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師匠がドラゴンを連れて来た。

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「で、どこに連れて帰って来たドラゴンはいるの?」
「わしの掌の中にいる」
 そう言って師匠は手のひらを開いて魔女に見せた。
「可愛い」
「持ち運びに便利なように手に入れて持って帰って来たのじゃが手を咬まれての。わしもゾンビになりそうじゃ」
 師匠がとんでもない発言を口にした。
「でも不老不死になりたかったんだからゾンビとして生きるという手はないの?」
「わしは人間として生きたいのじゃ」
 哀しそうな表情で師匠が言う。
「分かったわよ」
 魔女はゾンビにならない魔法を師匠に掛けた。
「ありがとう。もうお主はわしをとっくに超えておる」
「うん。知ってた」
 師匠は何とかゾンビにならずに済んでほっとしたのであった。
「では元の大きさに戻すとするか」
 師匠が魔法を掛けると、ゾンビドラゴンと幽霊ドラゴンが徐々に大きくなって止まった。
「これが元の大きさなのね」
「そうじゃ」
 ゾンビドラゴンと幽霊ドラゴンは辺りを見回すと興味深げに悪徳ドラゴンを見つめた。
「ほう。あそこにいるのは我を亡き者に亡き幽霊にした悪徳ドラゴンだ」
 幽霊ドラゴンが言った。
「本当だ。あそこにいるのは我をゾンビにした悪徳ドラゴンだ」
 ゾンビドラゴンが言った。
「俺の事を覚えているとはな」
 悪徳ドラゴンが言った。
「覚えているとも。だがしかしもうお前に対しては憎しみはない。なぜならば幽霊という媒体によって永遠の命を手に入れたからだ」と幽霊ドラゴン。
「その通り。我もゾンビになったおかげで永遠の命を手に入れる事が出来た」とゾンビドラゴン。
 お前等それで良いのかよ、と魔女は思ったのであった。
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