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第222話
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ピンポーン……
俺たちはお互いの両腕を掴んだまま玄関のドアに視線を向ける。
こんな時間に、誰?
景もそう思ったみたいで、顔を見合わせていたら再度鳴らされた。
ピンポーン…ピンポーン…ピンポーン…
連続で鳴らされて、俺はもう分かった。
あのドアの向こう側にいるのが誰なのか。
「ちょっと待っとって?」
「うん」
立ち上がりドアホンを確認する。
やっぱり。
今日景が来るんだって言ったら、ふざけた調子でお宅訪問しちゃおうかなと言っていたけど、まさか本当に来るなんて。
ボタンを押して「はーい」と気怠く言うと、相手は近所迷惑になりそうな大きな声で笑った。
『景来てんだろー? 酒買って来たぜ! 二人のお祝いしてやんよぉー』
何も言わずに終了ボタンを押して、くるりと踵を返して景の元へ向かった。
「翔平が来たんやけど」
「やだ。帰ってもらって」
ピンポーン…ピンポーン…ピンポーン…
仕方なく玄関へ向かってドアを開けた俺は、ギョッとした。
翔平だけだと思っていたけど、なんと晴人と秀明もセットでくっついてきていた。
「あ、修介! 彼氏来てるのっ? 一瞬でいいから会わせて!」
秀明はキラキラと目を輝かせている。
晴人は何も発さないけどきっと秀明と同じ事を考えているんだっていうのが顔の表情から読み取れる。
翔平は嬉しそうに手に持つビニール袋を掲げた。
「バイト終わりにそこのスーパーで買い物してたら偶然二人に会っちゃって。何処かで見た事ある顔だなって思って訊いたら、修介の友達っつーから盛り上がっちゃってさ。修介の事情よく知ってるみたいだし、連れて来ちゃった!」
そういえば今日は秀明は晴人の家に泊まると言っていた。
俺は何も言っていないのに、翔平たちは勝手にズカズカと上がり込んでくる。
「あ、景久しぶり! ほら、酒とつまみ買って来たからみんなで飲もうぜ」
「……うわ」
「あ、てめー、あからさまに迷惑そうな顔してんじゃねーよ。誰のおかげで修介と付き合えたと思ってんの?」
「すいません、お邪魔しまーす……あっ! こ、こんばんは! うわー、本物だぁ~カッコいいッ! ほらっ晴人もちゃんと挨拶してっ!」
「あ、は、はじめまして」
「はじめまして。いつも修介と仲良くしてくれて、どうもありがとう」
「おい。俺との対応違いすぎんだろ!」
秀明は景と握った手をブンブンと縦に何度も振っている。晴人も目を丸くして感激しながら景と握手を交わす。
「ああ、ちょっとみんな、何勝手にっ」
せっかく景と二回戦が始まりそうな予感だったのに…と思っていたけど、翔平に小突かれて迷惑そうにしながらも笑っている景と、それを見ながらまた笑う秀明と晴人。
その光景を見ながらクスッと笑ってしまった。
(まぁええか。みんな楽しそうやし)
それに、不安な事もあったけど、今日はやっぱりいい日だったなと思った。
右手に光る指輪を見ながら、そう思う。
景の事、ちゃんと信じよう。
しばらくしてから酒が足りないと言って、なぜか翔平と俺で買い出しに行く事になった。
戻って来た時、三人がニヤついていたから何を話していたのか気になったけど、ちゃんとは教えてくれなくて。
晴人と秀明が帰った後も、翔平は朝まで居座り、景と一緒のタイミングでアパートを出て行った。
帰った後も、景からの贈り物を飽きもせず何度も眺めた。
今度、景の友達に会う時にしていこう。
少し恥ずかしいけど、俺は景の恋人なんだって証だから。
うちの合鍵もちゃんと渡せたし、終わりよければ全て良しという事で。
そうして、景とのデートは幕を閉じた。
俺たちはお互いの両腕を掴んだまま玄関のドアに視線を向ける。
こんな時間に、誰?
