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2.桜の秘密
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「おはよう。桜、花田君。」
「おはよ!」
「おはよう。」
また1日が始まった。
「おはようございます!咲友美さん」
「おはよう、宇佐くん。」
誰だ?こいつ…。
「誰だ?このチビ」
「あ?チビじゃねぇし」
「あぁ、宇佐くんは咲友美の事が好っ…モガッ」
「言っちゃダメー!!!」
「そういう事か…。」
「うんっ!」
「?」
「ちょっと待て、何が、どういうことだ!?」
「ふーん…大丈夫、大丈夫。」
「何が大丈夫なんだよ!?…なぁ、今日一緒に
帰ろうぜ。」
あ…話をそらしたなこいつ。
「いいよ。」
まぁ、毎日こんな感じで過ごしている。
✿ あれから一週間 ❀
「あっ、そうだ!冬夜、今日家に泊まりに
来ない?」
「別にいいけど…。」
なんでだ?
「え?桜今日って…。」
咲友美が何やら心配そうな顔をしている。
「うん、そうだよ。」
「えーっと、泊まりに来るはずだった咲友美が
キャンセルになっちゃったから…。」
しょうがないな…なんか理由があるみたいだし。
「いいよ。」
「よかった!」
よくわからないが、嬉しそうだ。
というか、安心したようだ。なら良かった。
どんな家だろうな。
あっ、家族にも挨拶しなきゃだな…。
緊張すんなぁ…。
そんな事を考えていたらあっという間に
授業が終わってしまった。
「冬夜、帰ろっ!」
「あー、今行く。」
「親には言ってあるの?」
「俺、一人暮らしだから。」
「そうなんだ!」
「そんなに驚くことは無いだろ…。」
何か反応が不自然な気がする。
「あっそうだよね…。」
「なんか桜いつもよりテンション低くない?」
「そんなことないよ!」
…まぁ、気のせいか。
「桜は何人暮らし?」
「一人だよ…」
「ふーん」
こんなところにアパートなんてあったかな?
「あっ、ここだよ。私の家」
「え?本当にここ?」
「もー、そんな嘘ついても仕方ないでしょ。」
「いや、こんなでかいっていうか…
一軒家に住んでるとは思わなかったから。」
「あはは、いいでしょ 冬夜も一緒に
住んじゃう?」
「いや、それは…」
年頃的にダメだろ。
「だよね…」
「いや、別に桜とがいやとか、そういうんじゃ
なくてさ。その…俺も一応男だし?」
桜の顔が少し赤く染まった。
「そっ、そうだよね…ごめん。」
「まぁ、頼まれれば住むけど、そのかわり
家賃無しね。」
「いいよ。」
「え?」
「冗談だよ。」
「びびったぁ…。」
真面目な顔をしていたから信じそうに
なってしまった。
「お邪魔します。」
「ど~ぞ!」
「玄関広いな…」
「いいでしょ~」
すごく静かだ。物音一つしない、こんな所で、
しかもひとりで住んでるなんて…。
なんか落ち着かない。
「トイレ借りていい!」
「うん、いいよ。えーっと、廊下を真っ直ぐ
行って左側だよ。」
「ありがとう。」
えーっと…
「真っ直ぐ行って左側…ここか。」
ドアを開けると、そこはトイレではなかった。
仏壇と、おそらく夫婦だと思われる男女の
写真があった。
しかも、二人共所々桜に似ている気がする。
もしかして…。
「冬夜…ここに居たんだ…。
トイレに行ったんじゃなかったの?」
「ごめん。だけど、言われた通り来たら
この部屋だった。」
「ごめん。私の説明不足。」
「見た?…よね。」
「見たよ…。」
「この人達、はね私の両親なんだ。」
「うん。見た感じで分かった。
目と口は母親似で、鼻は父親になんだな…。」
「うん。実はね…、命日。今日なんだ…。」
……!?
「何やってんだよ!早く準備して出るぞ。」
「え!?」
「お墓の場所は?」
「三角角墓場…。」
「少し遠いな…。」
「………。」
「でも、この時間だったら…行けるはず!」
「いいよ…もう。」
「走るぞ!」
「うん!」
俺は、桜みたいに人の心を言葉で軽くすることは出来ないけど。
でも…桜のために、何か一つくらいはきっと
出来るはずだ。
「ハァ、ハァ、ハ、ハァ、ハァ…。」
「着いた。」
「………。」
俺は、ゆっくりと桜の後ろについていった。
「ここだよ。」
俺は、桜の両親のお墓の前に座った。
「…初めまして、こんにちは。
桜さんの友達の、花田 冬夜です。
桜さんと友達になってから、日にちは余りたって
いませんが、桜さんは俺にも、誰にでも優しくて自信をもって自慢できる友達です!
そんな桜さんの事を俺は友達として大好きなので
親友とかになれたらいいなって思っています。
桜さんを産んでくれて本当に
ありがとうございます。」
「……お母さん、お父さん、ごめんなさい。
私、あの日のこと思い出すのが怖くて…
私が逃げたこと、恨んでる?…っごめんなさい。
ごめんね。…ヒック…。でもね、私今とっても
楽しいの。毎日友達と学校へ行って、
くだらない話をして、みんなで出かけて。
本当に私を産んでくれてありがとう。」
桜の白い頬に涙が流れ落ちた。
「帰るか。」
俺は、桜の頭をポンポンと軽く撫でた。
「よーし!帰ろう!」
「わぁ!?なんだ?いきなり元気になって。」
「ありがとう。冬夜!」
その笑顔は、今まで俺に見せてきた笑顔の中で
一番いい笑顔だった。
…でも、一つ気になることが増えた。
出来ればそうであって欲しくないが、
そう言えば今日は何年か前に一家殺人事件が
あった日だ。
「おはよ!」
「おはよう。」
また1日が始まった。
「おはようございます!咲友美さん」
「おはよう、宇佐くん。」
誰だ?こいつ…。
「誰だ?このチビ」
「あ?チビじゃねぇし」
「あぁ、宇佐くんは咲友美の事が好っ…モガッ」
「言っちゃダメー!!!」
「そういう事か…。」
「うんっ!」
「?」
「ちょっと待て、何が、どういうことだ!?」
「ふーん…大丈夫、大丈夫。」
「何が大丈夫なんだよ!?…なぁ、今日一緒に
帰ろうぜ。」
あ…話をそらしたなこいつ。
「いいよ。」
まぁ、毎日こんな感じで過ごしている。
✿ あれから一週間 ❀
「あっ、そうだ!冬夜、今日家に泊まりに
来ない?」
「別にいいけど…。」
なんでだ?
「え?桜今日って…。」
咲友美が何やら心配そうな顔をしている。
「うん、そうだよ。」
「えーっと、泊まりに来るはずだった咲友美が
キャンセルになっちゃったから…。」
しょうがないな…なんか理由があるみたいだし。
「いいよ。」
「よかった!」
よくわからないが、嬉しそうだ。
というか、安心したようだ。なら良かった。
どんな家だろうな。
あっ、家族にも挨拶しなきゃだな…。
緊張すんなぁ…。
そんな事を考えていたらあっという間に
授業が終わってしまった。
「冬夜、帰ろっ!」
「あー、今行く。」
「親には言ってあるの?」
「俺、一人暮らしだから。」
「そうなんだ!」
「そんなに驚くことは無いだろ…。」
何か反応が不自然な気がする。
「あっそうだよね…。」
「なんか桜いつもよりテンション低くない?」
「そんなことないよ!」
…まぁ、気のせいか。
「桜は何人暮らし?」
「一人だよ…」
「ふーん」
こんなところにアパートなんてあったかな?
「あっ、ここだよ。私の家」
「え?本当にここ?」
「もー、そんな嘘ついても仕方ないでしょ。」
「いや、こんなでかいっていうか…
一軒家に住んでるとは思わなかったから。」
「あはは、いいでしょ 冬夜も一緒に
住んじゃう?」
「いや、それは…」
年頃的にダメだろ。
「だよね…」
「いや、別に桜とがいやとか、そういうんじゃ
なくてさ。その…俺も一応男だし?」
桜の顔が少し赤く染まった。
「そっ、そうだよね…ごめん。」
「まぁ、頼まれれば住むけど、そのかわり
家賃無しね。」
「いいよ。」
「え?」
「冗談だよ。」
「びびったぁ…。」
真面目な顔をしていたから信じそうに
なってしまった。
「お邪魔します。」
「ど~ぞ!」
「玄関広いな…」
「いいでしょ~」
すごく静かだ。物音一つしない、こんな所で、
しかもひとりで住んでるなんて…。
なんか落ち着かない。
「トイレ借りていい!」
「うん、いいよ。えーっと、廊下を真っ直ぐ
行って左側だよ。」
「ありがとう。」
えーっと…
「真っ直ぐ行って左側…ここか。」
ドアを開けると、そこはトイレではなかった。
仏壇と、おそらく夫婦だと思われる男女の
写真があった。
しかも、二人共所々桜に似ている気がする。
もしかして…。
「冬夜…ここに居たんだ…。
トイレに行ったんじゃなかったの?」
「ごめん。だけど、言われた通り来たら
この部屋だった。」
「ごめん。私の説明不足。」
「見た?…よね。」
「見たよ…。」
「この人達、はね私の両親なんだ。」
「うん。見た感じで分かった。
目と口は母親似で、鼻は父親になんだな…。」
「うん。実はね…、命日。今日なんだ…。」
……!?
「何やってんだよ!早く準備して出るぞ。」
「え!?」
「お墓の場所は?」
「三角角墓場…。」
「少し遠いな…。」
「………。」
「でも、この時間だったら…行けるはず!」
「いいよ…もう。」
「走るぞ!」
「うん!」
俺は、桜みたいに人の心を言葉で軽くすることは出来ないけど。
でも…桜のために、何か一つくらいはきっと
出来るはずだ。
「ハァ、ハァ、ハ、ハァ、ハァ…。」
「着いた。」
「………。」
俺は、ゆっくりと桜の後ろについていった。
「ここだよ。」
俺は、桜の両親のお墓の前に座った。
「…初めまして、こんにちは。
桜さんの友達の、花田 冬夜です。
桜さんと友達になってから、日にちは余りたって
いませんが、桜さんは俺にも、誰にでも優しくて自信をもって自慢できる友達です!
そんな桜さんの事を俺は友達として大好きなので
親友とかになれたらいいなって思っています。
桜さんを産んでくれて本当に
ありがとうございます。」
「……お母さん、お父さん、ごめんなさい。
私、あの日のこと思い出すのが怖くて…
私が逃げたこと、恨んでる?…っごめんなさい。
ごめんね。…ヒック…。でもね、私今とっても
楽しいの。毎日友達と学校へ行って、
くだらない話をして、みんなで出かけて。
本当に私を産んでくれてありがとう。」
桜の白い頬に涙が流れ落ちた。
「帰るか。」
俺は、桜の頭をポンポンと軽く撫でた。
「よーし!帰ろう!」
「わぁ!?なんだ?いきなり元気になって。」
「ありがとう。冬夜!」
その笑顔は、今まで俺に見せてきた笑顔の中で
一番いい笑顔だった。
…でも、一つ気になることが増えた。
出来ればそうであって欲しくないが、
そう言えば今日は何年か前に一家殺人事件が
あった日だ。
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