一貫性と整合性、皆無小説

モンスターが仕掛けて来た。

「ちなみにあの顔に付いている目の様な物は目じゃないわ」
「嘘だろ。だってあれ目、その物じゃんか。じゃああれは一体何なんだ？」
「あれはあのモンスター特有のアイテム、モンスター水晶なのよ。水晶の真ん中に黒目のような物があるから目に見えるけどね」
「じゃあ、ただの飾りなのか」
「ええ、だからあの目のような水晶も傷つけない様に回収しましょう」
「なんだかあまり気が乗らないな」
「人間に少し似ているから？」
「そうだな」
「でもあのモンスター、人間を主食にしているのよ」
「まあ、人間に似せているんだからそうだろうなあ」
「だから遠慮なんていらないわ。所詮鬼畜モンスターなのよ。モンスターにも心があるのはいるけど、それは本当に稀なのよ」
「そうみたいだな。舌なめずりしているし。俺達を食べたくてしょうがないんだろうな」
　と魔男が言った時、インゲンがしゃがみ込んだ。
「何だ？　何をするつもりなんだ？」
「来るわよ」
　魔女が言うと、インゲンが勢いをつけてジャンプをして魔女達の方へと飛んで来た。
「げっ、気持ち悪っ」
　ホラーのような光景に背筋に寒気が走った魔男であった。