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50.幽世での再会
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「くれぐれも、幽世の食べ物と、念のため飲み物も口しない事。いいね」
「大丈夫」
「僕が目を光らせておきます」
幽世の物を食べないこと。所長に何度も確認されたから、耳にタコ。
それだけ幽世には危険がいっぱいという事なんだなと、夏樹はウキウキ8割、残りの2割で気を引き締めた。
「カマ吉は妖やから、食べていいからな」
肩に乗っているカマ吉に話しかけると、
「夏のあんちゃんが食べられへんなら、ワシも食べへんで」
カマ吉がかわいいことを言った。
花子が宿泊していた、ならまちにある妖専門の旅館の一室に、幽世に向かうゲートがあるのだと聞かされた。
日和坊の時は大きかったので、このゲートは使えなかったが、人サイズの妖たちは必要に応じて使っているらしい。
所長からの忠告がすんでから、なんの変哲もない戸を潜ると、そこは幽世だった。
「って、こっちも部屋かい!」
一歩踏み出せば、どんな世界が広がっているのだろうと、ウキウキワクワクソワソワしていたのに、そこは何も変わらない和風宿の一室。
「本当にここは幽世ですか?」
後から潜った冬樺も、戸惑いながら室内を見渡している。
「現世の宿と、幽世の宿を繋いでいるからね。一見変わらないように見えても、ここは間違いなく幽世だよ」
ゲートを潜った時の違和感はまったくなくて、ただ敷居をまたいだけ。踏まないようにしろと言われたので、大きな一歩を踏み出した。のに、同じ景色にちょっとだけ残念な気持ちになった。
けれど部屋を出て宿の廊下を歩いていると、実感した。ここは異世界だった。
首の長い女性の仲居がいたり、吊り下げられている提灯に顔があったり、白装束のザ幽霊のようなお客が案内されてきたり。
物珍しくて、夏樹とカマ吉がきょろきょろしながら歩いていると、「恥ずかしいのでやめてください」と冬樺に叱られた。
宿の外に出ると、時代も国も越えた街が広がっていた。
中華街にありそうな朱塗りの建物の向かいに、和風の建物が並んでいて、奥にはインドにありそうな、玉ねぎのような丸いものが乗った宮殿が見えて。
道行く人々は、人もいるし、異形もいる。
着物を着たカエルと談笑しているのは、時代劇に出てくる町娘のような若い女性。
ふわふわ飛んでいた生首と、しゅるしゅる飛んでいた蛇のように動く着物の帯が衝突しそうになり、帯が生首に巻き付いて絞め始めた。ケンカだろうか。どこかから三本足のカラスがやってきて、間に入っている。
個性豊かな見た目なのに、どこか人間臭くて、人も妖怪も案外本質は似ているのかなと思っていると、
「こっちだよ。迷子になるなよ」
所長が角を曲がっていた。
辿り着いたのは、卵を縦に置いたような、楕円形の建物。メタリックシルバーな色合いは、宇宙っぽかった。
「いらっしゃいませ。当店はワンドリンク制、あ、人間の御一行さまですね。人間からは頂いていませんので、そのままどうぞ。あら? 妖が一匹。一人分だけドリンク代をお願いします。他の方はチケットだけ拝見しまあす」
受付にいた一つ目の女の子に、所長がチケットを人数分見せて、カマ吉の分のドリンク代を支払って、ドリンクコインを受け取った。
防音扉を開けると、さまざまな妖が思い思いの場所で立っていたり、席に着いていたり。
その先には幕のかかっていないステージがあり、妖たちは開演時間を待っていた。
ステージの背面には、今日出演するアーティストの垂れ幕がかかっていた。
今日幽世にやってきたのは、ライブに招待されたからだった。
出演者は天狗の揚羽。
ジャージ姿で飼い猫の琥珀を探していたあの揚羽が、実は幽世でトップの歌姫だったと聞いた。
見た目は20代前半の麗しい女性で、声もとてもきれいだから、驚きはしたけど納得もした。
今日はファン倶楽部イベントだということで、揚羽お気に入りの小箱でライブをする。チケットの争奪戦に勝った運の強い猛者だけが、今日は集っている。
バーカウンターの隣では、揚羽のグッズが販売されていた。
どれどれとお祭り気分で見に行った夏樹は、
