220 / 454
第220話
しおりを挟む
景の手にはよく似合ってピッタリだけど、俺の小指には少し大きくてクルクル回ってしまう。
試しに小指から薬指に移動させてみた。
あ、これなら、ピッタリだけど……。
でもやっぱり俺の小さな手に指輪なんて似合わない。
外そうとすると、景は顔を傾けてニコリと笑った。
「見慣れないだけじゃない? 修介って肌白くて綺麗だから、その色よく似合ってると思うけど」
「えぇー、ホンマー?」
もう一度手を宙にかざしてヒラヒラとさせた。
指輪自体は凄く好きだ。綺麗だし。
赤く光るルビーは小さくてもきちんと存在感があって。
景がいつもしてる指輪を今俺がしてるんだ……と、その輝きを見る度になんだか嬉しくて微笑むと、景はこちらに手を伸ばしてきて、俺の髪を梳いた。
「修介にあげるよ、それ」
「えっ?」
この指輪を、俺にくれる?
「いやっ、ええよ。景のお気に入りなんやろ? それにこんな高そうなやつもらわれへんよっ」
「お気に入りだから修介に持っていて欲しいんだ。それを見れば、僕の事思い出してくれるでしょう? 僕の代わりって事で、心の拠り所になれればいいな」
右手の指輪に視線を移す。
景の代わり……。
こんなの無くたって、景の事なんていつでも頭にあるけど。
「それ、幸運を呼ぶ指輪なんだよ。不思議なパワーを持ってて、今ある不安が無くなって、たちまち素直になれちゃう、魔法の指輪」
「えっ、そうなん?」
「いや、嘘だけど」
嘘かい。
いや、でも嬉しい。
景のパワーやオーラを吸い込んだ最強の指輪じゃないか。
確かに、会えなくて寂しい時にこれを見れば、気持ちは随分と和らぐのかもしれない。
景は頭を撫でてくれる。
俺はもう受け取る気満々になっていたけど、何度も景に確認して、ありがたくもらう事にした。
試しに小指から薬指に移動させてみた。
あ、これなら、ピッタリだけど……。
でもやっぱり俺の小さな手に指輪なんて似合わない。
外そうとすると、景は顔を傾けてニコリと笑った。
「見慣れないだけじゃない? 修介って肌白くて綺麗だから、その色よく似合ってると思うけど」
「えぇー、ホンマー?」
もう一度手を宙にかざしてヒラヒラとさせた。
指輪自体は凄く好きだ。綺麗だし。
赤く光るルビーは小さくてもきちんと存在感があって。
景がいつもしてる指輪を今俺がしてるんだ……と、その輝きを見る度になんだか嬉しくて微笑むと、景はこちらに手を伸ばしてきて、俺の髪を梳いた。
「修介にあげるよ、それ」
「えっ?」
この指輪を、俺にくれる?
「いやっ、ええよ。景のお気に入りなんやろ? それにこんな高そうなやつもらわれへんよっ」
「お気に入りだから修介に持っていて欲しいんだ。それを見れば、僕の事思い出してくれるでしょう? 僕の代わりって事で、心の拠り所になれればいいな」
右手の指輪に視線を移す。
景の代わり……。
こんなの無くたって、景の事なんていつでも頭にあるけど。
「それ、幸運を呼ぶ指輪なんだよ。不思議なパワーを持ってて、今ある不安が無くなって、たちまち素直になれちゃう、魔法の指輪」
「えっ、そうなん?」
「いや、嘘だけど」
嘘かい。
いや、でも嬉しい。
景のパワーやオーラを吸い込んだ最強の指輪じゃないか。
確かに、会えなくて寂しい時にこれを見れば、気持ちは随分と和らぐのかもしれない。
景は頭を撫でてくれる。
俺はもう受け取る気満々になっていたけど、何度も景に確認して、ありがたくもらう事にした。
0
お気に入りに追加
221
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。


男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。



ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる