7 / 21
ただアイテム投げるだけの地味なお仕事です?
しおりを挟む
「で、どうするか決まりました?私達何か手伝えることありますか?」
森の中ほどの少し開けた場所で、ミリアはアルフレッドに話しかける。
この場所は周りより少し高くなっていて、目の前の大岩の影から眼下を除き見ると、そこにはゴブリン達が巣にしていると思われる洞穴の様子が伺える。
「いや、見たところ、見張りのゴブは3~4匹だし、巣の中にもそれ程数はいなそうだしな。さっさと行って片付けてくるよ。一応念の為にいつでも援護に入れるようにだけしておいてもらえると助かる。」
「はーい。じゃぁ、気を付けてね。」
そう言って見送るミリアの背からアリスが声をかける。
「あの……いいんですか?」
「いいの、いいの。ここで私達が出ても邪魔なだけだからね。ここで大人しくしてるのが一番なのよ。アリスちゃんもアルがどんな戦い方するのか興味あるんでしょ?」
「それはそうなのですが……。」
「いいから、いいから。はい、ここに座って。」
釈然としない様子のアリスを招いて自分の横に座らせるミリア。
この場所からなら、全体を見渡せるので、アルフレッドに何かあってもすぐに対応できる、という事をアリスに伝えると、アリスは納得したのか、腰を下ろして、熱心に周りを観察し始めた。
程なくすると、視界にアルフレッドが入ってくる。
彼は、見張りのゴブリン達の背後から、そっと近づいて行っている。
「あのままじゃ、見つかるのではないでしょうか?」
背後から、と言っても遮蔽物も何もない場所を移動するアルフレッドの行動は、アリスにはあまりにも無防備に見える。
「大丈夫よ。アルの纏っているマントにはかなり強力な認識疎外の魔法が付与してあってね、見えない所から近付けば、真後ろに立っても気付かれない筈よ。もっとも気配を遮断できるわけじゃないから、余り近付き過ぎるのはダメだけどね。」
「そうなんですね。でも、私にははっきりと認識できますし、ミリアさんも認識してますよね?」
アリスは疑問に思った事を口にするとミリアは丁寧に答えてくれる。
「それは、私達が例外として登録されているからよ。戦闘中、パーティの仲間を見失ったら困るでしょ?」
「そうなのですね……あ、何かを投げてますが、アレは何でしょう?気づかれないのでしょうか?」
アリスが見ている前で、アルフレッドは小石のようなモノをゴブリン達の周りに投げている。
ゴブリン達は、ボーっと遠くを眺めているが、たまに物音に気づき、そちらを見る事もあるが、特に何も見つからないため、暫くすると、また遠くを眺め出す。
基本的に、ゴブリン達は知能が低いいため、目の前に何かが起こらない限り自ら行動を起こすことはない。
だから物音がしたとしても、そこに何もなければ、すぐに別の所に興味が移るのだ。
アルフレッドはそんな彼らの習性を熟知している為、慌てずにゆっくりと準備を整えていく。
そして、アルフレッドとの付き合いも長くなってきているミリアには、アルフレッドが何をしているのか?これから何が起こるのか?は、これまでにも散々やって来た事なので手に取るようにわかる。
「アレはね、エンチャントした魔石を配置してるのよ。」
だから、アリスの疑問に解説付きで答えてやる事が出来る。
「エンチャント、ですか?」
「アルの戦い方はね、ああやってエンチャントしたアイテムを使うの。剣や魔法で直接戦うわけじゃないから、見た目地味だけどね、それなりに効果的なのよ。」
ミリアの説明を受けながらアリスが見守っている目前では、アルフレッドが何か呪文を唱えた途端、ゴブリン達の足元に穴が開き、そこにゴブリン達が埋もれるという光景が繰り広げられていた。
「確かに……」
地味ですね、と言おうとしたその時、眼前のアルフレッドが、手にした何かを投げつけるのが見えた。
そしてその直後……
どぉぉぉぉーん!
