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悪徳ドラゴンと話をしている。

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「それにしてもいかにして悪徳ドラゴンは強くなったのかしら」
 疑問に思った魔女は魔男に聞いた。
「さあ、分からないな。レベルアップ魔法は俺達だけの特権だし」
「何をぶつぶつと呟いている」
 悪徳竜が魔女達の言葉を耳にして言った。
「地獄耳なのね。あなたは」
「ふんっ、否が応でも地獄耳にならざるを得なかったのさ」
「どういう事だ?」
 茶屋の主人が聞いた。
「まあ、お前達もドラゴンを片付けた後始末するから冥土の土産に教えてやろう」
「わしはメイド喫茶なんかに行っていないぞ」
「そのメイドじゃないぞ」
 鬼平のずれた言葉に突っ込みを入れる魔男。
「お前には緊張感という言葉がないのか。まあいい。否が応でもこれから味わう事になる」
「さっきから否が応ばかり使っているけど、語彙力乏しいわね。嫌が王だわ。王だけに」
「俺は王ではないぞ」
「悪の親玉だから王で良いじゃない。王にしてくれないと私の作ったギャグが役割として機能しないのよ」
「お前等と会話をすると調子が狂うな」
「銚子が来る? 地殻変動?」
「よし、まともな会話をするつもりがないのは分かった。だから俺は今から独り言を言う。俺の持っているスキル、それは殺した相手のスキルを一つだけ奪う事が出来るのだ」
「ああ、だから色々な技を持っているのね」
「その恩恵で、いやスキルは持っている奴を殺した場合必ず手に入れる仕様だから地獄耳も自動的にスキルとして手に入ったんだ」
「へえ。じゃあ色々いらないスキルもあるんじゃない?」
「あるな」
「あっ、一人事じゃなくなった」
「罠を仕掛けるとはな。まあいいさ。そしてスキル鑑定を得てからは奪うに値するスキルを持った奴のみを殺す事にしてきた」
「でもあなたドラゴン狩りしているんじゃなかったっけ?」
「もちろん。ドラゴンの頂点に君臨すると同時にドラゴンのスキルを奪う事も目的だ。ドラゴンには各自固有の技やスキルがあるからな」
「へえ。そうなんだ」
「お前達も殺してスキルを奪ってやる」
「あらあら。まあ頑張って」
 魔女はそう言ってごろんと横になって昼寝した。
「いい気なもんだな。配下のドラゴンがこれから俺にやられるって言うのに」
 その言葉を聞いて、ドラゴン達の闘志に火が付いた。
「その闘志を消して凍死させてやろう」
 悪徳竜が言って、それを聞いた雷竜が「さむっ」と言った。
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