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初めての建てた家
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二十一歳の時、キャンデーはナンパをした。
「へい、彼女。俺とキャンデー舐めない?」
古臭い口説き文句だが、彼はお茶をキャンデーに変えたことで、オリジナリティーがあると思っていた。もうこうなったら幼き頃の、面影はどこにもない。
もちろんナンパが成功するはずもなく、途方に暮れる事一年。彼はその日暮らしをしていた。
毎日野宿で、いらない捨てる本を自由に持って行っていいという段ボールの中から、彼はサバイバルの本を見つけ、その技術で何とか生き延びていた。虫を食い、火を起こし、枝を屋根の骨組みにして、葉っぱを敷き詰めその中で暮らし、寒さを凌いでいた。季節は冬である。そして落ちていた血の付いた包丁を拾いそれで、木を伐り、小さな、山小屋を山に建てようやく何とか生活は確保で出来るようになっていた。血の付いた包丁は何らかの事件の証拠の可能性があったけれども、そこは考えると何もできそうになかったし、何か重要参考人として呼ばれたら呼ばれたでしょうがないので、あえて気にしないことにした。むしろ重要参考人として連行された方が温かい飯が食えるかもぐらいの屑にはキャンデーはなっていた。そして彼は住所不定の山の仙人として二年が経った。
「こんにちはー、仙人さんいらっしゃいますか?」
その声は伸びのある若い、しかも女の声だった。
こんな山奥におなごが一人、危険じゃないか。そう思ったキャンデーは急いで山小屋から出た。その山小屋はすでに三回目の改築で三階建てになっていた。そこらへんはやはり天才の面影を感じさせた。いやむしろ天才がいつの間にか開花したのかも。そしてその二年の間にヤンキーの態度は抜けきり、仙人としての悟りを若干二十三歳で開いていた。
「おい。おなごよ。こんな山奥に何のようじゃ?ふぉっふぉっふぉ、まあとはいえ、わしの山じゃないけどな。だいたい山と言うのは地球の物つまり人間皆の者なのじゃよ。つまりこの山はわしの山でもある」
と言った、キャンデーにはやはり俺の物は俺の物、お前の物も俺の物というガキ大将ヤンキー気質の影はまだ残っているようだ。
「うふーん。おもしろいおじいさん」
キャンデーはまだ二十三歳である。
……この後の展開は暇だからまだ続けることにしよう。
「へい、彼女。俺とキャンデー舐めない?」
古臭い口説き文句だが、彼はお茶をキャンデーに変えたことで、オリジナリティーがあると思っていた。もうこうなったら幼き頃の、面影はどこにもない。
もちろんナンパが成功するはずもなく、途方に暮れる事一年。彼はその日暮らしをしていた。
毎日野宿で、いらない捨てる本を自由に持って行っていいという段ボールの中から、彼はサバイバルの本を見つけ、その技術で何とか生き延びていた。虫を食い、火を起こし、枝を屋根の骨組みにして、葉っぱを敷き詰めその中で暮らし、寒さを凌いでいた。季節は冬である。そして落ちていた血の付いた包丁を拾いそれで、木を伐り、小さな、山小屋を山に建てようやく何とか生活は確保で出来るようになっていた。血の付いた包丁は何らかの事件の証拠の可能性があったけれども、そこは考えると何もできそうになかったし、何か重要参考人として呼ばれたら呼ばれたでしょうがないので、あえて気にしないことにした。むしろ重要参考人として連行された方が温かい飯が食えるかもぐらいの屑にはキャンデーはなっていた。そして彼は住所不定の山の仙人として二年が経った。
「こんにちはー、仙人さんいらっしゃいますか?」
その声は伸びのある若い、しかも女の声だった。
こんな山奥におなごが一人、危険じゃないか。そう思ったキャンデーは急いで山小屋から出た。その山小屋はすでに三回目の改築で三階建てになっていた。そこらへんはやはり天才の面影を感じさせた。いやむしろ天才がいつの間にか開花したのかも。そしてその二年の間にヤンキーの態度は抜けきり、仙人としての悟りを若干二十三歳で開いていた。
「おい。おなごよ。こんな山奥に何のようじゃ?ふぉっふぉっふぉ、まあとはいえ、わしの山じゃないけどな。だいたい山と言うのは地球の物つまり人間皆の者なのじゃよ。つまりこの山はわしの山でもある」
と言った、キャンデーにはやはり俺の物は俺の物、お前の物も俺の物というガキ大将ヤンキー気質の影はまだ残っているようだ。
「うふーん。おもしろいおじいさん」
キャンデーはまだ二十三歳である。
……この後の展開は暇だからまだ続けることにしよう。
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