派手な爆音と地響きがここまで伝わってくる。
「……えっと、地味?」
アリスは思わず隣りを見ると、ひきつった笑顔のミリアがそこにいた。
「アルっ、なんなのよっ!」
必死の形相で走ってくるアルフレッドの姿を捉えたミリアはそう叫ぶ。
「文句は後だっ!逃げないとオークに襲われるぞっ!」
アルフレッドは、訳が分からず呆然としているアリスを抱え上げてさらに加速する。
「またなですかっ、またオークですかっ……ってか何でオークがいるのよっ!」
「そんなん知るかっ!オークに聞けっ!」
文句を言いながらも、慌てて追いかけてくるミリアに、アルフレッドも足を止めることなく叫び返す。
そんな言い合いをしている間にも、オーク達の足音は間近まで迫ってきている。
「クッ、少しでもあいつらの気を逸らす事さえできれば……。」
「あの、上手く行くかどうか分かりませんが、上手く行けば数秒ぐらいなら足止めできますが?」
アルフレッドの呟きに、抱えられたままのアリスがそう応える。
「アリスちゃん、ホント?」
横を走っているミリアが訊ねる。
「えぇ、お姉さま、ギルドの時と同じですぅ。オーク達は鈍いのでどこまで効果があるか分かりませんけどぉ。」
「よく分からんが、足止めできるなら頼む……あそこの開けたところで仕掛けるけど……行けるか?」
「おまかせください!」
アリスが元気よく答える。
「コレでよし……。そっちはどうだ?」
「コッチはOKよ。」
「私の方もいつでもいけるのですよ。」
アルフレッドは、エンチャントされた魔石で簡易魔法陣を組んだ後、二人に呼び掛けると、準備が出来たと返事が返ってくる。
「じゃぁ、俺が囮になるから、奴らが所定の場所に来たら頼む!」
アルフレッドは二人にそう告げると、魔法陣から十数m離れた場所に立ち、オーク達を迎え撃つ準備をする。
作戦としては簡単だ。
魔法陣の範囲内でオーク達を足止めし、まとまった所で魔石にエンチャントした『大地崩壊』の魔法を発動、まとめて生き埋めにする。
ただそれだけだ。
問題なのはグランドフォールが発動した際に、オークが発動範囲内にまとまっているかなんだが……。
アルフレッドがそんな事を考えている内に、オークの群の先頭集団がアルフレッドの姿を捉え、スピードを上げてくる。
「だから、来るなってばっ!」
迫りくるオークの姿に、冷たいものを背筋に感じながらも、アルフレッドは先頭集団に向けて、手にした薄い緑色の石を投げつける。
『風よっ!』
石がオークにぶつかる寸前に、あらかじめ設定してあるキーワードを唱えると、その石が光り輝き、オークに向けて『風撃砲《エアロ・カノン》』の魔法が発動する。
眼の前で激しい突風を、まともに受けたオーク達は、背後から迫ってくる仲間を巻き込んで後方へと激しく吹き飛ぶ。
「今ですっ!」
アリスが叫ぶ。
「水の精霊よ!『ウォータースクライド!』」
アリスの言葉を受けて、ミリアが水の精霊を呼び出し、大量の水を発生させる。
狙いは違わず、地べたに転がるオークと、その周りでもがいているオーク達をまとめて濁流が飲み込む。
「行きますっ!『サンダー・シュート!』」
アリスの持つ杖の先から稲妻がほとばしり、オーク達を包み込む。
オーク達の身体が一瞬ビクッと震え、そのまま硬直する。
ミリアの放った水を伝わり、その場にいるオーク全員が電撃により感電し、その場から動かなくなる。
「おー、怖っ。アイツ等怒らせない様にしないとな。」
アルフレッドはそんな事を呟きながら、仕掛けた罠を起動させるためにキーワードを唱える。
『大地崩壊』
オーク達のいる場所に置かれた魔石が光を放ち、その光が魔法陣を形成していく。
そして、その直後、オーク達のいた場所が陥没し、オーク共々、その大地に穿たれた大穴に飲み込まれていった。
「アルーっ。」
ミリアたちがアルフレッドのもとへ駆け寄る。
「アル様、凄いですぅ!あれだけの数のオークを一瞬にして……素晴らしいですぅ。」
アリスが、目をキラキラさせながらアルフレッドを持ち上げる。
「いやぁ、これも、アリスたちが足止めしてくれたおかげだよ。」
最近はその様に持ち上げられたことがないアルフレッドは、満更でもなさそうに笑いながら、アリスやミリアの事を褒め称える。
