この僕が、いろんな人に詰め寄られまくって困ってます!〜まだ無自覚編〜

小屋瀬 千風

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なんか僕の周りには男が多い気がする。7

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「先生、なんで凌にあんな事したのか、教えてくださいよ」

「はぁ…」
「教えるも何も、洗いざらい吐かせる気だろ、お前なら」

「まぁね」

「翔との約束はいいのか?」

「はい、まだあと、30分くらいは余裕で時間あります」

「そうか……」

「じゃ、教えてくださいよ」

「はぁ、分かった、分かった、そう急かすなよ……」



「俺は3年前にこの学校に来たんだ。」

「なら、俺たちよりも前に居たってことですか」

「あぁ」

「で、その頃は、今じゃ考えられないくらい、この学校は荒れてたんだ。」

「荒れてたって、3年前がですか!?」

「ああ」

「いやっ、俺たちが入学したのは、1年前で…」

「そうだな、お前らが入学する、2年前くらいだな」

「さ、最近じゃないですか!」

「まぁな、」

「で、どんな風に荒れてたんですか?」

「………、生徒が、先生をいじめてたんだ。」

「!?」

「新人の女性教師にはセクハラ、男性教師には暴力、ベテランの先生には寄ってたかって、暴言…とまぁ、色々とな。」

「…っ!」

「中には、先生に向かって抗議をしていた……いや、だいぶ非人間的な方法で抗議をしていたやつもいたほどだ。」

「先生は…、何か…されたんですか…?」

「ん?俺?いや、俺は特に何もされていなかったぞ。」

「えっ、でも、新人教師が暴力にあってたって…」

「それは、俺と同じ時期に入った……」

「先生?」

「………、お前、宮本 明(みやもと あきら)って知ってるか?」

「宮本 あき…ら……」
「!」

「…、そうか、」
「まぁ、この学校の、特に教師陣にとっては忘れられないものだろうなぁ、」

「………」
「「教師飛び降り自殺事件」………」

「………」
「そうだ。…そいつが、さっき言った暴力を受けた新人教師だ」

「………」

「お前は、って、もう分かってるか、さっきの見たらさ……」
「まぁ、俺は男が好きっていうか、男もいける。そういうやつだ。」
「でさ、俺の好きな人だったんだよ、宮本は……」

「……、」

「そんな顔すんなよ、」

「だって……」

「ま、もうあと翔が来るまで15分くらいってとこか」

「!」
「時間たつの早いですね…」

「……話、続けようか?」

「は、はい…」

「…暗い話はもう聞きたくないって顔だな」

「いっ、い…え…」

「うーん、そうだねぇ、まぁ、続けようか」

「はい……!」

「まぁ、俺が好きになった宮本は、生徒からの暴力…(まぁその他にもいろいろとされていたが)によって自殺、それを知った俺は、本当にショックでショックで仕方がなかった。」
「だから長い間、学校を休んだ。」
「校長先生からは、「そうか…」としか言われなかった。多分、俺の事を少しは、知っていたんだと思う。」

「………」

「で、精神も少しづつ回復していって、やっと学校に顔を出した。その時に担当したのが、お前らだった。」

「まぁ担当したって言うか、学年全体の、数学を担当していたのだがな」

「…!」
「先生…」
(そんな、先生がそんな弱ってたの、俺、知らなかった)

「まぁ、本当に俺の、戻ってきた俺の、最初の生徒たちがお前らで良かったって本気で思ったよ。」

「……」

「まだ暴力とかが続いてるんだったら、本当、色々とやばかったからなぁ、俺が」
「…まぁ、警察の方々も、頑張ってくださったんだろうな」

「そう、だね……」

「でさ、俺の、戻ってきた時の話に戻るけど、そんときの俺は回復したとはいえ、まだ宮本のことを引きずっていたんだ。」
「「なんでもっと、早く、助けてあげれなかったんだよ」とか、「自分から生徒に対してなにか対策をしていたら」とかな…。」
「そういうことを考えていたところに、凌は来たんだ。」



