一貫性と整合性、皆無小説

火竜のレベルが上がった。

　トンボールとの戦いが終わると経験値が入りレベルが上がった火竜。息つく暇もなく火竜を見つけたモンスターがぞろぞろと押し寄せてくる。次々と押し寄せてくるモンスターを狩り終えた時、新たな看板が現れた。
『次の試練。火山の中に住む火竜との戦いに勝利せよ』
「いよいよ次の試練か。だがまさかの同じ火竜とは……。俺がここに来る前にいた元の世界では火竜が俺が最後だった。悪徳竜に滅ぼされてしまったからな。まさかこんな所で生き延びていたとは。いや待てよ。もしかして鏡魔法みたいな感じで俺の生き写しみたいな相手なのかもしれないぞ」
　呟きながら警戒心を出す火竜。
　再び現れた看板には『火竜は昔いた歴代の火竜を魔法で一時的に復活させた奴らだ。全部で十匹いる。その全てに勝利せよ。お前と戦う為だけに作られた一回だけの火竜だ。しかし考え方や戦闘能力は当時と全く同じ。もちろんお前が死んだらそこで終わり。次の火竜の為にお前も次は１１匹目になるだろう』
「いや、俺が最後の火竜だから俺が死んだら火竜は絶滅だ」
　そう言って火竜は気を引き締めた。
　いざ乗り込もうかと思った火竜だが、歴代の火竜に比べて自分がどのぐらい強いのかが分からなかった。
「俺は一体どのぐらい強いのだろうか」
　自分のステータスを確認する。しかし自分が歴代の火竜と比べて一体どのぐらいの位置にいるのかは分からなかった。
　新たに覚えたスキルの中に、火竜全書という火竜を強化する為の教科書を出すスキルがあったので、それを出して自分という火竜についてまずは学ぶ事にした。
　火竜の歴史、火竜の強さ、火竜の伝説。それらに目を通していくと、自分がまだひよっこだという事に気付かされた火竜であった。