34 / 51
34. 日和坊
しおりを挟む
翌、日曜の夜は、墨田区にいるという送り拍子木に会った。
拍子木というのは、柱状の短い木を打ち合わせて、音を鳴らすものだ。
火の用心 カンカン マッチ一本火事の元 カンカン
のカンカン部分を担っているあれ。
夏樹が小さく歌いながら歩いていると、音が後を追ってきた。特に何をするでもなく、ただ後をついてきて、拍子を合わせるだけだった。
話しかけると、黒い影が体を揺すってカンカンと音を鳴らす。
夏樹がお願いをして、差し出した謝礼を受け取って消えた。
たぶんわかってくれたと思う。
これで、夏樹が担当分の妖へのお願いは全員済んだ。
けれど、最も重要な仕事が残っていた。日和坊の捜索がまだ残っている。
今日合流する予定だった冬樺は、行けないと連絡があった。京都で雨の小坊主に会えなかったらしい。今晩も会えなかったら、日にちが伸びる。
新月も迫っているから、冬樺は木曜には事務所に戻ることになっている。
こっちに来れない可能性もありそうだった。
月曜日から木曜日まで、山室は仕事があり、夏樹はひとりで捜索を始めることになっていたのだが、心強い味方がやってきた。
「あなたが、よろず事務所の岩倉夏樹くんだね。この度は息子がお世話になって」
山室の母親こと、山女の妖だった。
夏樹よりも背が高く、モデルのようなスタイルをしていた。
「深い山って言ったって、人が入れない奥地は除外していいんだよ。行けない所で目撃なんてできないんだからさ。あと伝承のイラストは岩っぽくない? だったら岩が見える山を中心に登ろう」
主導権を握ってくれた山室母に、夏樹はついていった。
火曜日に冬樺がやってきたが、山女のペースに冬樺ではついてこられないと判断した夏樹は、情報収集を任せることにした。
そして木曜日、奥久慈男体山で、日和坊と会えた。
切り立った岩肌に、仏様のような穏やかな顔のてるてる坊主が立っていた。
陽の光を燦燦と浴び、気持ち良さそうにしている。
「日和坊さんですか」
声を張って夏樹が呼びかけると、
「そうだよお」
間延びした返事があった。
「二日後、奈良を晴れにしたいんで、来て欲しいんやけど、どうですか?」
「奈良ぁ? いいよお。行ったことないけどお、どこでも行くよう」
壁から離れて、ゆっくりと近づいてきてくれた。
「行動、めっちゃ遅ない? 早く動かれへん?」
「オイラ、早く動くと、迷惑かけちゃうからぁ。ゆっくりしか動かないよお」
「歩くのも、めっちゃ遅い?」
「ゆっくり行くねぇ」
「あかん、間に合わんわ」
日和坊はかなり大きい。奈良の大仏を軽く越えて、タワマンぐらいはありそうだ。一歩は大きそうだから、早く歩いてもらえれば一日とかで着きそうだけど。速度が、遅すぎる。
「小さくなられへんのかな?」
「小さく? わからないよぉ」
小さくなれないと判断した方が良さそうだった。
幸い、スマホの電波が届く場所だった。夏樹は所長に電話をかけた。
「大きいもんを小さくする道具ないの?」
「あるか。そんな便利アイテム。こっちで方法を考える。少し待っていろ」
待つこと一時間。日和坊は、動いているけれど、ほんの少しだけこっちに近づいただけだった。
「幽世経由で、奈良に連れて来られるようになった。特例中の特例だぞ。ったく。入口は日和坊の近くに出る。ゲートをくぐって、幽世に入ってからは、案内人に従って歩いてもらえ。出口は春日山原始林だ。スムーズに進めば土曜の朝には奈良に来れると思う」
所長から伝えられたことを日和坊に伝えると、
「うん。わかったよお」
とのんびりした返事があった。
心配ではあったけど、幽世の案内人が動いてくれるなら、任せるしかない。
夏樹と山室母は山を下りた。
山室父母は明日、奈良に入って観光をするらしい。
下山しながら、座敷童子との観光話を聞かせた。
西金駅で山室母と別れ、鹿島神宮に向かった。世話になったお礼を伝えて、夜、夏樹は奈良に戻った。
金曜日は休みをもらい、寝まくって体力を回復した翌土曜日、午後からいよいよ結婚パーティ開始となる。
*
「曇ってるなあ」
ならまちを練り歩きながら、夏樹は空を見上げる。
奈良市は一日中くもりの予報。
山室は快晴にしたいと願っていたが、今のところ願いは届いていない。
日和坊は、まだ幽世にいるらしい。
「もっと早く会えてたらなあ」
日和坊と会えたのが遅かった。もっと早く出会えていたら、ぎりぎりにならずにすんだかもしれないのに。
