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後悔 (攻め視点)
後悔15
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地下牢にいたのは、こちらに笑みを向けるヤツが。
こいつの依頼主は、数年前に酒に溺れ、家族を失くした貴族だった。私がそいつの対応を任され、対応していた。その時にそいつが錯乱状態に陥り、私がそいつの家族を殺したと思い込むようになったのだ。適切な対応をその後医療班に任せたが、この始末。
ぐっ、とエルからの贈り物を握りしめる。
濃い紫色をした金属製の栞は所々に血がこびり付いていた。
ヤツを見据える。
ニヤニヤと笑うヤツ。
「、、、レイン様、だっけ?あんたの大切な奥様から頼まれているので、お伝えしますね、、、」
相手を逆撫でする態度。私は苛立つ。エルを守れなかったこと。己の愚かさ。全てに嫌悪する。
ヤツは咳払いをし、一瞬だけ、苦しそうな、辛そうな顔をさせた。私がそれに気が付き、ヤツに声を掛けようとした時、ヤツは片手をあげそれを止める。
「、、、ごめんな、、、さて、レイン様とやら、お伝えしますよ。ワーズベル・エルの最期の言葉を、、、」
息を飲む。
「ーーーレイン様。大好きです。愛しています。」
今、私はどんな顔をしているのだろうか。最後までどうしようもない私を愛してくれた大切な人。私を信じてくれた人。それを自分の所為で、失った。
ヤツの血で染まった長剣を見る。
「は、ははは、、、」
乾いた声で笑う。
エルのいない世界なんて考えれない。
「エル、君を愛している」
完結
拙作を読んでくださった皆様、ありがとうございました!!
初投稿で右も左も分からなかったのですが、こんなに沢山の方に読んで頂けると思っておらず、凄く書いていて楽しかったです。
最後、攻めがどう終わったのかは、皆様のご想像にお任せします。
感想、お気に入り登録、いいね、凄く嬉しいです!してくださった皆様、本当にありがとうございました!
またどこかで
(*ˊᵕˋ*)੭ ੈ♥
こいつの依頼主は、数年前に酒に溺れ、家族を失くした貴族だった。私がそいつの対応を任され、対応していた。その時にそいつが錯乱状態に陥り、私がそいつの家族を殺したと思い込むようになったのだ。適切な対応をその後医療班に任せたが、この始末。
ぐっ、とエルからの贈り物を握りしめる。
濃い紫色をした金属製の栞は所々に血がこびり付いていた。
ヤツを見据える。
ニヤニヤと笑うヤツ。
「、、、レイン様、だっけ?あんたの大切な奥様から頼まれているので、お伝えしますね、、、」
相手を逆撫でする態度。私は苛立つ。エルを守れなかったこと。己の愚かさ。全てに嫌悪する。
ヤツは咳払いをし、一瞬だけ、苦しそうな、辛そうな顔をさせた。私がそれに気が付き、ヤツに声を掛けようとした時、ヤツは片手をあげそれを止める。
「、、、ごめんな、、、さて、レイン様とやら、お伝えしますよ。ワーズベル・エルの最期の言葉を、、、」
息を飲む。
「ーーーレイン様。大好きです。愛しています。」
今、私はどんな顔をしているのだろうか。最後までどうしようもない私を愛してくれた大切な人。私を信じてくれた人。それを自分の所為で、失った。
ヤツの血で染まった長剣を見る。
「は、ははは、、、」
乾いた声で笑う。
エルのいない世界なんて考えれない。
「エル、君を愛している」
完結
拙作を読んでくださった皆様、ありがとうございました!!
初投稿で右も左も分からなかったのですが、こんなに沢山の方に読んで頂けると思っておらず、凄く書いていて楽しかったです。
最後、攻めがどう終わったのかは、皆様のご想像にお任せします。
感想、お気に入り登録、いいね、凄く嬉しいです!してくださった皆様、本当にありがとうございました!
またどこかで
(*ˊᵕˋ*)੭ ੈ♥
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みんなの感想(12件)
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あらためて2回目を読みました。深い後悔の物語は数多かれど、間に合わなかった愛の行方は哀しいですね。遅ればせながら姿なき両想いになった今、せめて次の生の時には成就してほしいです。きっとレイン様は最愛を追いかけていったでしょうから。
人を傷つけたくない〜とか言いながらずーーーーーーーっと妻を傷つけてきたモラハラクズの自業自得、因果応報、ざまぁざまぁって感じ。
仮に妻が殺害されなくても一生モラハラしてそのうちストレスで大病になって死ぬ、つまり自分が殺していたと思うから、人のせいに出来る幕引きが出来たこれで良かったんじゃね。
BLACK黒糖様、感想ありがとうございます!!
モラハラ笑
その通りでございます。すれ違い。からのハピエン。はよくありますが、「すれ違い」ではすまされない攻めの行動。妻が生きていてもバドエンは逃れられなかったでしょう。
これもひとつの終わり方。良かったのではないのでしょうか^^
最後までお読み頂きありがとうございました!
またどこかで⸜( * ॑꒳ ॑*)⸝ꔛ♡。.
もしも、暗殺者がいなかったとしても、このひねくれものの阿呆旦那はずっとエルにつらく当たっていたのではないかなと思います。
どこか、何かのきっかけがあり、素直になれるという奇跡が起きない限り、不幸な夫婦のままだったのではないのかな。
そう思うほど、レインは精神的に幼過ぎました。
私事ですが、父が脳梗塞で突然亡くなったのは、初孫である私の娘が生まれた35日後。
親を大事にしてきたつもりでしたが、急な別れは本当にきつかった。
でも、『孫を抱かせてあげられた』その事実が何よりの救いでした。
5年後、母が逝った日は2人目の孫である息子の初節句の日。
男女の孫を見せる事が出来て、親孝行できたかなと自分を慰めたものです。
いつか素直になろうとか、いつかきちんと向き合おうとか、、
いつか、いつか、なんて言っていては、皆が不幸になるだけです。
照れくさくても、恥ずかしくでも、一歩を踏み出す勇気が欲しかった。
人の命なんていつまであるのか誰にもわからないのですもの。
良い小説でした、ありがとうございました。
すずしろ様、感想ありがとうございます!!
そうなんです!暗殺者がいなかったら一生レインは幼稚なままで関係性も変わらなかったと思います。
すずしろ様の身上を知り、涙が出ました。
いつなくなるかも分からない命。
1日1日を大切に過ごしていかなければならないと、強く感じました。
すずしろ様がご自身の身上とこのお話しをリンクして、凄く深く考えてくださったんだと思いました。作者もどう書けばいいのか分からず、長い間この感想への返信を悩みました。上手く気持ちが伝わっているか不安です。
後悔をしてもそれを取り消すことは出来ず、一生抱えて生きてゆく。それが人間らしさかと、思います。
すずしろ様が「孫を抱かせてあげられた」事ができ、良かったと作者は勝手ながらに思っております。
すずしろ様、このようなお話をして下さりありがとうございます。
私は初めて書きものに挑戦し、こんな話、誰も読まないよ。と自信は全くありませんでした。
ただ、すずしろ様の心に響いたのだと分かると、書いていて良かったと感じます。
上手く返答できたか不安ですが、失礼な事があったら申し訳ないです。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
この話の誰にも伝わらないと思って潜ませていたメッセージを読み取って下さるとは思わず、凄く驚いております。嬉しいです😊
すずしろ様に愛を込めて⸜( * ॑꒳ ॑*)⸝ꔛ♡。.