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男の正体
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「あれ?ここだっけ、ハッキングが効いてない子がいるのって。」
男はそう言うと、三年二組の教室をジロジロと見てきた。
「!?」
見ず知らずの人。見た感じ結構若い?っていうか、僕がハッキングされてないのを知っている………!
もしかして、ハッキングした犯人!?けど、普通、犯人は姿を見せないはずじゃ?
でも、この男が犯人の可能性があるのは事実。
逃げるか?でもこの学校、どの教室もドアがひとつしかないし、それに、僕の席はドアから一番遠い、端っこの方にある。そもそもドアの近くに男がいる時点で詰んでる………
「どうしよう……」
そう僕が考えている間も、その、見ず知らずの男はずっと僕たちを見てきた。
「あぁ、君か。」
突然男がこっちに近ずいてきた。
「どうしよう!もう考える時間がな……」
「み~つけた!」
男が僕の一つ前の席の人にそう言った。
「!!…………?」
助かった、のか?とりあえず、逃げよう。ちょうど男がこっちに来て、ドアの方はあいてるし、クラスメイトも見知らぬ男を警戒していてドア付近には居ない。
(今しかない!)
そう思った僕は、ドアまで走った。僕もこんなに早く走れるとは思ってもみなかった。
でもそう思ったのは束の間、いつの間にか僕の手は見知らぬ男に掴まれていた。
「やっぱり君か~!やっぱ俺って天才!」
(なんで………)
僕の頭が考えるのをやめた。
もうきっと助かる方法はない、そう思っていた時、
ピンポンパンポーン
またチャイムが鳴った。
「えー、先程、皆さんにハッキングされたということを、お伝えしましたが、あれは嘘です。この学校は、他の学校より技術が進んでいるのは、皆さんも知っていると思います。もしも、この学校のパソコンがハッキングされたら皆さんはどのような行動をするのかを確かめるための、いわば練習みたいなものです。
皆さんには悪いことをしたと思っています。でも、このような事態はいつ起こるか分かりません。ですので、今回のようなことがあったとしても、慌てず、今回のように落ち着いて、先生の指示を聞きましょう。」
「校長先生の声…………………は?このハッキングが嘘?じゃあ、この男は、一体………」
「あぁ、あともう一つ。
言い忘れていましたが、この学校には皆さんの個人情報を守るため、プロのホワイトハッカーが皆さんの情報を管理しています。
何かパソコンの不具合があったりしたら、その人を頼ると良いでしょう。これで放送を終わります。」
…………………………
ホワイトハッカー?聞いたことある。ブラックハッカーからの攻撃から、個人情報を防ぐ良い方のハッカー………だっけ? よくわからん!
っていうか、それより、この男をどうにかしないと!
「あー、俺のことはわかったか?」
「?」
僕含めた、クラスメイトの全員が、頭上にはてなマークを出していた。
「今の放送!ホワイトハッカーって言ってたの、俺!俺のこと!」
「!?」
驚いた。この男が?
「俺がこの学校、全員の個人情報を持っている。っていうか預かっている。」
男が僕のほうを見た。
「少しついてきてくれ。」
男が僕にしか聞こえない音量でそう言った。
僕は混乱しながらも、校長の話から、この男は悪い人じゃなさそう……と思い、ついていくことにした。
男はそう言うと、三年二組の教室をジロジロと見てきた。
「!?」
見ず知らずの人。見た感じ結構若い?っていうか、僕がハッキングされてないのを知っている………!
もしかして、ハッキングした犯人!?けど、普通、犯人は姿を見せないはずじゃ?
でも、この男が犯人の可能性があるのは事実。
逃げるか?でもこの学校、どの教室もドアがひとつしかないし、それに、僕の席はドアから一番遠い、端っこの方にある。そもそもドアの近くに男がいる時点で詰んでる………
「どうしよう……」
そう僕が考えている間も、その、見ず知らずの男はずっと僕たちを見てきた。
「あぁ、君か。」
突然男がこっちに近ずいてきた。
「どうしよう!もう考える時間がな……」
「み~つけた!」
男が僕の一つ前の席の人にそう言った。
「!!…………?」
助かった、のか?とりあえず、逃げよう。ちょうど男がこっちに来て、ドアの方はあいてるし、クラスメイトも見知らぬ男を警戒していてドア付近には居ない。
(今しかない!)
そう思った僕は、ドアまで走った。僕もこんなに早く走れるとは思ってもみなかった。
でもそう思ったのは束の間、いつの間にか僕の手は見知らぬ男に掴まれていた。
「やっぱり君か~!やっぱ俺って天才!」
(なんで………)
僕の頭が考えるのをやめた。
もうきっと助かる方法はない、そう思っていた時、
ピンポンパンポーン
またチャイムが鳴った。
「えー、先程、皆さんにハッキングされたということを、お伝えしましたが、あれは嘘です。この学校は、他の学校より技術が進んでいるのは、皆さんも知っていると思います。もしも、この学校のパソコンがハッキングされたら皆さんはどのような行動をするのかを確かめるための、いわば練習みたいなものです。
皆さんには悪いことをしたと思っています。でも、このような事態はいつ起こるか分かりません。ですので、今回のようなことがあったとしても、慌てず、今回のように落ち着いて、先生の指示を聞きましょう。」
「校長先生の声…………………は?このハッキングが嘘?じゃあ、この男は、一体………」
「あぁ、あともう一つ。
言い忘れていましたが、この学校には皆さんの個人情報を守るため、プロのホワイトハッカーが皆さんの情報を管理しています。
何かパソコンの不具合があったりしたら、その人を頼ると良いでしょう。これで放送を終わります。」
…………………………
ホワイトハッカー?聞いたことある。ブラックハッカーからの攻撃から、個人情報を防ぐ良い方のハッカー………だっけ? よくわからん!
っていうか、それより、この男をどうにかしないと!
「あー、俺のことはわかったか?」
「?」
僕含めた、クラスメイトの全員が、頭上にはてなマークを出していた。
「今の放送!ホワイトハッカーって言ってたの、俺!俺のこと!」
「!?」
驚いた。この男が?
「俺がこの学校、全員の個人情報を持っている。っていうか預かっている。」
男が僕のほうを見た。
「少しついてきてくれ。」
男が僕にしか聞こえない音量でそう言った。
僕は混乱しながらも、校長の話から、この男は悪い人じゃなさそう……と思い、ついていくことにした。
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