景もそう思ったみたいで、顔を見合わせていたら再度鳴らされた。
ピンポーン…ピンポーン…ピンポーン…
連続で鳴らされて、俺はもう分かった。
あのドアの向こう側にいるのが誰なのか。
「ちょっと待っとって?」
「うん」
立ち上がりドアホンを確認する。
やっぱり。
今日景が来るんだって言ったら、ふざけた調子でお宅訪問しちゃおうかなと言っていたけど、まさか本当に来るなんて。
ボタンを押して「はーい」と気怠く言うと、相手は近所迷惑になりそうな大きな声で笑った。
『景来てんだろー? 酒買って来たぜ! 二人のお祝いしてやんよぉー』
何も言わずに終了ボタンを押して、くるりと踵を返して景の元へ向かった。
「翔平が来たんやけど」
「やだ。帰ってもらって」
ピンポーン…ピンポーン…ピンポーン…
仕方なく玄関へ向かってドアを開けた俺は、ギョッとした。
翔平だけだと思っていたけど、なんと晴人と秀明もセットでくっついてきていた。
「あ、修介! 彼氏来てるのっ? 一瞬でいいから会わせて!」
秀明はキラキラと目を輝かせている。
晴人は何も発さないけどきっと秀明と同じ事を考えているんだっていうのが顔の表情から読み取れる。
翔平は嬉しそうに手に持つビニール袋を掲げた。
「バイト終わりにそこのスーパーで買い物してたら偶然二人に会っちゃって。何処かで見た事ある顔だなって思って訊いたら、修介の友達っつーから盛り上がっちゃってさ。修介の事情よく知ってるみたいだし、連れて来ちゃった!」
そういえば今日は秀明は晴人の家に泊まると言っていた。
俺は何も言っていないのに、翔平たちは勝手にズカズカと上がり込んでくる。
「あ、景久しぶり! ほら、酒とつまみ買って来たからみんなで飲もうぜ」
「……うわ」
「あ、てめー、あからさまに迷惑そうな顔してんじゃねーよ。誰のおかげで修介と付き合えたと思ってんの?」
「すいません、お邪魔しまーす……あっ! こ、こんばんは! うわー、本物だぁ~カッコいいッ! ほらっ晴人もちゃんと挨拶してっ!」
「あ、は、はじめまして」
「はじめまして。いつも修介と仲良くしてくれて、どうもありがとう」
「おい。俺との対応違いすぎんだろ!」
秀明は景と握った手をブンブンと縦に何度も振っている。晴人も目を丸くして感激しながら景と握手を交わす。
「ああ、ちょっとみんな、何勝手にっ」
せっかく景と二回戦が始まりそうな予感だったのに…と思っていたけど、翔平に小突かれて迷惑そうにしながらも笑っている景と、それを見ながらまた笑う秀明と晴人。
その光景を見ながらクスッと笑ってしまった。
(まぁええか。みんな楽しそうやし)
それに、不安な事もあったけど、今日はやっぱりいい日だったなと思った。
右手に光る指輪を見ながら、そう思う。
景の事、ちゃんと信じよう。
しばらくしてから酒が足りないと言って、なぜか翔平と俺で買い出しに行く事になった。
戻って来た時、三人がニヤついていたから何を話していたのか気になったけど、ちゃんとは教えてくれなくて。
晴人と秀明が帰った後も、翔平は朝まで居座り、景と一緒のタイミングでアパートを出て行った。
帰った後も、景からの贈り物を飽きもせず何度も眺めた。
今度、景の友達に会う時にしていこう。
少し恥ずかしいけど、俺は景の恋人なんだって証だから。
うちの合鍵もちゃんと渡せたし、終わりよければ全て良しという事で。
そうして、景とのデートは幕を閉じた。
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