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鮫駅
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世界各地で突如として異常気象が起き、天変地異で世界の交通や物流は一日で遮断された。
丁度その日、僕は駅にいた。そこは海のすぐ傍にある駅で、無人駅でもある。
客が誰もいない駅で電車を一人待っていた僕は電車が到着し電車の扉が開いた時、地震が起きた。
車掌や駅員が慌てふためき、海の方を見ると海は荒れ狂っていて、天気予報では快晴のはずだったのに突如出現した雲から雨が降り始め、すぐさまザーザー降る大雨となった。すると電車の線路の下の土から水が染み出て来て、線路が時間にして数分で水に浸かり、未だ続く地震と相まって車両が横倒しに倒れた。車両と駅員は連絡を取るから、と言い残し駅を去って行った。僕もその時去れば良かったのだが、あまりに非日常な光景にどこか夢の中にでもいるのではないかという感覚にとらわれ、その場に立ち尽くしていた。その判断が全ての今の現状である。
今僕は駅のホームでサメに追われている。海からの水が駅へと侵入し、それと同時に凶暴なサメが駅に迷い込んで来たのだ。この辺りには生息しているはずのないホオジロザメが今僕の周辺を迂回して僕を食べようとうろついている。背びれが水の上に出ては消え、また出ては消えの繰り返しで僕は転倒した電車に乗ってり出たりをしながら必死にサメとの鬼ごっこを逃げ切ろうとしている。スマホがかろうじて繋がり世界の情勢は入って来ているが、助けを求めるSOSの発信にはどこも通じない。通じても助けに来てくれない。皆それほど、切羽詰まった状況なのだ。
僕は落ちていた金属の棒や、傘などを使いサメを一週間後にようやく殺す事が出来た。その間、食べた食料は迷い込んだ魚、そして飲み水は雨だ。
ようやく安堵した時だった、僕の目の前に新たなるサメが現れた。それは前よりも一回り大きいホオジロザメだった。
どうして、一体どうして。やっと倒したというのに……。
その時、ウィーンという小さな機械音のような物が聞こえた気がした。スマホはとっくに電源が切れている。では何の音なのだろうか。僕は音のした方に首を向ける。そこにはレンズが付いていて僕の動向を追っていた。
なるほどそういう事か、僕はどうやらお偉いさん方の裏社会の遊びの対象にされたようだ。僕が孤立、隔離されたのは偶然ではない。僕は選ばれたのだ。サメとの戦いに勝てるかどうかのサバイバルに。
暇を持て余した裏社会のお偉いさん方が僕を対象に選び隔離し、世間一般には知られていない未知の技術で天候を操り僕をサメとの一対一の勝負に持ち込ませたのだ。駅を舞台にして。
フッフッフ。
僕はいつの間にか笑っていた。来いよ。必ず生還してやるぞ。
僕は倒したら必ず現れる人食いざめを次々と駆除して行った。そして一月が経った。
異常気象は収まり、サメは出現しなくなった。あれっ、早く次のサメを送り込んで来いよ。
その時、自衛隊の車両が見えた。
「すみません。遅れました。救助の依頼を受けてはいたのですが、昨今までの異常気象と交通遮断でここに来るのが遅れました。もう大丈夫です」
「ふっふっふ。ようやく来たな。次のサメが……」
丁度その日、僕は駅にいた。そこは海のすぐ傍にある駅で、無人駅でもある。
客が誰もいない駅で電車を一人待っていた僕は電車が到着し電車の扉が開いた時、地震が起きた。
車掌や駅員が慌てふためき、海の方を見ると海は荒れ狂っていて、天気予報では快晴のはずだったのに突如出現した雲から雨が降り始め、すぐさまザーザー降る大雨となった。すると電車の線路の下の土から水が染み出て来て、線路が時間にして数分で水に浸かり、未だ続く地震と相まって車両が横倒しに倒れた。車両と駅員は連絡を取るから、と言い残し駅を去って行った。僕もその時去れば良かったのだが、あまりに非日常な光景にどこか夢の中にでもいるのではないかという感覚にとらわれ、その場に立ち尽くしていた。その判断が全ての今の現状である。
今僕は駅のホームでサメに追われている。海からの水が駅へと侵入し、それと同時に凶暴なサメが駅に迷い込んで来たのだ。この辺りには生息しているはずのないホオジロザメが今僕の周辺を迂回して僕を食べようとうろついている。背びれが水の上に出ては消え、また出ては消えの繰り返しで僕は転倒した電車に乗ってり出たりをしながら必死にサメとの鬼ごっこを逃げ切ろうとしている。スマホがかろうじて繋がり世界の情勢は入って来ているが、助けを求めるSOSの発信にはどこも通じない。通じても助けに来てくれない。皆それほど、切羽詰まった状況なのだ。
僕は落ちていた金属の棒や、傘などを使いサメを一週間後にようやく殺す事が出来た。その間、食べた食料は迷い込んだ魚、そして飲み水は雨だ。
ようやく安堵した時だった、僕の目の前に新たなるサメが現れた。それは前よりも一回り大きいホオジロザメだった。
どうして、一体どうして。やっと倒したというのに……。
その時、ウィーンという小さな機械音のような物が聞こえた気がした。スマホはとっくに電源が切れている。では何の音なのだろうか。僕は音のした方に首を向ける。そこにはレンズが付いていて僕の動向を追っていた。
なるほどそういう事か、僕はどうやらお偉いさん方の裏社会の遊びの対象にされたようだ。僕が孤立、隔離されたのは偶然ではない。僕は選ばれたのだ。サメとの戦いに勝てるかどうかのサバイバルに。
暇を持て余した裏社会のお偉いさん方が僕を対象に選び隔離し、世間一般には知られていない未知の技術で天候を操り僕をサメとの一対一の勝負に持ち込ませたのだ。駅を舞台にして。
フッフッフ。
僕はいつの間にか笑っていた。来いよ。必ず生還してやるぞ。
僕は倒したら必ず現れる人食いざめを次々と駆除して行った。そして一月が経った。
異常気象は収まり、サメは出現しなくなった。あれっ、早く次のサメを送り込んで来いよ。
その時、自衛隊の車両が見えた。
「すみません。遅れました。救助の依頼を受けてはいたのですが、昨今までの異常気象と交通遮断でここに来るのが遅れました。もう大丈夫です」
「ふっふっふ。ようやく来たな。次のサメが……」
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