夏樹が悔しいなと思っていると、
「会えただけでもすごいと思いますよ」
妖姿の冬樺から、慰めの言葉がかけられた。
「昨日に入れてたら良かったのになあ」
奈良は昨日も雨だった。ガーデンウェディングとはいえ、元はレストランだったから、室内での準備も進めているらしい。だから雨になったとしても、式は挙げられる。
「山室さん、めっちゃ頑張ってたのになあ」
山室は仕事をしながら毎日気象神社に参拝し、式の準備も進め、手形傘と対決してケガまでした。
頑張ればすべてが報われる、わけではないことは、ポジティブな夏樹にもわかっている。
だけど、報われて欲しいのが心情だった。
「間に合いますよ。日和坊さんも頑張ってくれています。案内人の方も、急かしてくれていると聞きました。きっと晴れます」
珍しく冬樺が熱い。
冬樺も頑張っていた。奈良県の中部にまで行った。妖にも会っている。日和坊は奥久慈男体山にいるのでは予想して、当たった。
そもそも、最初からやる気に満ちていた。冬樺も晴れて欲しいと願っている。
「そやな」
夏樹も諦めてはいない。晴れると信じて、妖が入ってきていないか目を光らせた。
「匂いますね」
匂い担当の冬樺が、鼻をひくつかせた。
「京都からこちらに向かってきています。おそらく電車ですね。妖が乗っています」
「まじか。雨に関係してない妖なら、問題ないけど」
「あるかもしれません。雨を連れてきています」
「マジか」
まだここには雨は降っていない。だけど、冬樺が言うなら、県境辺りで雨が降っているのかもしれない。
「西大寺駅に行こうか」
奈良に入る鉄道は、JRと近鉄しか路線がない。
京都から来ているなら、間違いなく近鉄電車だ。
近鉄奈良駅から西大寺駅に向かう車内で、夏樹は天気の情報を調べた。
京都で降っていた雨は上がり、現在三山木駅の辺りで雨が降っている。
京都から奈良に向かう特急電車は、現在新祝園駅付近を走行中。
西大寺駅から五駅目が新祝園駅、八駅目が三山木駅。
雨に関する妖は、確実に奈良に向かっているようだ。
西大寺駅に到着した夏樹と冬樺は、難波線のホームから奈良線のホームに向かい、奈良行きが到着するのを待った。
特急電車が入ってくる。奈良駅に特急は行かないため、西大寺駅で乗り換えないといけない。
ドアが開いて、人が降りてくる。冬樺の鼻を頼りに妖の姿を探すと、
「あれですね」
降りたホームで案内板を見上げている、大柄の男がひとりいた。
トレーナーのフードを被った上に、さらにキャップ帽を被り、マスクで口元を覆っている。
上下ともに服がぱつぱつで、筋肉部分が盛り上がっている。ひとめで筋骨隆々な体だとわかった。
「あいつ、手形傘や」
新月といえど、妖力がゼロになるわけではない。霊力が減っている夏樹でも、相手の妖力は視える。
「山室さんが、あいつは用心しろって言ってた」
「交渉はしたんですよね」
「勝負に勝ったら言う事きいたるって約束で、オレらが勝った。土産と謝礼金持って行った。でもわざと負けたんちゃうかって山室さんが」
「約束を破ったんですね」
「元から守るつもりなかったんかも」
「追い返しましょう」
その時、風がぶわっと吹き、突然大雨が降り始めた。
「最悪や」
夏樹は怒りを抑えられなくなった。
乗り換えの電車に乗ろうとしていた男が、振り返った。
目が合う。
一瞬、目を見開いた男の目が、笑みの形に動いた。
「手形傘!」
大声を張り上げると同時に、足に霊力を溜めた。瞬時に詰め寄り、腕を掴む。
「乗るな。帰れ」
低い声で告げる。
力を加えていき、電車から引き離した。
拍子木というのは、柱状の短い木を打ち合わせて、音を鳴らすものだ。
火の用心 カンカン マッチ一本火事の元 カンカン
のカンカン部分を担っているあれ。
夏樹が小さく歌いながら歩いていると、音が後を追ってきた。特に何をするでもなく、ただ後をついてきて、拍子を合わせるだけだった。
話しかけると、黒い影が体を揺すってカンカンと音を鳴らす。
夏樹がお願いをして、差し出した謝礼を受け取って消えた。
たぶんわかってくれたと思う。
これで、夏樹が担当分の妖へのお願いは全員済んだ。
けれど、最も重要な仕事が残っていた。日和坊の捜索がまだ残っている。
今日合流する予定だった冬樺は、行けないと連絡があった。京都で雨の小坊主に会えなかったらしい。今晩も会えなかったら、日にちが伸びる。
新月も迫っているから、冬樺は木曜には事務所に戻ることになっている。
