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第257話
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行為を終えて落ち着いてから、どうして朝井さんとそんな事になったのか、全てを話す事になった。
聞き終えた景は、南さんにはもう会わないし、俺にも会わせないと言ってくれた。
マネージャーさんを通して、南さんにもきちんと話してくれるらしい。
朝井さんに俺たちの関係がバレた事を責められると思ったけど、そんな事より、修介に嫌な思いをさせてごめん、と何度も謝られた。
「大丈夫やろうか。朝井さん、俺たちの事ばらしたりしないやろうか……」
「タケが写真を撮ってくれたし、大丈夫だよ。ばらされたとしても、そうなってからまた考えたらいいことだし。修介は何も心配しなくていいよ」
「でも、もし俺と付き合ってるなんてばれたら、きっと景が大変なことに……」
「じゃあ、やめる? 僕と付き合うの」
笑ってはいたけど冷たく言い放つ景の言葉にビクっとした。
そんな事、考えられない。景がいない未来なんて。
「や、やめない!」
慌ててかぶりを振ると、景は俺の瞼の上に優しくキスを落とした。
「僕もやめないよ。だから心配しないで。僕には君が必要なんだから」
景の唇が俺の肌をなぞる度に、俺は心に誓う。
この人の負担には絶対になりたくない。
自分よりも大事だから、迷惑も掛けない。何があっても、この人とずっと一緒にいるんだって。
部屋着を借りて着替え、ベッドに横になっていると、景が寝室の中に入って来た。
景は置いてあったリモコンを取り、部屋の明かりを少し暗くする。
その様子を、目だけでじっくりと観察した。
風呂上がりだから髪はしっとりとしていて、コンタクトを外して度が入った黒縁の眼鏡をしている。
白くて薄いTシャツに、太めの緩いパンツ。
長い脚がすらっと伸びている。
ありきたりな格好でも、この人だと何故こんなにも格好良く見えるのか。
こういうふとした瞬間に胸がドキドキしてしまう。
聞き終えた景は、南さんにはもう会わないし、俺にも会わせないと言ってくれた。
マネージャーさんを通して、南さんにもきちんと話してくれるらしい。
朝井さんに俺たちの関係がバレた事を責められると思ったけど、そんな事より、修介に嫌な思いをさせてごめん、と何度も謝られた。
「大丈夫やろうか。朝井さん、俺たちの事ばらしたりしないやろうか……」
「タケが写真を撮ってくれたし、大丈夫だよ。ばらされたとしても、そうなってからまた考えたらいいことだし。修介は何も心配しなくていいよ」
「でも、もし俺と付き合ってるなんてばれたら、きっと景が大変なことに……」
「じゃあ、やめる? 僕と付き合うの」
笑ってはいたけど冷たく言い放つ景の言葉にビクっとした。
そんな事、考えられない。景がいない未来なんて。
「や、やめない!」
慌ててかぶりを振ると、景は俺の瞼の上に優しくキスを落とした。
「僕もやめないよ。だから心配しないで。僕には君が必要なんだから」
景の唇が俺の肌をなぞる度に、俺は心に誓う。
この人の負担には絶対になりたくない。
自分よりも大事だから、迷惑も掛けない。何があっても、この人とずっと一緒にいるんだって。
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