「それはいいんだけどね……掘り出せるの、コレ?」
ミリアは、お互いに称えあう二人を冷めた目で見つつ、オークが埋まっている先を指さす。
所々から、オークの手や足など一部のパーツは見て取れるが、陥没し、完全に埋まってしまっているそこから、オークを掘り出すのは至難の業だというのは、誰の眼から見ても明らかだった。
「…………。」
「掘り出せるの?」
「……。」
「掘り出せるんですかぁ?」
何故か、ミリアに並んでアリスまで聞いてくる。
「……依頼はゴブリン退治だったよなぁ。ゴブリンの所に急ごうかぁ。」
そう言って歩き出そうとするアルフレッドをジト目で見る少女二人。
「無理なのですね。」
「最初から素直に言えばいいのに。」
「……こんなのどうやって掘り出せっ言うんや!」
アルフレッドは地面から生えているオークの腕を掴みながら叫ぶ。
しっかりと埋もれているその腕は、当然の事ながらびくともしない。
「ハイハイ、分かってるって。取りあえずゴブリンの巣に行くんだよね。」
ミリアが、アルフレッドの肩を叩きながら先に行くように促す。
釈然としないまま歩き出すアルフレッド。
「地味な戦い方……ですかぁ……。」
背後からついてくるアリスがそんな事を呟いていた。
森の中ほどの少し開けた場所で、ミリアはアルフレッドに話しかける。
この場所は周りより少し高くなっていて、目の前の大岩の影から眼下を除き見ると、そこにはゴブリン達が巣にしていると思われる洞穴の様子が伺える。
「いや、見たところ、見張りのゴブは3~4匹だし、巣の中にもそれ程数はいなそうだしな。さっさと行って片付けてくるよ。一応念の為にいつでも援護に入れるようにだけしておいてもらえると助かる。」
「はーい。じゃぁ、気を付けてね。」
そう言って見送るミリアの背からアリスが声をかける。
「あの……いいんですか?」
「いいの、いいの。ここで私達が出ても邪魔なだけだからね。ここで大人しくしてるのが一番なのよ。アリスちゃんもアルがどんな戦い方するのか興味あるんでしょ?」
「それはそうなのですが……。」
「いいから、いいから。はい、ここに座って。」
釈然としない様子のアリスを招いて自分の横に座らせるミリア。
この場所からなら、全体を見渡せるので、アルフレッドに何かあってもすぐに対応できる、という事をアリスに伝えると、アリスは納得したのか、腰を下ろして、熱心に周りを観察し始めた。
程なくすると、視界にアルフレッドが入ってくる。
彼は、見張りのゴブリン達の背後から、そっと近づいて行っている。
「あのままじゃ、見つかるのではないでしょうか?」
背後から、と言っても遮蔽物も何もない場所を移動するアルフレッドの行動は、アリスにはあまりにも無防備に見える。
「大丈夫よ。アルの纏っているマントにはかなり強力な認識疎外の魔法が付与してあってね、見えない所から近付けば、真後ろに立っても気付かれない筈よ。もっとも気配を遮断できるわけじゃないから、余り近付き過ぎるのはダメだけどね。」
「そうなんですね。でも、私にははっきりと認識できますし、ミリアさんも認識してますよね?」
アリスは疑問に思った事を口にするとミリアは丁寧に答えてくれる。
「それは、私達が例外として登録されているからよ。戦闘中、パーティの仲間を見失ったら困るでしょ?」
「そうなのですね……あ、何かを投げてますが、アレは何でしょう?気づかれないのでしょうか?」
アリスが見ている前で、アルフレッドは小石のようなモノをゴブリン達の周りに投げている。
ゴブリン達は、ボーっと遠くを眺めているが、たまに物音に気づき、そちらを見る事もあるが、特に何も見つからないため、暫くすると、また遠くを眺め出す。
基本的に、ゴブリン達は知能が低いいため、目の前に何かが起こらない限り自ら行動を起こすことはない。
だから物音がしたとしても、そこに何もなければ、すぐに別の所に興味が移るのだ。
アルフレッドはそんな彼らの習性を熟知している為、慌てずにゆっくりと準備を整えていく。
そして、アルフレッドとの付き合いも長くなってきているミリアには、アルフレッドが何をしているのか?これから何が起こるのか?は、これまでにも散々やって来た事なので手に取るようにわかる。
