リプレイ!

こすもす

文字の大きさ
上 下
238 / 454

第238話 side猛

しおりを挟む
 PPPPPP……

 スマホのアラーム音で目が覚めた。
 重い瞼を持ち上げると、目の前に髪の長い女が眠っていた。
 誰この人?
 あ、昨日のパーティが終わった後、俺よりも年上だけどなんだか気が合ってお持ち帰りしたんだった。
 名前なんだっけな。
 確か……ユイカ? いや、ユイナだっけ?
 ま、いっか、どっちでも。
 ふと、枕の横に転がっていたスマホを手に取り、フォトブックを開いてみた。

「うわっ、誰これ~?」

 知らない女のほっぺにキスをしている自分の写真が続々と出てきて笑った。
 他にも色々とやらかしている。
 腰に手を回したり、顔同士を思いっきりくっつけていたり……。
 美女がいると、ついつい調子に乗っちゃうんだよな。
 ま、いっか。

 正直、酔いが回った状態で撮っているからブレブレの写真もたくさんある。
 そういう写真はすぐに削除だ。これとこれと……

 その時、俺の指が止まった。
 桜理と朝井さんとDカップ癒し系美女で写る写真。その写真をジッと凝視する。
 どうにか美女の胸の谷間を強調させて撮れないものかと、思い切り手を上に掲げて連写したんだ。
 気になったのはその谷間ではなく、朝井さんだ。
 左手の小指に、指輪を嵌めている。

「あれれ? 朝井さん、もしかして彼女とのペアリング? 男好きっていうの、やっぱネタだったんじゃーん」

 この間、といっても三ヶ月くらい前だったか。
 一緒に飲んだ時に実は自分はゲイで……なんて本人は笑いながら言ってたけど、やっぱりそんなのありえないよな。
 ま、景ちゃん然り、ありえないなんてこの世にないから、もしかしたら男とペアリングって可能性もあるか。

「……」

 仰向けの状態から体を回転させて腹這いになって、さらに凝視した。
 写真を拡大させて、指輪をアップにする。
 このいばらの形と大きさ、それに真ん中に埋め込まれている赤い石といい、どこかで見た事がある。
 どこで見たんだっけ?
 撮影の時の小道具? それともネットや雑誌でたまたま似たようなのを見たのかな。

「何見てるの?」

 うーんうーんと唸っていたら、ユイカだかユイナだかがいつのまにか起きて、俺と同じ体勢で頬杖をつきながら画面を覗き込んでいた。

「あぁ、この指輪、どっかで見たことあんなーと思って見てたんだけど、思い出せなくて」
「どれどれ? あ、綺麗だね。赤っぽい石だからガーネットとかルビーかな? ガーネットは一月、ルビーは七月の誕生石だよ」
「へぇー。ユイちゃん、すげー詳しいんだねー?」
「……昔アクセサリー屋さんでアルバイトしてたし、そういうの好きだから覚えてるんだ。あと猛くん、これだけは覚えておいて。私の名前、ハルカだから」
「いてっ」

 頭を思い切り叩かれたから手でさすった。
 ハルカという名前らしい女はプリプリ怒りながらベッドを降りて、床に散らばる下着を拾って身に付けていく。
 きっと、ハルカには二度と会わないだろうな。
 そんな予感がしつつも、俺は今一度画像を眺めた。
 しかしいくら考えても、一向に思い出せなかった。
 ま、いっか。
 考えるのは諦めて、昨日の最後に仲のいい人達で撮った集合写真をインスタ用に加工して保存した。
 今日はこれからもう出なくちゃいけないから、夜か明日の朝にでもアップしよう。
 ハルカを無理やり部屋から追い出して、シャワーを浴び、支度をしてから部屋を出た。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

処理中です...