「どええええ!!!!」
驚きのあまり大声を発した。思ってもいない人物が、売り場にいたから。
「なんですか? 突然‥‥‥これは、驚きました」
咎める口調から一転、冬樺も心底驚いた声を出した。
「幽霊や。牛のあんちゃんの、幽霊や」
売り場にいたのは、川男とともに消滅したはずの、牛鬼こと牛尾大地だった。
「大地‥‥‥嘘やろ。また会えるやなんて」
「夏樹? 夏樹やないか。おまえどないしてん。ついに死んだんか?」
大地は生前と変わらない。へらへらと軽い笑みを浮かべている。
「死んでへん。ぴんぴん生きとるわ。大地は、幽世にきてたんや」
「幽世に冥府があってな、裁判にかけられて地獄行きになりそうやってんけど、ある神様が助けてくれてな」
「神様が? なんで?」
「樋口萌奈さんの実家が代々信仰してる神様でな。氏子を助けてくれたからって掛け合ってくれて、幽世で生活できることになったんや」
「そうやったんか。良かったな」
「俺悪いことばっかりしとったからな、地獄行きは覚悟してたんけど、最後に良い事したからって情かけてくれはったんや。で、揚羽さまの歌に惚れて、物販の手伝いさせてもらってんねん」
「そんで、売り子。揚羽さまの歌って、そんなにすごいの?」
「惚れるで」
にやりと大地が笑った。
「すみません。全部一種類ずつください」
「ありがとうございます」
もう一人の売り子に声をかけた女性は、上機嫌でニコニコ、いやニマニマしていた。
「あ、朱果さんや」
彼女の顔には、見覚えがあった。
花子の担当をしている、と事務所に挨拶に来た、鬼の朱果だった。
「あなた方は、よろず相談所の方々」
朱果は顔を朱くして、おろおろしだした。
「まさか、顔見知りに会うなんて」と小さく呟いている。
「グッズ、袋に入れるの時間かかりますんで、そこの席で待っといてください」
大地に促されて、朱果と空いていた席に着いた。
「その後花子さまは、いかがお過ごしですか?」
所長が訊ねる。
朱果は仕事の顔になった。
「花子さまは、いいお家が見つかったので、引っ越されました。生駒で清掃会社を立ち上げたシングルマザーです。信仰心の篤い方で、とても一所懸命に物事に取り組まれる方です。花子さまは、娘の咲里さまとも仲良くなられて、楽しい毎日をお過ごしになっておられます」
「それは良かったです。気にかかっておりましたので」
「もう二度と、あのような事態にならないよう、花子さまのケアを続けて参ります」
「朱果さんは、仕事熱心ですね。何かお困り事がございましたら、いつでも我々にご相談ください」
所長がさらっと営業スマイルを向けると、朱果はさあっと耳まで朱くなった。
「すみません。お待たせしました」
大地が袋を持って席に来ると、朱果さんは袋を奪うようにして、開放中の扉の向こうに姿を消した。
「公演前に買って、邪魔ちゃうんかな」
「あっちにロッカーあるねん。しまっとくんや」
「ああ、なるほど」
夏樹の疑問は、大地によってあっさりと解決した。
しばらく経ってフロアに戻ってきた朱果さんは、着物の上に法被を羽織り、手にサイリウムを持って現れた。
途中で知り合いと合流したのか、すらりと背の高いウサギ耳の女性と一緒だった。
「あれ、縁貴さまや!」
せっかくだからと交換したドリンクを、ストローを使ってちゅるると飲んでいたカマ吉は、ウサギ耳の女性を知っているらしい。
「縁貴さまって、兎の湯温泉 月華の支配人の方ですか」
冬樺に言われて、うんうんと頷く。
「縁貴さまも揚羽さまのファンやったんや」
二人はステージの一番前でスタンバイしていた。
やがて、次々に人がやってきて、スタンディングエリアはいっぱいになった。
勝手のわからない夏樹たちは、そのまま座っていた。
やがて、会場の照明が消え、音楽が流れる。
客たちはノリノリで、手拍子を打っている。
ステージの照明がつき、音楽の途中で揚羽が現れた。
揚羽蝶を思わせる、極彩色のロングドレスに身を包み、ゆっくりと歩いてくる。
ステージの中央で、両腕をばっと広げる。本物の蝶のようだ。
音楽が止まると、声援を送っていた客の声も止まった。
歌姫agehaのステージが、幕を開けた。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。これにて完結です。
