットの動きに翻弄され、全く歯が立たなかったミヤコだったが、ユウの『最後にミヤコが捕まえれば問題ない』という言葉を信じ、三日目はエルザとカズトによる包囲網により、ライトニングラビットを追い詰め、さらには夜を徹して追い掛け回し休む暇を与えず、今ようやく捕らえることに成功したというわけだった。

「バニィ、バニィちゃん~。」
ミヤコは顔を緩ませ、召喚石を撫でまわしている。
「ミヤコ、嬉しいのは分かるけど、時間もないからね。……カズトもいい加減帰ってきてっ!」
エルザはミヤコに声をかけ、森の奥で遊んでいるであろうカズトに向かって叫ぶ。
明日は試験の説明があるため学園に行かなければならない。
つまり今夜には戻らなければならないので、召喚獣を得たミヤコを含めた連携の確認をする時間はあとわずかしかないのだ。

「この先にゴブリンの巣があるわ。全部で20匹もいないみたいだけど、気を抜いてたら危ないわよ。」
エルザの言葉に、カズトとミヤコが頷く。
「最初にユウとミヤコで弓を放って。その間に私とカズトが突っ込むわ。その後、ユウは弓で出来るだけ援護、傷ついたら回復魔法をお願いね。ミヤコはバニィを呼び出して攻撃命令を出しつつ魔法で援護して。カズトは……ううん、何でもない。」
カズトに細かい指示を出しても無駄だろうと思い直す。
放っておいても、目につくゴブリンを殴り倒していくだろうから、私はそのフォローをすればいい、と。
(ユウ、もし万が一ヤバいことになったら、お願いね。)
(ん、ご奉仕一回で手を打つ。)
(……私がやられちゃったらご奉仕も出来ないよ?)
(むぅ……エルたん狡賢い。)
(狡賢くないよ、普通だよ。とにかく頼んだからね。)
エルザは、ユウに万が一のフォローを頼むと戦闘準備をする。
「ゴブリン相手だからね。万が一の油断も出来ないよね……『装着《チェンジ》』」
エルザは今まで着ていた革の服から、いつものユウ特製の装備に変える。
「「ネコミミっ!ゴスロリっ!メイド服っ!」」
着替えたエルザを目にしたミヤコとカズトが叫びながら飛びついてくる。
「ヒッ!」
思わずエルザは後ずさるが、二人はエルザの目の前で、見えない壁に阻まれたかのように止まる。
「お触り禁止!」
ユウがエルザの前に障壁を張ってくれたらしい。
「うぅ~、メイドさんん~~~。」
「ネコミミぃ~。」
「怖いよっ!」
見えない壁を引っ掻く様に迫る二人を見て、エルザは本気で怯えるのだった。


「ごめんね、可愛かったからつい。」
「もういいから……、いい加減始めるよ。」
謝りながらもネコミミを撫でまわすミヤコの手を振り払いゴブリンの巣に目を向ける。
カズトが何かを言いたそうにエルザを見ているが、無視をする。
「外に5匹……。ユウ、ミヤコ、あそこを狙って。」
「はーい。」
「わかったわ……ライトニングボルト!」
ユウの矢とミヤコの魔法が、見張りに立っていたゴブリンを貫く。
何が起こったかわからず慌てふためくゴブリンをカズトが炎を纏わせた拳で殴り倒す。
カズトが2匹目のゴブリンを殴り倒した時には、エルザももう一匹のゴブリンの首をかき切る。
その頃になってようやく外の異変に気付いたゴブリンたちがわらわらと出てくる。
しかし、乱戦はカズトにとっては却って美味しい状況である。何といっても何も考えずに殴り続けるだけで結果が出せるのだから。
カズトは嬉々としてゴブリンに殴りかかる。
右手に炎、左手に風の魔法を纏わせ、殴り、切り裂き、焼き尽くす。
まさしく、カズトの独壇場だった。

