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後悔 (攻め視点)

(?)視点

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  「ひとつ、、、頼まれてくれませんか、、、」

もうすぐ死ぬと分かって諦めたのだろうか。こちらに何も映さなくなった瞳を向ける。

ドクドクと流れる血。じわじわと地面が鉄臭くなっていく。

ターゲットは震える手で胸ポケットから金属製の何かを取り出した。それを血にまみれた手で俺に渡してくる。私はそれを受け取り、その場を離れようとすると、まだ生きているらしく、何かを呟く。小さく、聞き取れないはずの声は風に乗ってはっきりと聞こえた。

「、、、レイン様、、、大好きです、、、あいしてます」

そう呟いたきり、糸が切れたかのように動かなくなった。

初め、依頼主から、大切なもの奪った最低な人間だと聞いていた。生かす価値のない人間。そう思っていた。今日1日ターゲットを観察してそれは、全くの偽りであったと気が付いたのだ。困った人間には必ず手を伸ばし、優しく微笑む。純粋な人間だ。本能がそう言っていた。ただ、仕事だ。やらなければいけない。それに、外面がいいだけで、家では乱暴者かもしれない。そう思うことで、仕事に専念する事ができた。

それが間違いだと、今になって気が付いた。




それから1週間もしない間に俺は捕まった。これで良かったのかもしれない。今まで、奴隷商人、悪徳商人ばかり狩って来た。俺は過ちを犯しすぎたのだ。

牢屋に何日かいた時、大きな美丈夫が現れた。
顔を見て分かった。ああ、こいつがワーズベル・エルの大切な奴かと。

俺はそいつに向かって笑みを向ける。

今、あいつに一番効くものだ。

予想通りあいつは顔を歪ませぐっ、と拳を握る。その手には、俺が騎士達に渡した、金属製の栞が。

俺は一呼吸置き、最期になる言葉を告げた。
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