リプレイ!

こすもす

文字の大きさ
上 下
287 / 454

第286話

しおりを挟む
「景が貰って喜ぶ物なんてよ、お前からだったら何でも嬉しいに決まってんじゃん。たとえ百円のお菓子でもあいつは喜ぶと思うぜ?」

 きっと俺のプレゼント探しに付き合うのが飽きてきたんだろう。
 発言がどんどん適当になっていく。
 そんな翔平に俺は反論した。

「だって付き合って初めての誕生日やで? 恋人に喜んでもらいたいっていうのは誰でも一緒やないか。翔平だってこの間のさとみちゃんの誕生日プレゼント、バイトめっちゃ頑張って結構いい値段する時計あげとったくせに」
「あぁ~、だってすげー欲しそうに雑誌眺めてたんだもーん。日付が変わった瞬間にあげたら、すげー喜んでくれてさー。翔平くんっ、大好きって」

 さとみちゃんの真似なのか、声色を変えて顔を傾けている。
 また翔平の彼女自慢が止まらなくなりそうだから俺は遮った。

「うんうん。分かった分かった」
「あ、お前、今めんどくせーと思っただろ? 顔に書いてあんぜ。で、話は戻るけどよ、景の喜びそうな物なんて俺よりも付き合ってるお前が一番よく分かってるんじゃねーの? そんなに悩まなくてもさー、気軽に考えりゃあいいんだよ」
「うーん、気軽になぁ」

 またそのフロアを一周し終えそうな時、景の雰囲気に合ってそうな店があるのを見つけて中に入った。
 何気なくラックに掛かっている服を見ていると、オシャレに疎い俺でも分かるようなブランドのロゴが何個も目に入る。どうやらセレクトショップのようだった。
 店内の照明は少し暗めで、ボサノバ調の音楽が流れている。
 すぐ近くにいる男性店員さんは全身古着のような格好でニコリとしていて、雰囲気もすごくいい。
 なんとなく心地よさを感じてどんどん店の奥へと進んでいくと、四角いガラスケースがあった。
 メンズ物の指輪、ネックレス、ブレスレットなどが陳列されている。
 それを見て俺はピンと来た。

(そうや! 景、アクセ好きやないか!)

 見られたら恥ずかしいから今日はしていないけど、お気に入りの指輪を俺にくれた事だし、指輪をあげたら喜ぶんじゃないか?
 いや、指輪をもらっておいてまた指輪をプレゼントするっておかしい気が……
 じゃあ、ネックレス?
 この十字架モチーフ、景っぽい気がするけど……大幅な予算オーバー。
 こっちのブレスレットは景の好みじゃなさそうだし。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

処理中です...