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第254話
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マンションに着いてから、景は俺の腕の手当てをしてくれた。
いつもの大きなソファーに座り、斜めで向き合うように座っている。
湿布を貼って、包帯を巻いた手首をさすってくれた。
「とりあえずこれで大丈夫だと思うけど、ずっと痛みが引かないようだったら、ちゃんと病院へ行って診てもらうんだよ」
「うん。ありがとう」
「あと、ここだね」
景は俺の口元に指を添える。
「ここは大丈夫。ちょっとだけ切れただけやし」
笑って言ったけど、景は表情を変えずに俺の口元を見ながら指を這わせていた。
「舌、入れられたの?」
「えっ?!」
「だから、あの人に」
「あ、うん……ごめん……」
実際は、自分から入れたのだけれど……傷付けてしまうんじゃないかと思って怖すぎて言えない。
とても視線を合わせる事が出来なくて俯くと、景は怒りに満ちたため息を吐いた。
「やっぱり、殴れば良かったかな」
「景たちが間一髪助けに来てくれたんや。もう十分やで」
景はまたふぅとため息をつき、俺の怪我をしていない方の手を握った。
そしてもう片方の手で、俺の頬を優しく包み込む。
「口、開けてくれる?」
「へ? こう?」
「もっと」
「……ほお?(こう?)」
傷口を見てくれるのかと思い、言われるがままに口を開く。すると。
俺の唇を撫でていた景の親指が急に口内に入って来た。
「?!」
そのまま景は親指で口腔を犯し始める。
舌の上で厭らしく動くその指のせいで、俺の羞恥心は激しく揺さぶられた。
景は眉根を寄せながら、切ない表情をしていた。
「耐えられないよ……修介の可愛いお口を、僕以外の人が味わっただなんて。気が狂いそうになる」
「あ……ぁっ」
景が指を動かす度に口から卑猥な音が立つ。激しくかき混ぜるせいで、唇の端から一筋唾液が漏れた。
「舌出して。消毒するから」
「はぁっ……しょう、どく……?」
口から抜いた自分の指をペロリと赤い舌先で舐めとる景と目が合うと、全身がビリビリと感じてたまらなくなる。
景がこれからする事は分かってる。快楽を求めて、眉根を寄せて口を開けた。
「もっとだよ」
景のその強引な言い方に、腰が抜けそうになる。俺は少し上を向いて、唇が濡れたまま、さっきよりもより口をあけて舌を出した。
「まぁ、いいかな……」
そう言うと景は、俺の後頭部に手を回して唇を塞ぐ。俺の舌を咥えて、強く吸い付いたり舐め回したりした。
いつも以上に水の音が部屋に響く。体の中心が痛いくらいに反応したから、膝をモジモジとすり合わせた。
「……んん……ッ……ん!」
あまりにも激しい刺激に、ギュッと目を閉じた。角度を変えながら、何度も何度も舌に吸い付いてくる。朝井さんの舌の感触を舐めとっているかのように、キュッキュッと音を鳴らして。
激し過ぎて、呼吸がままならない。
景は入念に口内を犯してから、ようやく唇を離してくれた。
漏れた自らの唇をペロっと舐めとり、真っ直ぐに俺を見据えた。
「あの人の唇、忘れられた?」
「はぁっ……うん」
「これで、無かった事にしてあげる。修介は僕のものだよ。もう二度と他の奴に触れさせちゃダメだよ。分かった?」
「……うん、ごめん」
荒く呼吸を繰り返しながら頷いた。
景はニコリと笑うと目を閉じて、今度は優しいキスをしてくれる。
いつもの大きなソファーに座り、斜めで向き合うように座っている。
湿布を貼って、包帯を巻いた手首をさすってくれた。
「とりあえずこれで大丈夫だと思うけど、ずっと痛みが引かないようだったら、ちゃんと病院へ行って診てもらうんだよ」
「うん。ありがとう」
「あと、ここだね」
景は俺の口元に指を添える。
「ここは大丈夫。ちょっとだけ切れただけやし」
笑って言ったけど、景は表情を変えずに俺の口元を見ながら指を這わせていた。
「舌、入れられたの?」
「えっ?!」
「だから、あの人に」
「あ、うん……ごめん……」
実際は、自分から入れたのだけれど……傷付けてしまうんじゃないかと思って怖すぎて言えない。
とても視線を合わせる事が出来なくて俯くと、景は怒りに満ちたため息を吐いた。
「やっぱり、殴れば良かったかな」
「景たちが間一髪助けに来てくれたんや。もう十分やで」
景はまたふぅとため息をつき、俺の怪我をしていない方の手を握った。
そしてもう片方の手で、俺の頬を優しく包み込む。
「口、開けてくれる?」
「へ? こう?」
「もっと」
「……ほお?(こう?)」
傷口を見てくれるのかと思い、言われるがままに口を開く。すると。
俺の唇を撫でていた景の親指が急に口内に入って来た。
「?!」
そのまま景は親指で口腔を犯し始める。
舌の上で厭らしく動くその指のせいで、俺の羞恥心は激しく揺さぶられた。
景は眉根を寄せながら、切ない表情をしていた。
「耐えられないよ……修介の可愛いお口を、僕以外の人が味わっただなんて。気が狂いそうになる」
「あ……ぁっ」
景が指を動かす度に口から卑猥な音が立つ。激しくかき混ぜるせいで、唇の端から一筋唾液が漏れた。
「舌出して。消毒するから」
「はぁっ……しょう、どく……?」
口から抜いた自分の指をペロリと赤い舌先で舐めとる景と目が合うと、全身がビリビリと感じてたまらなくなる。
景がこれからする事は分かってる。快楽を求めて、眉根を寄せて口を開けた。
「もっとだよ」
景のその強引な言い方に、腰が抜けそうになる。俺は少し上を向いて、唇が濡れたまま、さっきよりもより口をあけて舌を出した。
「まぁ、いいかな……」
そう言うと景は、俺の後頭部に手を回して唇を塞ぐ。俺の舌を咥えて、強く吸い付いたり舐め回したりした。
いつも以上に水の音が部屋に響く。体の中心が痛いくらいに反応したから、膝をモジモジとすり合わせた。
「……んん……ッ……ん!」
あまりにも激しい刺激に、ギュッと目を閉じた。角度を変えながら、何度も何度も舌に吸い付いてくる。朝井さんの舌の感触を舐めとっているかのように、キュッキュッと音を鳴らして。
激し過ぎて、呼吸がままならない。
景は入念に口内を犯してから、ようやく唇を離してくれた。
漏れた自らの唇をペロっと舐めとり、真っ直ぐに俺を見据えた。
「あの人の唇、忘れられた?」
「はぁっ……うん」
「これで、無かった事にしてあげる。修介は僕のものだよ。もう二度と他の奴に触れさせちゃダメだよ。分かった?」
「……うん、ごめん」
荒く呼吸を繰り返しながら頷いた。
景はニコリと笑うと目を閉じて、今度は優しいキスをしてくれる。
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