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4 明日夏-asuka- 1
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日付けが変わり、二時間ほどした頃。
ついに眠気の限界がやってきたので、僕は一足先に寝させてもらうことにした。
「みんなはまだ起きてるの?」
目蓋を擦りながら問うと、拓海が欠伸をしながら答えた。
「あぁ、俺もそろそろ寝ようかな」
「じゃあ机、どかそうか」
テーブルを部屋の隅に移動させ、ロフトから下ろしておいたタオルケットや布団を適当に敷き詰めていく。
真央だけが手伝わずに、ソファーの上に寝そべっていた。
「俺ここで寝ていいー?」
「は? どうする、拓海」
「うん、俺は床でいいよ。櫂は?」
「まぁ俺も、基本どこでも寝れるからいいけどさ。真央、ソファから落ちたりすんなよ。俺が潰れる」
「はいはーい」
櫂はソファのすぐ横で寝るらしい。部屋が狭いので三人並んで寝ることは出来ない。真央と櫂は頭を北向き、拓海が東向きにして寝ることになった。僕は一人、ロフトへ。
固定されている木製の梯子に足をかけ、一段ずつ上っていく。
上から三段目にはそっと足を乗せるだけにし、両手で体重を支えて負荷がかからないようにした。
ロフトからひょっこり顔を出すと、僕を見上げる三人と目が合った。
「真央と櫂は、まだ起きてる? 電気はどうしようか」
「消していいよ。俺たちも適当に寝るから」
櫂に言われ、僕はリモコンを操作して照明の明かりをオフにした。
暗闇の中で、真央と櫂のスマホの画面がしばらく煌々と光っていたけど、それが消えるよりも前に、僕は深い眠りに落ちていた。
ついに眠気の限界がやってきたので、僕は一足先に寝させてもらうことにした。
「みんなはまだ起きてるの?」
目蓋を擦りながら問うと、拓海が欠伸をしながら答えた。
「あぁ、俺もそろそろ寝ようかな」
「じゃあ机、どかそうか」
テーブルを部屋の隅に移動させ、ロフトから下ろしておいたタオルケットや布団を適当に敷き詰めていく。
真央だけが手伝わずに、ソファーの上に寝そべっていた。
「俺ここで寝ていいー?」
「は? どうする、拓海」
「うん、俺は床でいいよ。櫂は?」
「まぁ俺も、基本どこでも寝れるからいいけどさ。真央、ソファから落ちたりすんなよ。俺が潰れる」
「はいはーい」
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固定されている木製の梯子に足をかけ、一段ずつ上っていく。
上から三段目にはそっと足を乗せるだけにし、両手で体重を支えて負荷がかからないようにした。
ロフトからひょっこり顔を出すと、僕を見上げる三人と目が合った。
「真央と櫂は、まだ起きてる? 電気はどうしようか」
「消していいよ。俺たちも適当に寝るから」
櫂に言われ、僕はリモコンを操作して照明の明かりをオフにした。
暗闇の中で、真央と櫂のスマホの画面がしばらく煌々と光っていたけど、それが消えるよりも前に、僕は深い眠りに落ちていた。
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