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仲直り
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俺は教室に入り席に着く。
佐倉は既に席に座っていてこちらを見ると
おはようと言って笑顔を見せた。
俺もおはようと普通に返したつもりだが普通に返せていただろうか。
チャイムまであと5分もない。
加藤はチャイムの1分前かくらいの
ギリギリの時間にきた。
たまたまなのか、わざとなのか。
先生もちょうど教室に入ってきた。
「おーし、ホームルーム始めるぞー。」
先生もどこか気だるそうだった。
今日はホームルームが少し長かったので
終わったらすぐに授業が始まった。
…そして今授業が終わったところだ。
「きりーつ、れーい、ありがとうございましたー。」
ガタガタと椅子の音が鳴る。
「ねぇ、加藤!あのさ、」
俺が話しかけると加藤は一瞬こちらを見たが
すぐに目を逸らし席を立った。
加藤が廊下に出ようとしているので
慌てて追いかける。
「加藤、あの…」
「何よ!私と話すのがそんなに嫌なら
話しかけないでよ!」
周りがしんとなった。
加藤本人も思ったより大きい声が出てしまった
みたいで慌てて声を小さくする。
「…ほんとに無理して話さなくていいから。」
「加藤…まっ……」
加藤はそんな俺の声には耳も傾けずつかつかと
廊下を歩いていった。
「ごめん!」
俺は思いっきり大きな声を出して頭を下げた。
しまった。やりすぎたかな。
逆に不快にさせちゃったかも…。
そんな不安が頭をよぎる。
勢いで目を瞑ってしまっていたので
薄らと頭を下げながら目を開ける。
加藤と書かれた上履きが目に入る。
足をとめてくれたようだ。
俺は思いっきり頭を上げた。
「加藤、ほんとに…」
そう言おうとすると加藤の顔が赤くなっている。
…ん?
少し違和感を感じ周りを見てみると皆しんと黙って
俺たちの方を見ていた。
「あっ…えっと…」
必死になってたから全く気づかなかった。
てか、恥ずかしい…。
「あー!もう!いいから!!」
加藤が顔を赤く染めたまま言った。
「そこまで言うんだったらあんたの事許して
あげる!その代わりあんな事二度としないで!」
「えっ…あっ、ありが…」
そう言い終わらないうちに加藤は去ってしまった。
相変わらず周りは俺たち…じゃない、
俺を見ている。
周りが口々に話し出す。
何があったんだろーなー。あいつら最近仲良いよな…佐藤ってやつなんかすげぇな笑
って全部俺達のことじゃん…。
キーンコーンカーンコーーン
「あっ、やっば。」
皆バタバタと教室に戻る。
俺は気持ちが落ち着かないままその後の
授業を受けた。
とりあえず一件落着は落着なんだがなんか無駄に
目立っちゃったなぁ…。
あの事は昼休みになると加藤と俺の笑い話に
なっていた。
「びっくりしたわぁ笑
急におっきな声で言うんだもん笑」
「いや、俺もほんとに必死だったんだよ…笑」
「もうすんごい顔してたよ笑
笑いそうになっちゃったーー笑」
「いや加藤だってりんごみたいに
真っ赤な顔だったじゃん!」
「そんなことないし笑 はー、面白かった笑」
喧嘩するほど仲がいいという言葉が
あるが初めてそれを実感した。
なんか加藤とさらに仲良くなれた気がした。
「ねぇ佐藤くん。」
「ふははっ……ん?佐倉どしたー?」
「数学でわかんない所、教えてもらったもいいかな?」
「数学俺苦手なんだよなーー加藤の方ができるかも…。」
思った通り言ったのだが佐倉は
あまりいい顔をしなかった。
「えーー、いいじゃん、とりあえず佐藤が
見てあげなよ。」
加藤が笑顔で言ったがその笑顔は不自然だった。
なんかこう、やっぱり女って怖い…。
「ありがとう。じゃあ佐藤くん借りるね。」
佐倉はにこっと加藤に笑顔を返す。
佐倉の笑顔は自然すぎて怖い。
あとはこの2人が仲良くなってくれれば
俺の平和生活は完璧だな…。
「佐藤くん、ここなんだけど…」
「うん、あぁ、そこなら俺もわかるよ。」
「ほんと!教えてー!」