「ねぇ、先生、元気なさそうですけど、大丈夫ですか?」
 
「!!」
「あき、ら…!!」

「あきら…?なんのことですか?」

「!」
「あっ、あぁ、薄井か。」

「どうしたんですか?」

「いや、なんでも。前にもこういうやつをどこかで見たような…ってさ」

「あ、そういうのって、「デジャブ」って言うんですよ」

「そうなのか…」

「はいっ!」





「大丈夫か?顔色悪いぞ、颯。」

「ん?あぁ、平気だって~」

フラァ~

「あぁっ!っちょっと、ほんとに大丈夫か?」

フワッ…

信じられないほどのいい匂い、そして、何かに包まれるような安心感。
とても、気持ちが良かった。

「っと、休んどけよ、」

「!」
「あっ、明!」

「ん?どうした?」

「い、いやっ、そろそろ、離れた方が…」

「!」
「ごっ、ごめん!」
「えっと、これ、俺が取っておいた、グミ、お前にやるよ、…じゃ!」

「えっ、明!」
「って……はぁ」
(あいつってやつは)

フフッ…





「おーい、先生?」

「ん、あぁ、青崎どうした?」

「いや、大体のことは分かったよ。
「まぁ、まとめるなら、心が弱ってる時に凌が来て、んー、まぁ、好きになったってことでしょ?」

「まぁ、そうだな」

「ならなんで、あんなことを?」

「それは…、お前たちのせいだ」

「えっ!?」

「お前たちばっか、凌と仲良くなって、俺だけ仲間はずれとかあれじゃん!」
「だから、お前らに追いつけるように…」

「凌に迫ったってこと?」

「……うん。」

「……はぁ、」

「?」

「馬鹿だね」

「なぁっ!?」

「語彙力とか全然ないし、いつもだらけてるし、」

「語彙力はあれとして、だらけてるは馬鹿のうちに入らないだろ!」

「まぁ、それは…って、そんな話は置いといて、1番馬鹿なのは、感情で凌を傷つけたことだ。」

「!!!」

「いくら焦ってたとしても、それはダメじゃないんですか?」

「っ、」

「………」

「凌は、…薄井は、俺の謝罪を聞いてくれるだろうか」

「……あの凌ですよ?」
「そんなん、「聞いてくれる」以外選択肢あります?」

「……だな。」

「まぁ、今からならまだ居るんじゃないですか」

「そうだな…行ってくる。」

「一応、俺もついて行きますよ」

「何もしないぞ」

「だから一応ですって、」

「分かった…」

ガララッ…

「「!!!」」

「おーい、悠斗、お前ここに居たのか」

「!」
「翔!?」

「探したz」

「生徒会室には入ったのか!?」

「ん、いや、生徒会室の鍵がないから、お前を探してたんだろ」

「なる、ほどぉ……」
(凌のやつ、鍵を掛けたのか)

「だから早く鍵を…」

「待って!翔!!」

「ん、なんだ?」

「えっとぉ、」
(今からバインダー先生と凌が仲直り(?)するから、生徒会室空けてだなんて、言えねぇよなぁ………)
(あっ、そういえば……)

「?」
「どうした、悠斗?」

「あのな、翔。」

「ん?」

「今日はゆんゆんの生放送ライブがあるのは知ってるか?」

「なにっ!?」

「書類整理は俺がやっとくからさ、先帰ったら?」

「でっでも、それじゃあ…」

「ん、別にいいって、気にすんなよ」
「俺とお前の仲じゃねぇか」

「!!」
「ありがとう、悠斗~!」

ルンルンルン~

「じゃーなー」
「……っと、よし、じゃ、行きますか」

「おっ、おう……」
(翔って、ドルオタだったのか……)

〔「ゆんゆん」は、「ぼくこま」の世界の中で、トップクラスに人気のあるアイドルだよ! By作者〕
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