感想をいただけますと、作者は飛び上がって喜びます。
推しを教えてもらえるだけでも嬉しいので、お気軽にどうぞ。
よろしくお願いいたします
衿乃 光希
「大丈夫」
「僕が目を光らせておきます」
幽世の物を食べないこと。所長に何度も確認されたから、耳にタコ。
それだけ幽世には危険がいっぱいという事なんだなと、夏樹はウキウキ8割、残りの2割で気を引き締めた。
「カマ吉は妖やから、食べていいからな」
肩に乗っているカマ吉に話しかけると、
「夏のあんちゃんが食べられへんなら、ワシも食べへんで」
カマ吉がかわいいことを言った。
花子が宿泊していた、ならまちにある妖専門の旅館の一室に、幽世に向かうゲートがあるのだと聞かされた。
日和坊の時は大きかったので、このゲートは使えなかったが、人サイズの妖たちは必要に応じて使っているらしい。
所長からの忠告がすんでから、なんの変哲もない戸を潜ると、そこは幽世だった。
「って、こっちも部屋かい!」
一歩踏み出せば、どんな世界が広がっているのだろうと、ウキウキワクワクソワソワしていたのに、そこは何も変わらない和風宿の一室。
「本当にここは幽世ですか?」
後から潜った冬樺も、戸惑いながら室内を見渡している。
「現世の宿と、幽世の宿を繋いでいるからね。一見変わらないように見えても、ここは間違いなく幽世だよ」
ゲートを潜った時の違和感はまったくなくて、ただ敷居をまたいだけ。踏まないようにしろと言われたので、大きな一歩を踏み出した。のに、同じ景色にちょっとだけ残念な気持ちになった。
けれど部屋を出て宿の廊下を歩いていると、実感した。ここは異世界だった。
首の長い女性の仲居がいたり、吊り下げられている提灯に顔があったり、白装束のザ幽霊のようなお客が案内されてきたり。
物珍しくて、夏樹とカマ吉がきょろきょろしながら歩いていると、「恥ずかしいのでやめてください」と冬樺に叱られた。
宿の外に出ると、時代も国も越えた街が広がっていた。
中華街にありそうな朱塗りの建物の向かいに、和風の建物が並んでいて、奥にはインドにありそうな、玉ねぎのような丸いものが乗った宮殿が見えて。
道行く人々は、人もいるし、異形もいる。
着物を着たカエルと談笑しているのは、時代劇に出てくる町娘のような若い女性。
ふわふわ飛んでいた生首と、しゅるしゅる飛んでいた蛇のように動く着物の帯が衝突しそうになり、帯が生首に巻き付いて絞め始めた。ケンカだろうか。どこかから三本足のカラスがやってきて、間に入っている。
個性豊かな見た目なのに、どこか人間臭くて、人も妖怪も案外本質は似ているのかなと思っていると、
「こっちだよ。迷子になるなよ」
所長が角を曲がっていた。
辿り着いたのは、卵を縦に置いたような、楕円形の建物。メタリックシルバーな色合いは、宇宙っぽかった。
「いらっしゃいませ。当店はワンドリンク制、あ、人間の御一行さまですね。人間からは頂いていませんので、そのままどうぞ。あら? 妖が一匹。一人分だけドリンク代をお願いします。他の方はチケットだけ拝見しまあす」
受付にいた一つ目の女の子に、所長がチケットを人数分見せて、カマ吉の分のドリンク代を支払って、ドリンクコインを受け取った。
防音扉を開けると、さまざまな妖が思い思いの場所で立っていたり、席に着いていたり。
その先には幕のかかっていないステージがあり、妖たちは開演時間を待っていた。
ステージの背面には、今日出演するアーティストの垂れ幕がかかっていた。
今日幽世にやってきたのは、ライブに招待されたからだった。
出演者は天狗の揚羽。
ジャージ姿で飼い猫の琥珀を探していたあの揚羽が、実は幽世でトップの歌姫だったと聞いた。
見た目は20代前半の麗しい女性で、声もとてもきれいだから、驚きはしたけど納得もした。
今日はファン倶楽部イベントだということで、揚羽お気に入りの小箱でライブをする。チケットの争奪戦に勝った運の強い猛者だけが、今日は集っている。
バーカウンターの隣では、揚羽のグッズが販売されていた。
どれどれとお祭り気分で見に行った夏樹は、
「どええええ!!!!」
驚きのあまり大声を発した。思ってもいない人物が、売り場にいたから。
「なんですか? 突然‥‥‥これは、驚きました」
咎める口調から一転、冬樺も心底驚いた声を出した。
「幽霊や。牛のあんちゃんの、幽霊や」
売り場にいたのは、川男とともに消滅したはずの、牛鬼こと牛尾大地だった。
「大地‥‥‥嘘やろ。また会えるやなんて」
「夏樹? 夏樹やないか。おまえどないしてん。ついに死んだんか?」
大地は生前と変わらない。へらへらと軽い笑みを浮かべている。
「死んでへん。ぴんぴん生きとるわ。大地は、幽世にきてたんや」
「幽世に冥府があってな、裁判にかけられて地獄行きになりそうやってんけど、ある神様が助けてくれてな」
「神様が? なんで?」
「樋口萌奈さんの実家が代々信仰してる神様でな。氏子を助けてくれたからって掛け合ってくれて、幽世で生活できることになったんや」
「そうやったんか。良かったな」
「俺悪いことばっかりしとったからな、地獄行きは覚悟してたんけど、最後に良い事したからって情かけてくれはったんや。で、揚羽さまの歌に惚れて、物販の手伝いさせてもらってんねん」
「そんで、売り子。揚羽さまの歌って、そんなにすごいの?」
「惚れるで」
にやりと大地が笑った。
「すみません。全部一種類ずつください」
「ありがとうございます」
もう一人の売り子に声をかけた女性は、上機嫌でニコニコ、いやニマニマしていた。
「あ、朱果さんや」
彼女の顔には、見覚えがあった。
花子の担当をしている、と事務所に挨拶に来た、鬼の朱果だった。
「あなた方は、よろず相談所の方々」
朱果は顔を朱くして、おろおろしだした。
「まさか、顔見知りに会うなんて」と小さく呟いている。
「グッズ、袋に入れるの時間かかりますんで、そこの席で待っといてください」
大地に促されて、朱果と空いていた席に着いた。
「その後花子さまは、いかがお過ごしですか?」
所長が訊ねる。
朱果は仕事の顔になった。
「花子さまは、いいお家が見つかったので、引っ越されました。生駒で清掃会社を立ち上げたシングルマザーです。信仰心の篤い方で、とても一所懸命に物事に取り組まれる方です。花子さまは、娘の咲里さまとも仲良くなられて、楽しい毎日をお過ごしになっておられます」
「それは良かったです。気にかかっておりましたので」
「もう二度と、あのような事態にならないよう、花子さまのケアを続けて参ります」
「朱果さんは、仕事熱心ですね。何かお困り事がございましたら、いつでも我々にご相談ください」
所長がさらっと営業スマイルを向けると、朱果はさあっと耳まで朱くなった。
「すみません。お待たせしました」
大地が袋を持って席に来ると、朱果さんは袋を奪うようにして、開放中の扉の向こうに姿を消した。
「公演前に買って、邪魔ちゃうんかな」
「あっちにロッカーあるねん。しまっとくんや」
「ああ、なるほど」
夏樹の疑問は、大地によってあっさりと解決した。
しばらく経ってフロアに戻ってきた朱果さんは、着物の上に法被を羽織り、手にサイリウムを持って現れた。
途中で知り合いと合流したのか、すらりと背の高いウサギ耳の女性と一緒だった。
「あれ、縁貴さまや!」
せっかくだからと交換したドリンクを、ストローを使ってちゅるると飲んでいたカマ吉は、ウサギ耳の女性を知っているらしい。
「縁貴さまって、兎の湯温泉 月華の支配人の方ですか」
冬樺に言われて、うんうんと頷く。
「縁貴さまも揚羽さまのファンやったんや」
二人はステージの一番前でスタンバイしていた。
やがて、次々に人がやってきて、スタンディングエリアはいっぱいになった。
勝手のわからない夏樹たちは、そのまま座っていた。
やがて、会場の照明が消え、音楽が流れる。
客たちはノリノリで、手拍子を打っている。
ステージの照明がつき、音楽の途中で揚羽が現れた。
揚羽蝶を思わせる、極彩色のロングドレスに身を包み、ゆっくりと歩いてくる。
ステージの中央で、両腕をばっと広げる。本物の蝶のようだ。
音楽が止まると、声援を送っていた客の声も止まった。
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衿乃 光希
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