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(月彦の視点) 中間テストの成績と勧誘
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中間テストの結果が貼り出された。
僕は一年の24位。
この学校は頭がいい人が多いとどこかで聞いたことがある。中々嬉しい。
教室へ行こうとした時、見知らぬ男子生徒に呼び止められた。
「雅川月彦だな、お前が、頭もよく女子みたいに可愛くカッコよくてクールだという雅川だ、そうだろう?」
「そうだけど」
と僕が言うと、取り巻きっぽい男が、僕を呼び止めた男に向けて。
「凄いっす! よく分かりましたね!」
「ふふん、そうだろう、とはいえ、みんなからの写プーメのおかげだがな!」
写プーメというのは、写真を載せたプライベートメールのことだ。プライベートメール(以下プーメ)は、遠い過去の「ライン」みたいなものだ。
「いや誰が撮ったんだよ」僕はつい溜め息。「撮っていい? なんて、言われてねぇし。ゾッとするわ」
呆れながら歩き出して教室に向かおうとするも、なぜ話し掛けられたのかが謎だと思った。
「で、僕が雅川だから何なんですか?」
すると胸を張っている方の……眼鏡の男子生徒が。
「演劇部に――」
「入りません」
「なぜ!」
「興味がないからです。要件はそれだけですか?」
「あ、ああ」
「じゃ、さよなら」
そして足早に教室へと――向かえなかった。
別の、眼鏡の男子が来た。
「興味がないから…と聞いたが、つまり、キミは噂ではカメラを学校に持ってくるほどの人だから、そういう興味のある写真部には――」
「入りません」
「ホワイ!」
「なんというか……部に入ったら、撮りたくない写真まで撮らされそうで」
「じゃあそれはさせないから」
「ん~~……いや、それでもやっぱり嫌です。何も知らない人からは、部に入ってるってだけで頼まれそうで。あの。誘いたい気持ちは分かります、僕カメラ持ってるし。でもすみません」
「そっか……うん、分かったよ」
「では」
話の分かる人との話は気持ちよく終われるから嬉しい。
また別の、今度はガチムチ眼鏡が。
「我が美術部の被写体になってみないか!」
「なりません」
「そっか……」
しょんぼりしたその人に、何となく、何か言いたくなった。
「変な僕よりもっといい人がいますよ。……じゃあ、そういうことなんで――。んー……、美術、頑張ってください。じゃあ失礼します」
先輩っぽい気がしたから一礼した。
それから、やっと教室へと向かった。
途中に三組の教室がある。窓も開いてないから、横目に知り合いを見付けることもできないまま、一組の教室へと入った。それを、ちょっとだけ残念だと思った。
僕は一年の24位。
この学校は頭がいい人が多いとどこかで聞いたことがある。中々嬉しい。
教室へ行こうとした時、見知らぬ男子生徒に呼び止められた。
「雅川月彦だな、お前が、頭もよく女子みたいに可愛くカッコよくてクールだという雅川だ、そうだろう?」
「そうだけど」
と僕が言うと、取り巻きっぽい男が、僕を呼び止めた男に向けて。
「凄いっす! よく分かりましたね!」
「ふふん、そうだろう、とはいえ、みんなからの写プーメのおかげだがな!」
写プーメというのは、写真を載せたプライベートメールのことだ。プライベートメール(以下プーメ)は、遠い過去の「ライン」みたいなものだ。
「いや誰が撮ったんだよ」僕はつい溜め息。「撮っていい? なんて、言われてねぇし。ゾッとするわ」
呆れながら歩き出して教室に向かおうとするも、なぜ話し掛けられたのかが謎だと思った。
「で、僕が雅川だから何なんですか?」
すると胸を張っている方の……眼鏡の男子生徒が。
「演劇部に――」
「入りません」
「なぜ!」
「興味がないからです。要件はそれだけですか?」
「あ、ああ」
「じゃ、さよなら」
そして足早に教室へと――向かえなかった。
別の、眼鏡の男子が来た。
「興味がないから…と聞いたが、つまり、キミは噂ではカメラを学校に持ってくるほどの人だから、そういう興味のある写真部には――」
「入りません」
「ホワイ!」
「なんというか……部に入ったら、撮りたくない写真まで撮らされそうで」
「じゃあそれはさせないから」
「ん~~……いや、それでもやっぱり嫌です。何も知らない人からは、部に入ってるってだけで頼まれそうで。あの。誘いたい気持ちは分かります、僕カメラ持ってるし。でもすみません」
「そっか……うん、分かったよ」
「では」
話の分かる人との話は気持ちよく終われるから嬉しい。
また別の、今度はガチムチ眼鏡が。
「我が美術部の被写体になってみないか!」
「なりません」
「そっか……」
しょんぼりしたその人に、何となく、何か言いたくなった。
「変な僕よりもっといい人がいますよ。……じゃあ、そういうことなんで――。んー……、美術、頑張ってください。じゃあ失礼します」
先輩っぽい気がしたから一礼した。
それから、やっと教室へと向かった。
途中に三組の教室がある。窓も開いてないから、横目に知り合いを見付けることもできないまま、一組の教室へと入った。それを、ちょっとだけ残念だと思った。
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