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何か物、生き物へ向けたメッセージ③
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能力者マラソン大会という募集を見た俺はそのマラソン大会に参加してみる事にした。
この世界で、様々な能力が芽生える事件が起きたのは二年前、今や能力者は当然の世界になった。
とは言え、まだ人口の一割ほどなので、少数ではあるので能力が無い人から未だに嫌悪の眼差しを受けられることも多々ある。しかしこういう大会が開かれる事で、少しは能力者のストレス発散になればいいと俺はこの大会をワクワクして待っていた。というわけでその当日。
「皆、どんな能力を持っているんだろうな。怖いけど楽しみだな」
「スタート!」
思っていた矢先スタートしたので、俺は急いで自分の能力を発動した。
俺の能力、それは自分がイメージした好きな大きさのバナナを出す事が出来る能力だ。しかも形も糖度も自在に操れるので、まだまだ能力の開発のし甲斐がある。
俺は出したバナナを食べながら、食べ終わった皮を後ろの人に向けて放った。
次々と人々がバナナの皮で滑って脱落していく。しかし相手も能力者、このマラソン大会は相手に対する攻撃も可なので、危険な大会である。
「卑怯だぞ。バナナの皮など。喰らえ我が奥義、豪炎波!!」
炎の能力者が俺にとんでもない火力の技を放ってきた。いや、これ喰らったら死ぬだろ。俺のバナナなんかの比じゃないよね。俺は巨大なバナナの皮シールドを出して、何とか炎の技を防御した。
「12番、失格!!」
この大会のルールは相手を殺すような技は禁止されている。だから炎の能力者は失格になった。でもいつあんないかれた技を使ってくるか分からないから、気をつけよう。
俺は更に急ぐべく、自分が通る少し前の道にバナナの皮を次々と出して行った。そして巨大なバナナの皮の服を作り、それを纏い、地面に寝そべり地面を漕いで地面を滑走して行った。
「ひ、卑怯だぞ。貴様!」
能力者が俺にそんな言葉をかけてくるが、空を飛んで移動したり、氷で滑って移動したり、地面を潜っていどうするような奴らに卑怯呼ばわりされる資格はない。
そしていよいよ、マラソン大会終盤、既に9人はゴールしており、10位以内だと商品が貰える。
ゴールした能力者は自身を光に変え高速で移動したり、乗り物を作り出したりする能力者で、スタート早々にゴールをしていた事が途中経過の掲示板で分かっている。というかそれもうマラソン大会じゃないよね。いや俺もマラソン殆どしてないけどさ。でも脱落者も多くて、ゴールはもうすぐ。俺がいる集団の誰か一人が10位に入れるだろう。だからここが勝負時だ。そして俺は色々な高級バナナを出して、相手を釣ったり、巨大バナナで相手を押しつぶしたり、バナナで行き止まりを作ったりしてようやく、俺はゴールする事が出来た。10位だった。やった景品が貰える。そう思った時、目の前の景色が揺らいでスタート地点に俺はいた。
その時、肩をポンと叩かれた。
「マラソン大会ご苦労様。君はビリだよ」
「えっ、どうして。俺は10位のはずだ……」
「残念だが、マラソン大会は既に終わっていて、君はスタート地点から一歩も動いていない。君は走っていたと思っているかもしれないけどね」
「嘘だろ。どういう事だよ。何で。訳がわかめだよ」
「俺の能力……。それは幻覚能力さ。君はマラソンを走っている幻覚を見ていたのさ。まあ俺もマラソン結果はどべの次だから、君と一つしか変わらないけどね。というか良かったじゃないか。一位で。まあ下からだけど」
そう言って、幻覚能力者は、かかかと笑った。
俺は悔しくなってバナナをゴール方向へと向かって力一杯投げ、別の最高糖度のバナナを出した。
「これは最高糖度のバナナなんだ。うん。美味い」
「えっ、それ一口くれないか?」
幻覚能力者がそう言ったけど。
「嫌だね。あーげないっ!」
この世界で、様々な能力が芽生える事件が起きたのは二年前、今や能力者は当然の世界になった。
とは言え、まだ人口の一割ほどなので、少数ではあるので能力が無い人から未だに嫌悪の眼差しを受けられることも多々ある。しかしこういう大会が開かれる事で、少しは能力者のストレス発散になればいいと俺はこの大会をワクワクして待っていた。というわけでその当日。
「皆、どんな能力を持っているんだろうな。怖いけど楽しみだな」
「スタート!」
思っていた矢先スタートしたので、俺は急いで自分の能力を発動した。
俺の能力、それは自分がイメージした好きな大きさのバナナを出す事が出来る能力だ。しかも形も糖度も自在に操れるので、まだまだ能力の開発のし甲斐がある。
俺は出したバナナを食べながら、食べ終わった皮を後ろの人に向けて放った。
次々と人々がバナナの皮で滑って脱落していく。しかし相手も能力者、このマラソン大会は相手に対する攻撃も可なので、危険な大会である。
「卑怯だぞ。バナナの皮など。喰らえ我が奥義、豪炎波!!」
炎の能力者が俺にとんでもない火力の技を放ってきた。いや、これ喰らったら死ぬだろ。俺のバナナなんかの比じゃないよね。俺は巨大なバナナの皮シールドを出して、何とか炎の技を防御した。
「12番、失格!!」
この大会のルールは相手を殺すような技は禁止されている。だから炎の能力者は失格になった。でもいつあんないかれた技を使ってくるか分からないから、気をつけよう。
俺は更に急ぐべく、自分が通る少し前の道にバナナの皮を次々と出して行った。そして巨大なバナナの皮の服を作り、それを纏い、地面に寝そべり地面を漕いで地面を滑走して行った。
「ひ、卑怯だぞ。貴様!」
能力者が俺にそんな言葉をかけてくるが、空を飛んで移動したり、氷で滑って移動したり、地面を潜っていどうするような奴らに卑怯呼ばわりされる資格はない。
そしていよいよ、マラソン大会終盤、既に9人はゴールしており、10位以内だと商品が貰える。
ゴールした能力者は自身を光に変え高速で移動したり、乗り物を作り出したりする能力者で、スタート早々にゴールをしていた事が途中経過の掲示板で分かっている。というかそれもうマラソン大会じゃないよね。いや俺もマラソン殆どしてないけどさ。でも脱落者も多くて、ゴールはもうすぐ。俺がいる集団の誰か一人が10位に入れるだろう。だからここが勝負時だ。そして俺は色々な高級バナナを出して、相手を釣ったり、巨大バナナで相手を押しつぶしたり、バナナで行き止まりを作ったりしてようやく、俺はゴールする事が出来た。10位だった。やった景品が貰える。そう思った時、目の前の景色が揺らいでスタート地点に俺はいた。
その時、肩をポンと叩かれた。
「マラソン大会ご苦労様。君はビリだよ」
「えっ、どうして。俺は10位のはずだ……」
「残念だが、マラソン大会は既に終わっていて、君はスタート地点から一歩も動いていない。君は走っていたと思っているかもしれないけどね」
「嘘だろ。どういう事だよ。何で。訳がわかめだよ」
「俺の能力……。それは幻覚能力さ。君はマラソンを走っている幻覚を見ていたのさ。まあ俺もマラソン結果はどべの次だから、君と一つしか変わらないけどね。というか良かったじゃないか。一位で。まあ下からだけど」
そう言って、幻覚能力者は、かかかと笑った。
俺は悔しくなってバナナをゴール方向へと向かって力一杯投げ、別の最高糖度のバナナを出した。
「これは最高糖度のバナナなんだ。うん。美味い」
「えっ、それ一口くれないか?」
幻覚能力者がそう言ったけど。
「嫌だね。あーげないっ!」
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