こっちに来れない可能性もありそうだった。
月曜日から木曜日まで、山室は仕事があり、夏樹はひとりで捜索を始めることになっていたのだが、心強い味方がやってきた。
「あなたが、よろず事務所の岩倉夏樹くんだね。この度は息子がお世話になって」
山室の母親こと、山女の妖だった。
夏樹よりも背が高く、モデルのようなスタイルをしていた。
「深い山って言ったって、人が入れない奥地は除外していいんだよ。行けない所で目撃なんてできないんだからさ。あと伝承のイラストは岩っぽくない? だったら岩が見える山を中心に登ろう」
主導権を握ってくれた山室母に、夏樹はついていった。
火曜日に冬樺がやってきたが、山女のペースに冬樺ではついてこられないと判断した夏樹は、情報収集を任せることにした。
そして木曜日、奥久慈男体山で、日和坊と会えた。
切り立った岩肌に、仏様のような穏やかな顔のてるてる坊主が立っていた。
陽の光を燦燦と浴び、気持ち良さそうにしている。
「日和坊さんですか」
声を張って夏樹が呼びかけると、
「そうだよお」
間延びした返事があった。
「二日後、奈良を晴れにしたいんで、来て欲しいんやけど、どうですか?」
「奈良ぁ? いいよお。行ったことないけどお、どこでも行くよう」
壁から離れて、ゆっくりと近づいてきてくれた。
「行動、めっちゃ遅ない? 早く動かれへん?」
「オイラ、早く動くと、迷惑かけちゃうからぁ。ゆっくりしか動かないよお」
「歩くのも、めっちゃ遅い?」
「ゆっくり行くねぇ」
「あかん、間に合わんわ」
日和坊はかなり大きい。奈良の大仏を軽く越えて、タワマンぐらいはありそうだ。一歩は大きそうだから、早く歩いてもらえれば一日とかで着きそうだけど。速度が、遅すぎる。
「小さくなられへんのかな?」
「小さく? わからないよぉ」
小さくなれないと判断した方が良さそうだった。
幸い、スマホの電波が届く場所だった。夏樹は所長に電話をかけた。
「大きいもんを小さくする道具ないの?」
「あるか。そんな便利アイテム。こっちで方法を考える。少し待っていろ」
待つこと一時間。日和坊は、動いているけれど、ほんの少しだけこっちに近づいただけだった。
「幽世経由で、奈良に連れて来られるようになった。特例中の特例だぞ。ったく。入口は日和坊の近くに出る。ゲートをくぐって、幽世に入ってからは、案内人に従って歩いてもらえ。出口は春日山原始林だ。スムーズに進めば土曜の朝には奈良に来れると思う」
所長から伝えられたことを日和坊に伝えると、
「うん。わかったよお」
とのんびりした返事があった。
心配ではあったけど、幽世の案内人が動いてくれるなら、任せるしかない。
夏樹と山室母は山を下りた。
山室父母は明日、奈良に入って観光をするらしい。
下山しながら、座敷童子との観光話を聞かせた。
西金駅で山室母と別れ、鹿島神宮に向かった。世話になったお礼を伝えて、夜、夏樹は奈良に戻った。
金曜日は休みをもらい、寝まくって体力を回復した翌土曜日、午後からいよいよ結婚パーティ開始となる。
*
「曇ってるなあ」
ならまちを練り歩きながら、夏樹は空を見上げる。
奈良市は一日中くもりの予報。
山室は快晴にしたいと願っていたが、今のところ願いは届いていない。
日和坊は、まだ幽世にいるらしい。
「もっと早く会えてたらなあ」
日和坊と会えたのが遅かった。もっと早く出会えていたら、ぎりぎりにならずにすんだかもしれないのに。
夏樹が悔しいなと思っていると、
「会えただけでもすごいと思いますよ」
妖姿の冬樺から、慰めの言葉がかけられた。
「昨日に入れてたら良かったのになあ」
奈良は昨日も雨だった。ガーデンウェディングとはいえ、元はレストランだったから、室内での準備も進めているらしい。だから雨になったとしても、式は挙げられる。
「山室さん、めっちゃ頑張ってたのになあ」
山室は仕事をしながら毎日気象神社に参拝し、式の準備も進め、手形傘と対決してケガまでした。
頑張ればすべてが報われる、わけではないことは、ポジティブな夏樹にもわかっている。
だけど、報われて欲しいのが心情だった。
「間に合いますよ。日和坊さんも頑張ってくれています。案内人の方も、急かしてくれていると聞きました。きっと晴れます」
珍しく冬樺が熱い。
冬樺も頑張っていた。奈良県の中部にまで行った。妖にも会っている。日和坊は奥久慈男体山にいるのでは予想して、当たった。
そもそも、最初からやる気に満ちていた。冬樺も晴れて欲しいと願っている。
「そやな」
夏樹も諦めてはいない。晴れると信じて、妖が入ってきていないか目を光らせた。
「匂いますね」
匂い担当の冬樺が、鼻をひくつかせた。
「京都からこちらに向かってきています。おそらく電車ですね。妖が乗っています」
「まじか。雨に関係してない妖なら、問題ないけど」
「あるかもしれません。雨を連れてきています」
「マジか」
まだここには雨は降っていない。だけど、冬樺が言うなら、県境辺りで雨が降っているのかもしれない。
「西大寺駅に行こうか」
奈良に入る鉄道は、JRと近鉄しか路線がない。
京都から来ているなら、間違いなく近鉄電車だ。
近鉄奈良駅から西大寺駅に向かう車内で、夏樹は天気の情報を調べた。
京都で降っていた雨は上がり、現在三山木駅の辺りで雨が降っている。
京都から奈良に向かう特急電車は、現在新祝園駅付近を走行中。
西大寺駅から五駅目が新祝園駅、八駅目が三山木駅。
雨に関する妖は、確実に奈良に向かっているようだ。
西大寺駅に到着した夏樹と冬樺は、難波線のホームから奈良線のホームに向かい、奈良行きが到着するのを待った。
特急電車が入ってくる。奈良駅に特急は行かないため、西大寺駅で乗り換えないといけない。
ドアが開いて、人が降りてくる。冬樺の鼻を頼りに妖の姿を探すと、
「あれですね」
降りたホームで案内板を見上げている、大柄の男がひとりいた。
トレーナーのフードを被った上に、さらにキャップ帽を被り、マスクで口元を覆っている。
上下ともに服がぱつぱつで、筋肉部分が盛り上がっている。ひとめで筋骨隆々な体だとわかった。
「あいつ、手形傘や」
新月といえど、妖力がゼロになるわけではない。霊力が減っている夏樹でも、相手の妖力は視える。
「山室さんが、あいつは用心しろって言ってた」
「交渉はしたんですよね」
「勝負に勝ったら言う事きいたるって約束で、オレらが勝った。土産と謝礼金持って行った。でもわざと負けたんちゃうかって山室さんが」
「約束を破ったんですね」
「元から守るつもりなかったんかも」
「追い返しましょう」
その時、風がぶわっと吹き、突然大雨が降り始めた。
「最悪や」
夏樹は怒りを抑えられなくなった。
乗り換えの電車に乗ろうとしていた男が、振り返った。
目が合う。
一瞬、目を見開いた男の目が、笑みの形に動いた。
「手形傘!」
大声を張り上げると同時に、足に霊力を溜めた。瞬時に詰め寄り、腕を掴む。
「乗るな。帰れ」
低い声で告げる。
力を加えていき、電車から引き離した。
1
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あやかし警察おとり捜査課
紫音
キャラ文芸
※第7回キャラ文芸大賞にて奨励賞を受賞しました。応援してくださった皆様、ありがとうございました。
【あらすじ】
二十三歳にして童顔・低身長で小中学生に見間違われる青年・栗丘みつきは、出世の見込みのない落ちこぼれ警察官。
しかしその小さな身に秘められた身体能力と、この世ならざるもの(=あやかし)を認知する霊視能力を買われた彼は、あやかし退治を主とする部署・特例災害対策室に任命され、あやかしを誘き寄せるための囮捜査に挑む。
反りが合わない年下エリートの相棒と、狐面を被った怪しい上司と共に繰り広げる退魔ファンタジー。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
おにぎり屋さんの裏稼業 〜お祓い請け賜わります〜
瀬崎由美
キャラ文芸
高校2年生の八神美琴は、幼い頃に両親を亡くしてからは祖母の真知子と、親戚のツバキと一緒に暮らしている。
大学通りにある屋敷の片隅で営んでいるオニギリ屋さん『おにひめ』は、気まぐれの営業ながらも学生達に人気のお店だ。でも、真知子の本業は人ならざるものを対処するお祓い屋。霊やあやかしにまつわる相談に訪れて来る人が後を絶たない。
そんなある日、祓いの仕事から戻って来た真知子が家の中で倒れてしまう。加齢による力の限界を感じた祖母から、美琴は祓いの力の継承を受ける。と、美琴はこれまで視えなかったモノが視えるようになり……。
第8回キャラ文芸大賞にて奨励賞をいただきました。



ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる