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第235話 side景
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修介は小走りで駅の方角へ走って行ってしまった。
そんなに気分が悪かったのかな。
引き止めても悪いし、家に着く頃になったら連絡をしてみよう。そう思った。
店のドアを開けて元いた場所に行く途中、タケと桜理が小柄な女性と嬉しそうに立ち話しているのに気付いた。
あれはきっと、話に出ていたDカップ癒し系美女だろう。
タケはいいにしても……桜理。大概にしとかないと、後でエリさんが怖いぞ。
エリさんは他の女優との話に夢中で気付いていないのが幸いだけれど。
テーブル席について、煙草を取り出した。
照明の明かりが控えめな薄暗い空間の中、ライターの火がボウッと綺麗に浮かび上がる。
ちょっと飲みすぎたか。凄くいい気分だ。
修介が帰ってしまったのは悔やまれるけど、桜理とタケにもちゃんと紹介出来たし、番号も交換していたからきっとこれから仲良くしていけるだろう。
脚を組みながら紫煙を吐き出していると、背後から声を掛けられた。
「ここ、いいか?」
振り向いて、一気に頭が冴えた。
朝井 綾斗さんだった。
「朝井さん」
もちろん、とニコリとしてから僕は慌てて組んでいた脚を動かして座り直し、煙草を灰皿で揉み消す。
そんな僕を見た朝井さんは、同じようにニコリと微笑んで向かいの席に座った。
「いいよいいよ、そんな緊張すんなって」
「ふふ、ありがとうございます」
精一杯の笑顔で返す。
朝井さんとは何度か共演した事がある。
先輩でもあるし、尊敬する部分もあるけれど、正直この人はどちらかと言うと苦手な部類に入る。
機嫌が悪いかのように見える話し方か、それともその威圧的な態度か。
理由は分からないけれど、デビュー当時から朝井さんに対しては苦手意識がある。
タケはこの人とウマが合ってプライベートでも仲良くしているらしいけれど、何故僕に話し掛けて来たのだろう。たいして盛り上がる訳でも無いのに。
そんなに気分が悪かったのかな。
引き止めても悪いし、家に着く頃になったら連絡をしてみよう。そう思った。
店のドアを開けて元いた場所に行く途中、タケと桜理が小柄な女性と嬉しそうに立ち話しているのに気付いた。
あれはきっと、話に出ていたDカップ癒し系美女だろう。
タケはいいにしても……桜理。大概にしとかないと、後でエリさんが怖いぞ。
エリさんは他の女優との話に夢中で気付いていないのが幸いだけれど。
テーブル席について、煙草を取り出した。
照明の明かりが控えめな薄暗い空間の中、ライターの火がボウッと綺麗に浮かび上がる。
ちょっと飲みすぎたか。凄くいい気分だ。
修介が帰ってしまったのは悔やまれるけど、桜理とタケにもちゃんと紹介出来たし、番号も交換していたからきっとこれから仲良くしていけるだろう。
脚を組みながら紫煙を吐き出していると、背後から声を掛けられた。
「ここ、いいか?」
振り向いて、一気に頭が冴えた。
朝井 綾斗さんだった。
「朝井さん」
もちろん、とニコリとしてから僕は慌てて組んでいた脚を動かして座り直し、煙草を灰皿で揉み消す。
そんな僕を見た朝井さんは、同じようにニコリと微笑んで向かいの席に座った。
「いいよいいよ、そんな緊張すんなって」
「ふふ、ありがとうございます」
精一杯の笑顔で返す。
朝井さんとは何度か共演した事がある。
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機嫌が悪いかのように見える話し方か、それともその威圧的な態度か。
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