……これなら問題なさそうね。
4匹目のゴブリンに止めを刺したところで、エルザは一息つく。
戦場を見回すと、カズトは5匹のゴブリンに囲まれているが、危なげなく対処している。
攻撃を躱されバランスを崩したゴブリンが、足元から這寄ったバニィの角によって絶命する。
カズトの背中から攻撃を仕掛けようとしているゴブリンの背にミヤコの放つ魔法が突き刺さり絶命する。
その間にも、カズトは炎を纏わせた右腕でゴブリンを殴り倒す。
……ん?
少し離れたところで変な魔力の流れを感じる。
ユウ特製のネコミミを着けていなければ気づかなかっただろう。
エルザは慌てて周りを見回す。
「居たっ!」
物陰に隠れているゴブリンが一匹。
カズトに向かって何やら唱えている。
「ゴブリンシャーマン?」
ゴブリンの中に稀にいる呪文が使える個体。それがゴブリンシャーマンだ。
魔法が使えるだけあって、他の個体よりは知恵が回る。それだけに放置しておくと後々厄介なことになるので、群れの中にシャーマンがいたら、最初に討伐すべき対象だ。
エルザはナイフを取り出し狙いを定める。
ここから飛び出して行っても間に合わない、エルザの使える魔法では倒すだけの火力がない、だったら、一番確率の高いにかけるしかない。
エルザは、すぅっと息を吸うと、ゴブリンシャーマンに向けてナイフを投げる。
と同時にシャーマンに向かって駆け出す。
ナイフが躱されても、その間に肉薄できれば止めを刺すのはたやすい。
エルザが迫る気配を感じて、シャーマンエルザの方へ向き、魔法の照準をエルザに向ける。
……不味い、躱せない。
相手の魔法の詠唱はすでに終わっているらしく、エルザに向かって放たれる寸前だ。躱そうにも加速中でありここまで距離が縮まっていては難しい。
……即死しなけりゃいいのよっ!
エルザはそのまま魔法を受ける覚悟でさらに加速する。
このシャーマンを倒せば戦闘は終わるだろう。その時、どれだけ大怪我をしていたとしても、死んでいなければユウが治してくれる。
そう信じてエルザは双剣をシャーマンに向かって振るった。


「バニィ、美味しいところ持っていくね……でもありがと。」
エルザは傍で毛づくろいしているライトニングホーンを抱き上げる。
シャーマンに対するエルザの攻撃は、結果として外れた。
そしてシャーマンの魔法がエルザに放たれることもなかった。
あの時、シャーマンの魔法が放たれる寸前、背後にいたバニィのライトニングがシャーマンを直撃して崩れ落ち、対象を失ったエルザの双剣は空振りしたのだ。
結構悲壮な気持ちで覚悟を決めていただけに、何となく釈然としない気持ちがあるのだが、結果としては無傷の勝利なので文句を言うのは間違っているだろう。

エルザが広場に戻ると、みんな集まっていた。
「ゴブリンなんかじゃ物足りねぇなぁ。」
カズトがシュッ、シュッと拳を振り回しながら言う。
「よく言うよ、三日前まではウサギ相手に泣きべそかいてたくせに。」
「な、泣いてないわっ!」
大きな口を叩くカズトを冷やかすミヤコ。
「あ、エルたんおかえり。大丈夫だった?」
「うん、この子のお陰でね。」
エルザの腕から飛び出したバニィはミヤコの胸に飛びつき、ひとしきり頬ずりした後召喚石へと変わる。
「まぁ、コレで試験も何とかなりそうじゃない?」
ミヤコが召喚石を眺めながら言う。
「そうね、出来ればオークとも戦っておきたかったけど、多分大丈夫そうね。」
5日前の状態ならともかく、今のゴブリン戦の様子からして、オーク4~5匹程度までなら余裕で倒せると、エルザは確信する。
ウルフ種など、数が多く連携してくる相手にはやや心許ない気もするが、苦戦しても負けることはないだろうと思えるぐらいには戦えていた。
「明日は学園で説明を聞いた後、必要なものを買いそろえに行きましょうね。」
「お買い物、楽しみ。」
「試験対策だからね?」
買い物と聞いて喜ぶユウに一応くぎを刺しておく。
……とはいっても、最後には何か買ってあげることになるんだろうなぁと、財布の中身の心配をするエルザだった。

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