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「許されざる思い」というものは「受け入れられない思い」と同義語、そう奏多は感じていた。
同性に恋することは許されているが広く受け入れられてはいない。
奏多には颯斗という幼馴染がいた。
優しくて明るくていつも一緒にいたが、ずっと飽きなかった。中学校に入ってからも颯斗の穏和な性格は変わらずグループが違うため学校ではあまり話さなくなったものの、お互いの家に行って遊んだりするのはしょっちゅうだった。
それが変わったのは中学2年の頃、颯斗に彼女ができた時だった。
颯斗に彼女ができたと聞かされた時、おめでとうや羨ましいより先に激しく心が揺さぶられた。
怒り悔しさ妬ましさ悲しさが一気に溢れ出た感覚、そう嫉妬だった。
当時は颯斗に自分より先に彼女ができたことを嫉妬したのだと信じていたが、颯斗に彼女が馴れ馴れしく触るたび、颯斗のことを「はーくん」と呼ぶたび、心が悲鳴を上げるように揺さぶられたためそれが間違いであることに嫌でも気付かされた。
そして、同性の幼馴染に恋に落ちている自分を認め絶望した。
結局、颯斗はその彼女と半年と待たずして別れた。
聞けば彼女の心変わりによる別れだったらしい。
そうして奏多は中学2年生で仄暗い恋心を自覚したのだった。
同性に恋することは許されているが広く受け入れられてはいない。
奏多には颯斗という幼馴染がいた。
優しくて明るくていつも一緒にいたが、ずっと飽きなかった。中学校に入ってからも颯斗の穏和な性格は変わらずグループが違うため学校ではあまり話さなくなったものの、お互いの家に行って遊んだりするのはしょっちゅうだった。
それが変わったのは中学2年の頃、颯斗に彼女ができた時だった。
颯斗に彼女ができたと聞かされた時、おめでとうや羨ましいより先に激しく心が揺さぶられた。
怒り悔しさ妬ましさ悲しさが一気に溢れ出た感覚、そう嫉妬だった。
当時は颯斗に自分より先に彼女ができたことを嫉妬したのだと信じていたが、颯斗に彼女が馴れ馴れしく触るたび、颯斗のことを「はーくん」と呼ぶたび、心が悲鳴を上げるように揺さぶられたためそれが間違いであることに嫌でも気付かされた。
そして、同性の幼馴染に恋に落ちている自分を認め絶望した。
結局、颯斗はその彼女と半年と待たずして別れた。
聞けば彼女の心変わりによる別れだったらしい。
そうして奏多は中学2年生で仄暗い恋心を自覚したのだった。
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