「うん!」
俺は思いっきり笑顔を作った。
今日は笑顔の日だ。
佐倉は既に席に座っていてこちらを見ると
おはようと言って笑顔を見せた。
俺もおはようと普通に返したつもりだが普通に返せていただろうか。
チャイムまであと5分もない。
加藤はチャイムの1分前かくらいの
ギリギリの時間にきた。
たまたまなのか、わざとなのか。
先生もちょうど教室に入ってきた。
「おーし、ホームルーム始めるぞー。」
先生もどこか気だるそうだった。
今日はホームルームが少し長かったので
終わったらすぐに授業が始まった。
…そして今授業が終わったところだ。
「きりーつ、れーい、ありがとうございましたー。」
ガタガタと椅子の音が鳴る。
「ねぇ、加藤!あのさ、」
俺が話しかけると加藤は一瞬こちらを見たが
すぐに目を逸らし席を立った。
加藤が廊下に出ようとしているので
慌てて追いかける。
「加藤、あの…」
「何よ!私と話すのがそんなに嫌なら
話しかけないでよ!」
周りがしんとなった。
加藤本人も思ったより大きい声が出てしまった
みたいで慌てて声を小さくする。
「…ほんとに無理して話さなくていいから。」
「加藤…まっ……」
加藤はそんな俺の声には耳も傾けずつかつかと
廊下を歩いていった。
「ごめん!」
俺は思いっきり大きな声を出して頭を下げた。
しまった。やりすぎたかな。
逆に不快にさせちゃったかも…。
そんな不安が頭をよぎる。
勢いで目を瞑ってしまっていたので
薄らと頭を下げながら目を開ける。
加藤と書かれた上履きが目に入る。
足をとめてくれたようだ。
俺は思いっきり頭を上げた。
「加藤、ほんとに…」
そう言おうとすると加藤の顔が赤くなっている。
…ん?
少し違和感を感じ周りを見てみると皆しんと黙って
俺たちの方を見ていた。
「あっ…えっと…」
必死になってたから全く気づかなかった。
てか、恥ずかしい…。
「あー!もう!いいから!!」
加藤が顔を赤く染めたまま言った。
「そこまで言うんだったらあんたの事許して
あげる!その代わりあんな事二度としないで!」
「えっ…あっ、ありが…」
そう言い終わらないうちに加藤は去ってしまった。
相変わらず周りは俺たち…じゃない、
俺を見ている。
周りが口々に話し出す。
何があったんだろーなー。あいつら最近仲良いよな…佐藤ってやつなんかすげぇな笑
って全部俺達のことじゃん…。
キーンコーンカーンコーーン
「あっ、やっば。」
皆バタバタと教室に戻る。
俺は気持ちが落ち着かないままその後の
授業を受けた。
とりあえず一件落着は落着なんだがなんか無駄に
目立っちゃったなぁ…。
あの事は昼休みになると加藤と俺の笑い話に
なっていた。
「びっくりしたわぁ笑
急におっきな声で言うんだもん笑」
「いや、俺もほんとに必死だったんだよ…笑」
「もうすんごい顔してたよ笑
笑いそうになっちゃったーー笑」
「いや加藤だってりんごみたいに
真っ赤な顔だったじゃん!」
「そんなことないし笑 はー、面白かった笑」
喧嘩するほど仲がいいという言葉が
あるが初めてそれを実感した。
なんか加藤とさらに仲良くなれた気がした。
「ねぇ佐藤くん。」
「ふははっ……ん?佐倉どしたー?」
「数学でわかんない所、教えてもらったもいいかな?」
「数学俺苦手なんだよなーー加藤の方ができるかも…。」
思った通り言ったのだが佐倉は
あまりいい顔をしなかった。
「えーー、いいじゃん、とりあえず佐藤が
見てあげなよ。」
加藤が笑顔で言ったがその笑顔は不自然だった。
なんかこう、やっぱり女って怖い…。
「ありがとう。じゃあ佐藤くん借りるね。」
佐倉はにこっと加藤に笑顔を返す。
佐倉の笑顔は自然すぎて怖い。
あとはこの2人が仲良くなってくれれば
俺の平和生活は完璧だな…。
「佐藤くん、ここなんだけど…」
「うん、あぁ、そこなら俺もわかるよ。」
「ほんと!教えてー!」
「うん!」
俺は思いっきり笑顔を作った。
今日は笑顔の日だ。
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