一貫性と整合性、皆無小説

戦いが一つ終わった。

「で、どんな攻撃を仕掛けてくるのかな」
　少しわくわくして来た火竜。
「ただひたすらに力のゴリ押しだ」
　体長と体重を利用した圧力攻撃。しかし火竜は飛竜になって躱す。
「ずいぶんと原始的な戦いじゃないか」
　飛竜は古代火竜の周りを素早く周る。すると翼の部分の異変を発見した。
「年齢による損傷。ひび割れ。もはやあんたは空を飛べないんじゃないか？」
「よく分かったな。空を飛ぶ事はもはや諦めた。だが、押しつぶす事で飛べない不満を解消する事が俺の唯一の楽しみだ」
「いや、もっと良い楽しみ見つけろよ」
　こんな根暗で陰湿な老人竜にはなりたくないと飛竜は思った。
　飛竜になった状態でも口から吐くブレスは火竜のそれと変わらないので古代火竜の周りを飛びながら体全体を竜巻の様にファイアブレスで多い、焼き尽くす。
「一丁上がり」
　焼け焦げた古代竜を上から見下ろして飛竜は言った。
「まだだ……」
　焼け焦げた皮膚の下から声が聞こえた。
「やばっ、まだ生きているのかよ」
「俺はこんな所で死ぬわけには行かんのだ」
「その理由は何だ？」　
　飛竜は古代火竜に聞く。
「その理由はな……未来ある若者が憎いからだー！！」
「いや、老害極まりないな！」
　飛竜は古代竜が手にし、投げつけて来た巨大岩を躱し、とどめとばかりに超高温レーザーファイアブレスを放ち、古代火竜の体を真っ二つにした。
「はあ、強くはなかったけど、厄介だったな」
　苦笑した火竜であった。