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後悔 (攻め視点)

後悔10

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ーーー2月12日

   レイン様に挨拶をした。挨拶は返ってはこないのだけど。それでもレイン様の隣にいられるだけでも幸せだったーーー





「レイン様、おはようございます」

控えめでいて、それでも花が咲き誇るような愛らしい微笑みをこちらに向けるエル。

あまりの眩しさに、目をやられる。「おはよう」そう返せばいいのに、上手く返せない。何故だ。エルを前にするとどうしても、たどたどしくなってしまう。まずい。そう思うのに毎回素っ気ない態度になってしまう。何故だ。




ーーー2月13日


  レイン様と初めて夕食を食べた!こんなに夕食を美味しいと、幸せだと感じたことはない!レイン様は野菜が苦手らしい。可愛い!ーーー



エルと初めて夕食をとった時は、緊張しすぎて味を覚えていない。ただ、私が野菜を皿の隅に寄せているのを見たエルが、クスクス可愛らしく笑っていたのだけは覚えている。あんなに恥ずかしかったことはない。その日からしっかり野菜は食べるようになった。




ーーー2月14日

  レイン様とお仕事をした!前みたいに「媚び売り」とは言われなくなった。レイン様の仕事姿はかっこいい!新たな発見ーーー


「媚び売り」そうエルに言った日には、執事にこっぴどく叱られた。私自身酷く反省しているが、礼を言おうとすると、どうしても言葉が続かなくなる。その結果無言になってしまっていた。私はこの時初めて社交界で身につけた自分を守るこの無愛想な性格を恨んだ。



ーーー2月15日

 仕事が終わった時に、レイン様からお菓子を貰った。こんなに嬉しいことはない。しかも僕の大好物のカステラ。家宝にしようかなーーー


礼の代わりにエルの好物だという、カステラを渡した。あの時のエルの満面の愛らしい笑顔を見た時、胸が「ぎゅん」と音を立てて心臓が締め付けられた。その日から、私はエルにカステラを仕事終わりに渡すようにした。いつか、「ありがとう。いつも助かっている。」そうエルに伝えたい。


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