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こすもす

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第338話 side詩音

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[お疲れ。明日の夜、空いてる?]

 夜、仕事を終えて遅めの夕食を取っていた時、藤澤さんからメッセージが入った。
 待ってましたとばかりに、[空いてます!]と送信すると、藤澤さんから返信が来た。

[明日、僕のマンションに桜理が来るんだ。良かったら詩音もどう?]
[ぜひ!]
[じゃあ、待ってるから。よろしくね]

 その後、マンションの地図が添付されて送られてきた。
 やった! と心の中でガッツポーズをする。
 ずっとお邪魔したいと思っていたから。
 実は今まで何度か誘われていたけど、タイミングが合わなくてお預けを食らっていた。
 映画の撮影も終盤に差し掛かり、二人でのシーンはほぼ撮り終えてしまったから、ここ三週間程は会えていなかった。
 でも最近、藤澤さんからのお誘いが以前に比べて随分と多くなった。
 なかなか都合が合わなくて断ってばかりいたけど、ようやく藤澤さんと会える事になって嬉しかった。

 次の日、雑誌の撮影とテレビ収録の仕事をこなしてから、藤澤さんのマンションへ向かった。
 教えてもらった部屋番号を押してインターホンを鳴らし、エントランスを抜けてエレベーターに乗り、藤澤さんの部屋の前にたどり着いた。
 ドアが開くと、ニッコリと笑った藤澤さんが顔を覗かせた。

「久し振りだね。道、迷わなかった?」
「あ! はい。大丈夫でした……」
「桜理はまだ来てないんだけど、ゆっくりしてって」
「あ、はい」

(あれ?)

 三週間振りに見る藤澤さんは笑顔で出迎えてくれたけど、その笑い方に少しだけ違和感を感じた。
 なんでだろう。
 どこが違うのかはハッキリと言えるわけではないけど、なんだかいつもの藤澤さんじゃないみたいだった。

 藤澤さんは、どうぞ、とスリッパを出してくれた。
 その七分袖のカットソーから覗かせた手首が、やけに細く見えた。
 お礼を言って履き替えて、藤澤さんの後に続いてリビングの方へ向かった。
 後ろ姿も見てみると、腰回りや脚が随分と細くなった気がした。
 元から細かったけど、なんだか拍車がかかったみたいだ。

 仕事、ハードなのかな……。
 ちょっと心配になったけど、こうして俺を誘ってきてくれたんだからきっと大丈夫だよな。
 そう自分に納得させた。
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