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第238話 side猛
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PPPPPP……
スマホのアラーム音で目が覚めた。
重い瞼を持ち上げると、目の前に髪の長い女が眠っていた。
誰この人?
あ、昨日のパーティが終わった後、俺よりも年上だけどなんだか気が合ってお持ち帰りしたんだった。
名前なんだっけな。
確か……ユイカ? いや、ユイナだっけ?
ま、いっか、どっちでも。
ふと、枕の横に転がっていたスマホを手に取り、フォトブックを開いてみた。
「うわっ、誰これ~?」
知らない女のほっぺにキスをしている自分の写真が続々と出てきて笑った。
他にも色々とやらかしている。
腰に手を回したり、顔同士を思いっきりくっつけていたり……。
美女がいると、ついつい調子に乗っちゃうんだよな。
ま、いっか。
正直、酔いが回った状態で撮っているからブレブレの写真もたくさんある。
そういう写真はすぐに削除だ。これとこれと……
その時、俺の指が止まった。
桜理と朝井さんとDカップ癒し系美女で写る写真。その写真をジッと凝視する。
どうにか美女の胸の谷間を強調させて撮れないものかと、思い切り手を上に掲げて連写したんだ。
気になったのはその谷間ではなく、朝井さんだ。
左手の小指に、指輪を嵌めている。
「あれれ? 朝井さん、もしかして彼女とのペアリング? 男好きっていうの、やっぱネタだったんじゃーん」
この間、といっても三ヶ月くらい前だったか。
一緒に飲んだ時に実は自分はゲイで……なんて本人は笑いながら言ってたけど、やっぱりそんなのありえないよな。
ま、景ちゃん然り、ありえないなんてこの世にないから、もしかしたら男とペアリングって可能性もあるか。
「……」
仰向けの状態から体を回転させて腹這いになって、さらに凝視した。
写真を拡大させて、指輪をアップにする。
このいばらの形と大きさ、それに真ん中に埋め込まれている赤い石といい、どこかで見た事がある。
どこで見たんだっけ?
撮影の時の小道具? それともネットや雑誌でたまたま似たようなのを見たのかな。
「何見てるの?」
うーんうーんと唸っていたら、ユイカだかユイナだかがいつのまにか起きて、俺と同じ体勢で頬杖をつきながら画面を覗き込んでいた。
「あぁ、この指輪、どっかで見たことあんなーと思って見てたんだけど、思い出せなくて」
「どれどれ? あ、綺麗だね。赤っぽい石だからガーネットとかルビーかな? ガーネットは一月、ルビーは七月の誕生石だよ」
「へぇー。ユイちゃん、すげー詳しいんだねー?」
「……昔アクセサリー屋さんでアルバイトしてたし、そういうの好きだから覚えてるんだ。あと猛くん、これだけは覚えておいて。私の名前、ハルカだから」
「いてっ」
頭を思い切り叩かれたから手でさすった。
ハルカという名前らしい女はプリプリ怒りながらベッドを降りて、床に散らばる下着を拾って身に付けていく。
きっと、ハルカには二度と会わないだろうな。
そんな予感がしつつも、俺は今一度画像を眺めた。
しかしいくら考えても、一向に思い出せなかった。
ま、いっか。
考えるのは諦めて、昨日の最後に仲のいい人達で撮った集合写真をインスタ用に加工して保存した。
今日はこれからもう出なくちゃいけないから、夜か明日の朝にでもアップしよう。
ハルカを無理やり部屋から追い出して、シャワーを浴び、支度をしてから部屋を出た。
スマホのアラーム音で目が覚めた。
重い瞼を持ち上げると、目の前に髪の長い女が眠っていた。
誰この人?
あ、昨日のパーティが終わった後、俺よりも年上だけどなんだか気が合ってお持ち帰りしたんだった。
名前なんだっけな。
確か……ユイカ? いや、ユイナだっけ?
ま、いっか、どっちでも。
ふと、枕の横に転がっていたスマホを手に取り、フォトブックを開いてみた。
「うわっ、誰これ~?」
知らない女のほっぺにキスをしている自分の写真が続々と出てきて笑った。
他にも色々とやらかしている。
腰に手を回したり、顔同士を思いっきりくっつけていたり……。
美女がいると、ついつい調子に乗っちゃうんだよな。
ま、いっか。
正直、酔いが回った状態で撮っているからブレブレの写真もたくさんある。
そういう写真はすぐに削除だ。これとこれと……
その時、俺の指が止まった。
桜理と朝井さんとDカップ癒し系美女で写る写真。その写真をジッと凝視する。
どうにか美女の胸の谷間を強調させて撮れないものかと、思い切り手を上に掲げて連写したんだ。
気になったのはその谷間ではなく、朝井さんだ。
左手の小指に、指輪を嵌めている。
「あれれ? 朝井さん、もしかして彼女とのペアリング? 男好きっていうの、やっぱネタだったんじゃーん」
この間、といっても三ヶ月くらい前だったか。
一緒に飲んだ時に実は自分はゲイで……なんて本人は笑いながら言ってたけど、やっぱりそんなのありえないよな。
ま、景ちゃん然り、ありえないなんてこの世にないから、もしかしたら男とペアリングって可能性もあるか。
「……」
仰向けの状態から体を回転させて腹這いになって、さらに凝視した。
写真を拡大させて、指輪をアップにする。
このいばらの形と大きさ、それに真ん中に埋め込まれている赤い石といい、どこかで見た事がある。
どこで見たんだっけ?
撮影の時の小道具? それともネットや雑誌でたまたま似たようなのを見たのかな。
「何見てるの?」
うーんうーんと唸っていたら、ユイカだかユイナだかがいつのまにか起きて、俺と同じ体勢で頬杖をつきながら画面を覗き込んでいた。
「あぁ、この指輪、どっかで見たことあんなーと思って見てたんだけど、思い出せなくて」
「どれどれ? あ、綺麗だね。赤っぽい石だからガーネットとかルビーかな? ガーネットは一月、ルビーは七月の誕生石だよ」
「へぇー。ユイちゃん、すげー詳しいんだねー?」
「……昔アクセサリー屋さんでアルバイトしてたし、そういうの好きだから覚えてるんだ。あと猛くん、これだけは覚えておいて。私の名前、ハルカだから」
「いてっ」
頭を思い切り叩かれたから手でさすった。
ハルカという名前らしい女はプリプリ怒りながらベッドを降りて、床に散らばる下着を拾って身に付けていく。
きっと、ハルカには二度と会わないだろうな。
そんな予感がしつつも、俺は今一度画像を眺めた。
しかしいくら考えても、一向に思い出せなかった。
ま、いっか。
考えるのは諦めて、昨日の最後に仲のいい人達で撮った集合写真をインスタ用に加工して保存した。
今日はこれからもう出なくちゃいけないから、夜か明日の朝にでもアップしよう。
ハルカを無理やり部屋から追い出して、シャワーを浴び、支度をしてから部屋を出た。
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