リプレイ!

こすもす

文字の大きさ
上 下
197 / 454

第197話 side景(挿絵あり)

しおりを挟む
 桜理と二人きりになったら、ようやく静かになった。
 紫煙をくゆらせながら、修介の事を考えてみた。
 確かに、関西弁で今度、卑猥な言葉を言わせてみたいかもな…と僕の本能がそう思わせてしまった。
 少しニヤついてしまっていると、桜理にフッと笑われる。

「今、その子の事考えてんだろ?」
「うん」
「チッ。脳内お花畑かよ! でも、景がそんなになるなんて初めてじゃねぇ? そんなにいい相手なのかよ」
「……うーん。正直、自分でも分からないんだ。なんでこの人がいいんだろうって。でも、今までの相手とは全然違う。暇さえあれば、早く会いたいなとか、今度あの場所に連れて行ってあげたら喜ぶかなとか思っちゃうし」
「はぁ、景をそんな風にする子なんて、余程の魅惑の美女なんだろうな。今度紹介しろよ」
「え?」
「そうだ。来月、俺んとこの事務所の先輩主催の飲み会があんじゃん。そん時に連れてくりゃあいいんだよ。どうせ毎年派手に騒ぐんだから、誰がどのツレかなんて分かんねーし。俺だってエリの事連れて行く予定だぜ?」

 エリ、とは桜理の恋人だ。
 僕は別にいいけれど、修介はどう思うだろうか。
 実は人見知りだって言っていたし、もしかしたらそういう場所は苦手なのかもしれない。
 僕と付き合っているのを隠しておきたいのかもしれないし。

 けれど、ふと思った。
 親友の桜理とタケには、きちんと紹介しておきたい。
 修介もこの二人と仲良くなってもらえれば、いろんな場所に一緒に行けるかもしれないし。

「うん。じゃあ聞いてみる。就活で忙しいみたいだから、都合が合えばだけどね」
「イェイ! すげぇ楽しみ」

「何が~?」

 電話を終えたタケが笑顔で覗き込んだ。

「来月の飲み会、景も彼女連れて来るってよ」

 桜理が何故か得意げにタケに話す。
 彼女、じゃないけどね。

「えっマジで? 超楽しみー! 俺も朗報。Dカップ癒し系美女も来てくれる事になったよん」
「えっ、何で? お前知り合いだったのかよ?」
「今ちょうど電話で話してたんだけどさ、なんとこの子友達らしくて。やべー。絶対Ⅾカップとエッチしよっと」
「てめぇ大概にしろよ? 俺も混ぜて!」

 ……やっぱりやめようかな。
 いや、それ以外では本当にいい奴らなんだ。
 裏を返せば盛り上げ上手。
 仕事となればまるっきり違う顔を見せるから、尊敬もしているし。
 取り敢えず、来週会った時に修介に聞いてみよう。
 楽しみだな、修介の家。

 修介をその場所に連れて行く、という決断が後々僕を苦しめる事となるとは気付かずに、呑気に二人の馬鹿な話を聞きながら日本酒を飲んで、しあわせな気分だった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...