「アレはね、エンチャントした魔石を配置してるのよ。」
だから、アリスの疑問に解説付きで答えてやる事が出来る。
「エンチャント、ですか?」
「アルの戦い方はね、ああやってエンチャントしたアイテムを使うの。剣や魔法で直接戦うわけじゃないから、見た目地味だけどね、それなりに効果的なのよ。」
ミリアの説明を受けながらアリスが見守っている目前では、アルフレッドが何か呪文を唱えた途端、ゴブリン達の足元に穴が開き、そこにゴブリン達が埋もれるという光景が繰り広げられていた。
「確かに……」
地味ですね、と言おうとしたその時、眼前のアルフレッドが、手にした何かを投げつけるのが見えた。
そしてその直後……
どぉぉぉぉーん!
派手な爆音と地響きがここまで伝わってくる。
「……えっと、地味?」
アリスは思わず隣りを見ると、ひきつった笑顔のミリアがそこにいた。
「アルっ、なんなのよっ!」
必死の形相で走ってくるアルフレッドの姿を捉えたミリアはそう叫ぶ。
「文句は後だっ!逃げないとオークに襲われるぞっ!」
アルフレッドは、訳が分からず呆然としているアリスを抱え上げてさらに加速する。
「またなですかっ、またオークですかっ……ってか何でオークがいるのよっ!」
「そんなん知るかっ!オークに聞けっ!」
文句を言いながらも、慌てて追いかけてくるミリアに、アルフレッドも足を止めることなく叫び返す。
そんな言い合いをしている間にも、オーク達の足音は間近まで迫ってきている。
「クッ、少しでもあいつらの気を逸らす事さえできれば……。」
「あの、上手く行くかどうか分かりませんが、上手く行けば数秒ぐらいなら足止めできますが?」
アルフレッドの呟きに、抱えられたままのアリスがそう応える。
「アリスちゃん、ホント?」
横を走っているミリアが訊ねる。
「えぇ、お姉さま、ギルドの時と同じですぅ。オーク達は鈍いのでどこまで効果があるか分かりませんけどぉ。」
「よく分からんが、足止めできるなら頼む……あそこの開けたところで仕掛けるけど……行けるか?」
「おまかせください!」
アリスが元気よく答える。
「コレでよし……。そっちはどうだ?」
「コッチはOKよ。」
「私の方もいつでもいけるのですよ。」
アルフレッドは、エンチャントされた魔石で簡易魔法陣を組んだ後、二人に呼び掛けると、準備が出来たと返事が返ってくる。
「じゃぁ、俺が囮になるから、奴らが所定の場所に来たら頼む!」
アルフレッドは二人にそう告げると、魔法陣から十数m離れた場所に立ち、オーク達を迎え撃つ準備をする。
作戦としては簡単だ。
魔法陣の範囲内でオーク達を足止めし、まとまった所で魔石にエンチャントした『大地崩壊』の魔法を発動、まとめて生き埋めにする。
ただそれだけだ。
問題なのはグランドフォールが発動した際に、オークが発動範囲内にまとまっているかなんだが……。
アルフレッドがそんな事を考えている内に、オークの群の先頭集団がアルフレッドの姿を捉え、スピードを上げてくる。
「だから、来るなってばっ!」
迫りくるオークの姿に、冷たいものを背筋に感じながらも、アルフレッドは先頭集団に向けて、手にした薄い緑色の石を投げつける。
『風よっ!』
石がオークにぶつかる寸前に、あらかじめ設定してあるキーワードを唱えると、その石が光り輝き、オークに向けて『風撃砲《エアロ・カノン》』の魔法が発動する。
眼の前で激しい突風を、まともに受けたオーク達は、背後から迫ってくる仲間を巻き込んで後方へと激しく吹き飛ぶ。
「今ですっ!」
アリスが叫ぶ。
「水の精霊よ!『ウォータースクライド!』」
アリスの言葉を受けて、ミリアが水の精霊を呼び出し、大量の水を発生させる。
狙いは違わず、地べたに転がるオークと、その周りでもがいているオーク達をまとめて濁流が飲み込む。
「行きますっ!『サンダー・シュート!』」
アリスの持つ杖の先から稲妻がほとばしり、オーク達を包み込む。
オーク達の身体が一瞬ビクッと震え、そのまま硬直する。
ミリアの放った水を伝わり、その場にいるオーク全員が電撃により感電し、その場から動かなくなる。
「おー、怖っ。アイツ等怒らせない様にしないとな。」
アルフレッドはそんな事を呟きながら、仕掛けた罠を起動させるためにキーワードを唱える。
『大地崩壊』
オーク達のいる場所に置かれた魔石が光を放ち、その光が魔法陣を形成していく。
そして、その直後、オーク達のいた場所が陥没し、オーク共々、その大地に穿たれた大穴に飲み込まれていった。
「アルーっ。」
ミリアたちがアルフレッドのもとへ駆け寄る。
「アル様、凄いですぅ!あれだけの数のオークを一瞬にして……素晴らしいですぅ。」
アリスが、目をキラキラさせながらアルフレッドを持ち上げる。
「いやぁ、これも、アリスたちが足止めしてくれたおかげだよ。」
最近はその様に持ち上げられたことがないアルフレッドは、満更でもなさそうに笑いながら、アリスやミリアの事を褒め称える。
「それはいいんだけどね……掘り出せるの、コレ?」
ミリアは、お互いに称えあう二人を冷めた目で見つつ、オークが埋まっている先を指さす。
所々から、オークの手や足など一部のパーツは見て取れるが、陥没し、完全に埋まってしまっているそこから、オークを掘り出すのは至難の業だというのは、誰の眼から見ても明らかだった。
「…………。」
「掘り出せるの?」
「……。」
「掘り出せるんですかぁ?」
何故か、ミリアに並んでアリスまで聞いてくる。
「……依頼はゴブリン退治だったよなぁ。ゴブリンの所に急ごうかぁ。」
そう言って歩き出そうとするアルフレッドをジト目で見る少女二人。
「無理なのですね。」
「最初から素直に言えばいいのに。」
「……こんなのどうやって掘り出せっ言うんや!」
アルフレッドは地面から生えているオークの腕を掴みながら叫ぶ。
しっかりと埋もれているその腕は、当然の事ながらびくともしない。
「ハイハイ、分かってるって。取りあえずゴブリンの巣に行くんだよね。」
ミリアが、アルフレッドの肩を叩きながら先に行くように促す。
釈然としないまま歩き出すアルフレッド。
「地味な戦い方……ですかぁ……。」
背後からついてくるアリスがそんな事を呟いていた。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします
暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。
いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。
子を身ごもってからでは遅いのです。
あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」
伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。
女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。
妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。
だから恥じた。
「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。
本当に恥ずかしい…
私は潔く身を引くことにしますわ………」
そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。
「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。
私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。
手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。
そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」
こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。
---------------------------------------------
※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる