5 / 60
一章 女子高生殺傷殺人未遂事件
4. 山岸由依の自宅周辺
しおりを挟む
犬の鳴き声が聴こえてくる以外は、静かで落ち着きのある一帯だった。
どの家も都内の建売住宅が三軒ほど入りそうなぐらい敷地が広い。
山岸邸のように丁寧に庭を造っている家もあれば、廃墟かと思うほど伸び放題になっている家もあり、砂利で埋め尽くして草木どころか雑草一つない庭を保っている家もある。
佇む家や町内の雰囲気から、一帯の住人はおそらく年配者が多いだろう。情報通の住人に出会えるといいが。
最近は都内でなくても人同士の接点が減っている。山岸家の高校生の状況を知っている人はいるだろうか。
どの家から当たっていこうかと伺っていると、広い敷地を利用した二世帯住宅の真っ白い壁が視界に飛び込んできた。三世帯が一緒に住んでいる可能性があった。山岸由依と同年代の子供がいれば、情報を得られるかもしれない。
芙季子はピンときて、レコーダーをONにしてからインターホンを鳴らした。
「どちら様?」
いきなり目前の扉が開いて、芙季子は驚いた。
茶色のトイプードルを小脇に抱えた60歳前後のおばさまが出てきた。犬の散歩にでも行こうとしていたのか、犬にはリードが繋がっている。
「あの、恐れ入ります、山岸造園さんについてお伺いたいしたくて」
芙季子は週刊誌の記者とはあえて名乗らなかった。
「山岸さん? もうお辞めになってますよ」
「どうしてかご存じですか? お庭が素晴らしいなと思って」
「お庭すごいでしょう。正男さんのお父さんの代から造園されてて、あのお庭は宣伝代わりによく人に見せてたのよ。去年、正男さんが脚立から足を滑らして腕を怪我なさってねえ」
情報通でお喋りな住人に当たり、内心でガッツポーズを取る。
「後継者はおられないのですか。子供さんとかお孫さんは?」
「沙都子ちゃんっていう子供がいるんだけど、女の子だから。旦那さんがホームセンターに勤めてて、弟子入りして職人になってもらったらいいのに、なんて妙子さんと話してたんだけどねえ。何年か前に出戻ってきてね。性格の不一致とか言ってたらしいけど、実際のところはどうなのかしらねえ。孫も女の子一人で」
「男の子だったら後継ぎにというお話があったんですか」
「由依ちゃんが男の子だったとしても、させてないでしょうねえ。不器用だから、怖くてハサミなんて持たせられないって、妙子さん言ってたわねえ。同年代の子と比べると成長がのんびりしてるみたいで。小学校に入っても読み書きができなくて、担任の先生にお家での学習をしっかりしてくださいって言われていたそうよ。沙都子ちゃんはお仕事に出ていたから、妙子さんがお勉強を見ていて。女の子なんてませててお喋りな子が多いのに、うちの孫は喋らない、って妙子さん嘆いていたわねえ。だけど妙子さんよく面倒を見てらしたわよ。子育てで悩むことはたくさんあるけど、可愛いって」
「子育ては妙子さんに任せきりなんですか」
「平日はお仕事があるからねえ。でも土日は一緒に散歩したり遊んだりしてる姿をよく見かけたわよ。由依ちゃんはいつもにこにこしていてとても可愛いの。挨拶は欠かさないし。動物好きみたいだから、うちの子もよく撫でてもらったの。子供だと力の加減ができないから、強く撫でちゃって犬が怖がることもあったんだけど、由依ちゃんは優しい手つきでね、壊れ物を扱うように優しく撫でてくれたのよ。だからこの子も大好きで」
抱えているプードルの頭を撫でる。犬はくりくりの瞳で芙季子を見つめてくる。吠えられると取材は難しいから、人慣れしている犬で助かった。
「優しいお子さんなんですね」
「そうねえ。性格は沙都子ちゃんより、妙子さんに似てるかしら。穏やかでおっとりしていて。ぼんやりしているところは心配かもしれないけど、まだ高校生だしね」
「沙都子さんは穏やかな方ではないんですか」
「子供の頃は良い子だったのよ。近所の人への挨拶は率先するし、困っていたら手を貸してくれるような優しい子供だったわねえ。お礼を言って褒めると嬉しそうな顔をするのよ。でも小学校の高学年の頃から、だんだんきつくなっていったのよ。顔を合わせたらあからさまに目を背けるようになって、早い反抗期ねなんて話してたの。あ、そうそう、小学校の飼育係をしていた子に、臭いから近寄らないでって言って泣かせたこともあったわ。どんな大人になるのかしら、なんて勝手に心配してたんだけど。由依ちゃんが生まれて人が変わったようになって。やっぱり自分の子供は可愛いのね」
「外で叱っているところを見たことはないですか」
「ないない。むしろ逆ね。由依ちゃんが可愛くて仕方がないみたい」
「仲良し親子って感じですか」
「それは少し違うような」
おばさまは小首を傾げ、考える仕草をする。犬を撫でながら、ああと声を上げた。
「愛玩って感じかしら」
おばさまの答えに芙季子はぎょっとする。ペットを可愛がるときに使う言葉ではないか。
「例えが悪くて、ごめんなさいねえ。学がないもんだから」
おばさまは屈託なく笑った。
「愛情の注ぎ方が、ペットに向けているようってことですね」
「そうそう。凄いのよ。頭どころか全身可愛い可愛い、よしよしって。母親だけど孫を可愛がる感じって言ったほうがいいわね」
「たっぷり愛されて育ってらっしゃるんですね。正男さんや妙子さんもそうなんですか」
「沙都子ちゃんほどではないわねえ。少なくても外では。正男さんは職人さん相手には厳しかったけど、子供の頃の沙都子ちゃんを叱ってるところは見た事がなかったから、由依ちゃんに対しても同じじゃないかしらねえ」
「沙都子さんの元旦那さんは、この辺りの方なんですか」
「違うけど、近いみたいよ。沙都子ちゃんと高校生の頃からお付き合いしてたみたい」
「よく帰省されていたんですか」
「結婚してすぐの頃はお正月だけ来てらしたわね。車が停まっていたからわかるのよ」
「由依さんと遊んだり散歩したりされていたんですか」
「そういえば、旦那さんと由依ちゃんが一緒にいるところを見かけたことがないわね」
おばさまは記憶を探るように、上を向く。
「離婚によって由依さんが不安定になるようなことは、なかったのでしょうか」
「いつも笑顔だから、ないように見えたけど。本当のところはわからないわよね。表に出さないだけで、内に不安を秘めていたかもしれないしねえ」
「何か問題行動があったことはなかったですか。例えば町内や学校で」
「町内ではなかったと思うわ。学校ではわからないけれど。うちの孫と10歳も離れているから」
「そうなんですね」
「あら、やだ。お庭の話からずいぶん逸れちゃったわね。つまらない話に付き合わせちゃってごめんなさいねえ」
「いいえ」
「お庭のこと、私から口添えしてさしあげましょうか?」
「それには及びません。残念ですが、他の方を当たります」
「そう? 正男さんなら素敵なお庭を造ってくださるでしょうに。残念ねえ」
「お時間を取らせてしまってすみませんでした」
「いいえ。それじゃ失礼しますね。モカちゃん、お散歩行きましょうねえ」
御主人に話しかけられて嬉しいのか、プードルが甘えた声を上げて、短い尻尾を振った。
芙季子は頭を下げて、歩き出すおばさまを見送った。
どの家も都内の建売住宅が三軒ほど入りそうなぐらい敷地が広い。
山岸邸のように丁寧に庭を造っている家もあれば、廃墟かと思うほど伸び放題になっている家もあり、砂利で埋め尽くして草木どころか雑草一つない庭を保っている家もある。
佇む家や町内の雰囲気から、一帯の住人はおそらく年配者が多いだろう。情報通の住人に出会えるといいが。
最近は都内でなくても人同士の接点が減っている。山岸家の高校生の状況を知っている人はいるだろうか。
どの家から当たっていこうかと伺っていると、広い敷地を利用した二世帯住宅の真っ白い壁が視界に飛び込んできた。三世帯が一緒に住んでいる可能性があった。山岸由依と同年代の子供がいれば、情報を得られるかもしれない。
芙季子はピンときて、レコーダーをONにしてからインターホンを鳴らした。
「どちら様?」
いきなり目前の扉が開いて、芙季子は驚いた。
茶色のトイプードルを小脇に抱えた60歳前後のおばさまが出てきた。犬の散歩にでも行こうとしていたのか、犬にはリードが繋がっている。
「あの、恐れ入ります、山岸造園さんについてお伺いたいしたくて」
芙季子は週刊誌の記者とはあえて名乗らなかった。
「山岸さん? もうお辞めになってますよ」
「どうしてかご存じですか? お庭が素晴らしいなと思って」
「お庭すごいでしょう。正男さんのお父さんの代から造園されてて、あのお庭は宣伝代わりによく人に見せてたのよ。去年、正男さんが脚立から足を滑らして腕を怪我なさってねえ」
情報通でお喋りな住人に当たり、内心でガッツポーズを取る。
「後継者はおられないのですか。子供さんとかお孫さんは?」
「沙都子ちゃんっていう子供がいるんだけど、女の子だから。旦那さんがホームセンターに勤めてて、弟子入りして職人になってもらったらいいのに、なんて妙子さんと話してたんだけどねえ。何年か前に出戻ってきてね。性格の不一致とか言ってたらしいけど、実際のところはどうなのかしらねえ。孫も女の子一人で」
「男の子だったら後継ぎにというお話があったんですか」
「由依ちゃんが男の子だったとしても、させてないでしょうねえ。不器用だから、怖くてハサミなんて持たせられないって、妙子さん言ってたわねえ。同年代の子と比べると成長がのんびりしてるみたいで。小学校に入っても読み書きができなくて、担任の先生にお家での学習をしっかりしてくださいって言われていたそうよ。沙都子ちゃんはお仕事に出ていたから、妙子さんがお勉強を見ていて。女の子なんてませててお喋りな子が多いのに、うちの孫は喋らない、って妙子さん嘆いていたわねえ。だけど妙子さんよく面倒を見てらしたわよ。子育てで悩むことはたくさんあるけど、可愛いって」
「子育ては妙子さんに任せきりなんですか」
「平日はお仕事があるからねえ。でも土日は一緒に散歩したり遊んだりしてる姿をよく見かけたわよ。由依ちゃんはいつもにこにこしていてとても可愛いの。挨拶は欠かさないし。動物好きみたいだから、うちの子もよく撫でてもらったの。子供だと力の加減ができないから、強く撫でちゃって犬が怖がることもあったんだけど、由依ちゃんは優しい手つきでね、壊れ物を扱うように優しく撫でてくれたのよ。だからこの子も大好きで」
抱えているプードルの頭を撫でる。犬はくりくりの瞳で芙季子を見つめてくる。吠えられると取材は難しいから、人慣れしている犬で助かった。
「優しいお子さんなんですね」
「そうねえ。性格は沙都子ちゃんより、妙子さんに似てるかしら。穏やかでおっとりしていて。ぼんやりしているところは心配かもしれないけど、まだ高校生だしね」
「沙都子さんは穏やかな方ではないんですか」
「子供の頃は良い子だったのよ。近所の人への挨拶は率先するし、困っていたら手を貸してくれるような優しい子供だったわねえ。お礼を言って褒めると嬉しそうな顔をするのよ。でも小学校の高学年の頃から、だんだんきつくなっていったのよ。顔を合わせたらあからさまに目を背けるようになって、早い反抗期ねなんて話してたの。あ、そうそう、小学校の飼育係をしていた子に、臭いから近寄らないでって言って泣かせたこともあったわ。どんな大人になるのかしら、なんて勝手に心配してたんだけど。由依ちゃんが生まれて人が変わったようになって。やっぱり自分の子供は可愛いのね」
「外で叱っているところを見たことはないですか」
「ないない。むしろ逆ね。由依ちゃんが可愛くて仕方がないみたい」
「仲良し親子って感じですか」
「それは少し違うような」
おばさまは小首を傾げ、考える仕草をする。犬を撫でながら、ああと声を上げた。
「愛玩って感じかしら」
おばさまの答えに芙季子はぎょっとする。ペットを可愛がるときに使う言葉ではないか。
「例えが悪くて、ごめんなさいねえ。学がないもんだから」
おばさまは屈託なく笑った。
「愛情の注ぎ方が、ペットに向けているようってことですね」
「そうそう。凄いのよ。頭どころか全身可愛い可愛い、よしよしって。母親だけど孫を可愛がる感じって言ったほうがいいわね」
「たっぷり愛されて育ってらっしゃるんですね。正男さんや妙子さんもそうなんですか」
「沙都子ちゃんほどではないわねえ。少なくても外では。正男さんは職人さん相手には厳しかったけど、子供の頃の沙都子ちゃんを叱ってるところは見た事がなかったから、由依ちゃんに対しても同じじゃないかしらねえ」
「沙都子さんの元旦那さんは、この辺りの方なんですか」
「違うけど、近いみたいよ。沙都子ちゃんと高校生の頃からお付き合いしてたみたい」
「よく帰省されていたんですか」
「結婚してすぐの頃はお正月だけ来てらしたわね。車が停まっていたからわかるのよ」
「由依さんと遊んだり散歩したりされていたんですか」
「そういえば、旦那さんと由依ちゃんが一緒にいるところを見かけたことがないわね」
おばさまは記憶を探るように、上を向く。
「離婚によって由依さんが不安定になるようなことは、なかったのでしょうか」
「いつも笑顔だから、ないように見えたけど。本当のところはわからないわよね。表に出さないだけで、内に不安を秘めていたかもしれないしねえ」
「何か問題行動があったことはなかったですか。例えば町内や学校で」
「町内ではなかったと思うわ。学校ではわからないけれど。うちの孫と10歳も離れているから」
「そうなんですね」
「あら、やだ。お庭の話からずいぶん逸れちゃったわね。つまらない話に付き合わせちゃってごめんなさいねえ」
「いいえ」
「お庭のこと、私から口添えしてさしあげましょうか?」
「それには及びません。残念ですが、他の方を当たります」
「そう? 正男さんなら素敵なお庭を造ってくださるでしょうに。残念ねえ」
「お時間を取らせてしまってすみませんでした」
「いいえ。それじゃ失礼しますね。モカちゃん、お散歩行きましょうねえ」
御主人に話しかけられて嬉しいのか、プードルが甘えた声を上げて、短い尻尾を振った。
芙季子は頭を下げて、歩き出すおばさまを見送った。
12
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説
無限の迷路
葉羽
ミステリー
豪華なパーティーが開催された大邸宅で、一人の招待客が密室の中で死亡して発見される。部屋は内側から完全に施錠されており、窓も塞がれている。調査を進める中、次々と現れる証拠品や証言が事件をますます複雑にしていく。
時の呪縛
葉羽
ミステリー
山間の孤立した村にある古びた時計塔。かつてこの村は繁栄していたが、失踪事件が連続して発生したことで、村人たちは恐れを抱き、時計塔は放置されたままとなった。17歳の天才高校生・神藤葉羽は、友人に誘われてこの村を訪れることになる。そこで彼は、幼馴染の望月彩由美と共に、村の秘密に迫ることになる。
葉羽と彩由美は、失踪事件に関する不気味な噂を耳にし、時計塔に隠された真実を解明しようとする。しかし、時計塔の内部には、過去の記憶を呼び起こす仕掛けが待ち受けていた。彼らは、時間が歪み、過去の失踪者たちの幻影に直面する中で、次第に自らの心の奥底に潜む恐怖と向き合わせることになる。
果たして、彼らは村の呪いを解き明かし、失踪事件の真相に辿り着けるのか?そして、彼らの友情と恋心は試される。緊迫感あふれる謎解きと心理的恐怖が交錯する本格推理小説。
最終死発電車
真霜ナオ
ホラー
バイト帰りの大学生・清瀬蒼真は、いつものように終電へと乗り込む。
直後、車体に大きな衝撃が走り、車内の様子は一変していた。
外に出ようとした乗客の一人は身体が溶け出し、おぞましい化け物まで現れる。
生き残るためには、先頭車両を目指すしかないと知る。
「第6回ホラー・ミステリー小説大賞」奨励賞をいただきました!
パラダイス・ロスト
真波馨
ミステリー
架空都市K県でスーツケースに詰められた男の遺体が発見される。殺された男は、県警公安課のエスだった――K県警公安第三課に所属する公安警察官・新宮時也を主人公とした警察小説の第一作目。
※旧作『パラダイス・ロスト』を加筆修正した作品です。大幅な内容の変更はなく、一部設定が変更されています。旧作版は〈小説家になろう〉〈カクヨム〉にのみ掲載しています。
旧校舎のフーディーニ
澤田慎梧
ミステリー
【「死体の写った写真」から始まる、人の死なないミステリー】
時は1993年。神奈川県立「比企谷(ひきがやつ)高校」一年生の藤本は、担任教師からクラス内で起こった盗難事件の解決を命じられてしまう。
困り果てた彼が頼ったのは、知る人ぞ知る「名探偵」である、奇術部の真白部長だった。
けれども、奇術部部室を訪ねてみると、そこには美少女の死体が転がっていて――。
奇術師にして名探偵、真白部長が学校の些細な謎や心霊現象を鮮やかに解決。
「タネも仕掛けもございます」
★毎週月水金の12時くらいに更新予定
※本作品は連作短編です。出来るだけ話数通りにお読みいただけると幸いです。
※本作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。
※本作品の主な舞台は1993年(平成五年)ですが、当時の知識が無くてもお楽しみいただけます。
※本作品はカクヨム様にて連載していたものを加筆修正したものとなります。
後悔と快感の中で
なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私
快感に溺れてしまってる私
なつきの体験談かも知れないです
もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう
もっと後悔して
もっと溺れてしまうかも
※感想を聞かせてもらえたらうれしいです
【R15】アリア・ルージュの妄信
皐月うしこ
ミステリー
その日、白濁の中で少女は死んだ。
異質な匂いに包まれて、全身を粘着質な白い液体に覆われて、乱れた着衣が物語る悲惨な光景を何と表現すればいいのだろう。世界は日常に溢れている。何気ない会話、変わらない秒針、規則正しく進む人波。それでもここに、雲が形を変えるように、ガラスが粉々に砕けるように、一輪の花が小さな種を産んだ。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる