19 / 25
後悔 (攻め視点)
後悔10
しおりを挟むーーー2月12日
レイン様に挨拶をした。挨拶は返ってはこないのだけど。それでもレイン様の隣にいられるだけでも幸せだったーーー
「レイン様、おはようございます」
控えめでいて、それでも花が咲き誇るような愛らしい微笑みをこちらに向けるエル。
あまりの眩しさに、目をやられる。「おはよう」そう返せばいいのに、上手く返せない。何故だ。エルを前にするとどうしても、たどたどしくなってしまう。まずい。そう思うのに毎回素っ気ない態度になってしまう。何故だ。
ーーー2月13日
レイン様と初めて夕食を食べた!こんなに夕食を美味しいと、幸せだと感じたことはない!レイン様は野菜が苦手らしい。可愛い!ーーー
エルと初めて夕食をとった時は、緊張しすぎて味を覚えていない。ただ、私が野菜を皿の隅に寄せているのを見たエルが、クスクス可愛らしく笑っていたのだけは覚えている。あんなに恥ずかしかったことはない。その日からしっかり野菜は食べるようになった。
ーーー2月14日
レイン様とお仕事をした!前みたいに「媚び売り」とは言われなくなった。レイン様の仕事姿はかっこいい!新たな発見ーーー
「媚び売り」そうエルに言った日には、執事にこっぴどく叱られた。私自身酷く反省しているが、礼を言おうとすると、どうしても言葉が続かなくなる。その結果無言になってしまっていた。私はこの時初めて社交界で身につけた自分を守るこの無愛想な性格を恨んだ。
ーーー2月15日
仕事が終わった時に、レイン様からお菓子を貰った。こんなに嬉しいことはない。しかも僕の大好物のカステラ。家宝にしようかなーーー
礼の代わりにエルの好物だという、カステラを渡した。あの時のエルの満面の愛らしい笑顔を見た時、胸が「ぎゅん」と音を立てて心臓が締め付けられた。その日から、私はエルにカステラを仕事終わりに渡すようにした。いつか、「ありがとう。いつも助かっている。」そうエルに伝えたい。
62
お気に入りに追加
138
あなたにおすすめの小説
やり直せるなら、貴方達とは関わらない。
いろまにもめと
BL
俺はレオベルト・エンフィア。
エンフィア侯爵家の長男であり、前世持ちだ。
俺は幼馴染のアラン・メロヴィングに惚れ込み、恋人でもないのにアランは俺の嫁だと言ってまわるというはずかしい事をし、最終的にアランと恋に落ちた王太子によって、アランに付きまとっていた俺は処刑された。
処刑の直前、俺は前世を思い出した。日本という国の一般サラリーマンだった頃を。そして、ここは前世有名だったBLゲームの世界と一致する事を。
こんな時に思い出しても遅せぇわ!と思い、どうかもう一度やり直せたら、貴族なんだから可愛い嫁さんと裕福にのんびり暮らしたい…!
そう思った俺の願いは届いたのだ。
5歳の時の俺に戻ってきた…!
今度は絶対関わらない!
心からの愛してる
マツユキ
BL
転入生が来た事により一人になってしまった結良。仕事に追われる日々が続く中、ついに体力の限界で倒れてしまう。過労がたたり数日入院している間にリコールされてしまい、あろうことか仕事をしていなかったのは結良だと噂で学園中に広まってしまっていた。
全寮制男子校
嫌われから固定で溺愛目指して頑張ります
※話の内容は全てフィクションになります。現実世界ではありえない設定等ありますのでご了承ください
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
その部屋に残るのは、甘い香りだけ。
ロウバイ
BL
愛を思い出した攻めと愛を諦めた受けです。
同じ大学に通う、ひょんなことから言葉を交わすようになったハジメとシュウ。
仲はどんどん深まり、シュウからの告白を皮切りに同棲するほどにまで関係は進展するが、男女の恋愛とは違い明確な「ゴール」のない二人の関係は、失速していく。
一人家で二人の関係を見つめ悩み続けるシュウとは対照的に、ハジメは毎晩夜の街に出かけ二人の関係から目を背けてしまう…。
地味で冴えない俺の最高なポディション。
どらやき
BL
前髪は目までかかり、身長は160cm台。
オマケに丸い伊達メガネ。
高校2年生になった今でも俺は立派な陰キャとしてクラスの片隅にいる。
そして、今日も相変わらずクラスのイケメン男子達は尊い。
あぁ。やばい。イケメン×イケメンって最高。
俺のポディションは片隅に限るな。
俺はすでに振られているから
いちみやりょう
BL
▲花吐き病の設定をお借りしている上に変えている部分もあります▲
「ごほっ、ごほっ、はぁ、はぁ」
「要、告白してみたら? 断られても玉砕したら諦められるかもしれないよ?」
会社の同期の杉田が心配そうに言ってきた。
俺の片思いと片思いの相手と病気を杉田だけが知っている。
以前会社で吐き気に耐えきれなくなって給湯室まで駆け込んで吐いた時に、心配で様子見にきてくれた杉田に花を吐くのを見られてしまったことがきっかけだった。ちなみに今も給湯室にいる。
「無理だ。断られても諦められなかった」
「え? 告白したの?」
「こほっ、ごほ、したよ。大学生の時にね」
「ダメだったんだ」
「悪いって言われたよ。でも俺は断られたのにもかかわらず諦めきれずに、こんな病気を発病してしまった」
記憶喪失の君と…
R(アール)
BL
陽は湊と恋人だった。
ひねくれて誰からも愛されないような陽を湊だけが可愛いと、好きだと言ってくれた。
順風満帆な生活を送っているなか、湊が記憶喪失になり、陽のことだけを忘れてしまって…!
ハッピーエンド保証
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる