一貫性と整合性、皆無小説

魔女達が会話をしている。

「いやこれ、わしがドラゴン達連れて来た意味は……？」
「そんなのあるに決まっているじゃない。確かに幽霊ドラゴンとゾンビドラゴンの活躍の場は今回は無かったけれど、でも活躍の場は保障されているのと一緒よ。私と行動を共にする事、それすなわち一軍という事なのよ。今回は出番が無くても次が必ずあるわ」
「でもこれだけドラゴンが沢山いると選択に迷わないか？」
　魔男が聞く。
「それは愚問ね。もちろん迷うかもしれない。でもそれは良い迷いなのよ。敵に見合った相性の良い味方をぶつけるという見方もあるわ」
「味方をぶつける見方……」
「そうよ。選択肢の幅があるという事はいざという時に有利でもあるわ。もちろんそれに伴って適切な判断力が求められるけどね。適切な判断力が無い人に選択肢を渡しても優柔不断で悩むからそう言う場合は選択肢が少ない方が良いとは思うけど、私はそこらへんの選択肢の判断は自分で言うのもなんだけど大丈夫だから私に関しては選択肢が多くても大丈夫よ。それにもし数千の選択肢があって迷いそうな場合は自動選択魔法で選んでもらうわ」
「それはずるいな」
「何か言った？」
「いや何も」
「部屋が綺麗で物が無いと、選択肢が無い分ストレスもたまらないというのはある意味事実だけどそれとこれとは違うしね」
「まあ選択肢に囲まれる事で落ち着く人もいるだろうけど」
「それはつまりゴミ屋敷って事？」
「究極的にはそういう感じかも」
「まあ、自分にあった選択をすれば良いだけの話って事ね。私の場合は選択肢があり過ぎても構わないって事よ。まあ、今まで一人だったからわちゃわちゃしているのが楽しいって言うのもあるかもしれないけど」
「要は寂しがり屋って事だ」
「違うわ」
　魔女は少し照れながら言った。