79 / 102
第二部5
5-4
しおりを挟む
最初の発作は、通りすがりの赤子の泣き声を聞いた時に起きた。突然目が血走り、呼吸が荒くなって過呼吸を起こして、その場に座り込んだ。その後まもなく、店の近くでごろつき達の喧嘩が起こった時が一番酷かった。酒に酔ってくだまく無法者が何事かと驚いて喧嘩を止める程の金切り声を上げて、その場に倒れた。この時は一時呼吸が止まってしまったので、たまたま玄徳が近くを通りかからなければ、そのまま死んでいたかもしれない。
「上杉の忍びの秘薬か……」
戦国乱世の頃、武智氏は上杉の重臣であった篠宮氏に従属していた。初代君水藩主である智久候と初代明野領主・道久候兄弟の生母は篠宮の姫君なので、武智一族は篠宮氏の家臣というより、一門集といった存在であったらしい。
しかし天下分け目の関ケ原の合戦で、篠宮家は上杉の属する西軍に、そして武智家は徳川の東軍について戦っている。当時の事情について多くは語られていないが、裏切りや反目といったことではなく、小国ゆえの生き残り策であったのではないかと忠雅は考えている。結局、戦後の上杉氏の外交上手に助けられ、篠宮家も高濱藩として幕府に残ったので、今も公的には、高濱藩と君水藩は本藩・支藩の間柄とされている。
君水藩本領の忍びは篠宮家を通して、上杉の流れを汲んでいる。玄徳の師匠がいうところの秘薬とやらの製法が、武智家の隠密である葉隠衆に残っていることは、充分にありえる話なのだ。
記憶を失くした娘は間もなく、親が決めた商家に嫁いだ。誰もが祝福する縁組であり、祝言からすぐに懐妊したので、両親はさぞかしほっとしたころだろう。月満ちて生まれた赤子は健やかだったそうだから、これでもう何も心配いらないと思ったに違いない。お七夜のお祝いに娘の嫁ぎ先に向かう時、主人夫婦の顔は幸福で光り輝くようだった――と、後にお調べにやってきた役人に奉公人の一人が語ったそうだ。
お七夜の祝い席で起きた事件は、上方で長く語り草となるほどの惨劇だった。何しろ裕福な商家の若女将が出刃包丁で両親を斬殺し、自らも喉を突いて自害したのだから。娘はまず、孫の顔を覗き込んだ父親の無防備な後ろ首を包丁で刺した。その後、驚いて逃げようとした母親の背中に馬乗りになって滅多刺しにしたうえで、血脂で濡れた包丁で再び父親の胸を刺し貫き、最後にその刃で自分の首を突いた――という順であったそうだから、娘の両親に対する恨みの深さが垣間見える。三人分の血しぶきで部屋の中は文字通り、足の踏みどころもない有様であったという。事件について書かれた瓦版は飛ぶように売れ、大阪中の読売が歓喜の悲鳴を上げたとか。
当時医師見習いであった玄徳は、瓦版に書かれなかった事実を一つ知っている。この事件で命を失くしたのは三人ではない。四人だ。血にまみれた惨劇の中ただ一人、生まれたばかりの赤子の顔だけが綺麗だった。赤ん坊は――生みの母の手で、濡れた半紙で鼻と口を塞がれ死んでいた。
聞いているだけで、鼻先に血の匂いが漂ってきた。生臭く、それでいてその奥底に微かに甘い芳香が漂う。あまり大きな声で語られることはないが、人の血の香は甘い。浴びる程に血の匂いを嗅いだ者にしかわからない感覚であり、戦乱の世が終わった今、それを知っている人間は少ないだろう。
「つまり娘の記憶はこの時点で完全に戻っていたと?」
「……恐らく。腹の子に障る可能性があるので、身重の女に薬は使えぬ。しかも女が子を産むのは命懸けだ。身体に刻まれた過去の記憶が、失った記憶を呼び起こすことは充分にありうる。清水殿、わしはこの件で一つ学んだ。人の世には、例えできたとしてもしてはならないことがある。人の記憶を奪うということは、その代表なのではないか」
恐らく、玄徳の師匠も同じことを感じていたのだろう。残っていた生薬の材料をすべて火にくべて燃やした上で、その灰を水に溶かして海に流してしまったというから念がいっている。そしてその後は亡くなるまでただの一度たりも、薬のことは口に出さなかった。
――人の世には例えできたとしても、してはらないことがある。
なかなかに含蓄のある言葉だ。できないことを成し遂げようとするより、できることをしないで耐え忍ぶ方が辛くて苦しいかもしれない。次席家老として人の上に立つことの多い忠雅としては、胆に銘じておこうとも思う。
ただ今、とてつもなく重くて後味の悪い昔語りから、忠雅が学ぶべきことは一つだけだ。過去に、記憶を奪われた人間が確かに存在した。そしてその人間は、過去の記憶を取り戻していた。
それはつまり、雅勝もまた、今いる環境から引き離して薬の投与を止めれば記憶が戻るということではないのか。身体的要因がきっかけになるのであれば、おるいに事情を話して同意を得た上で、一晩一緒に過ごしてもらうという方法もなくなはないのだし。
忠雅の問いかけに、玄徳は懐手をして低く呻いた。
「その男、年は二十二……ということで間違いないか」
「え?あ、ああ、そうだ」
雅勝は忠雅と同じ年齢なので、今年二十二歳なのは間違いない。ああ、そうかと一瞬、心が過去に引き戻された。影衆の最年長が二十歳まで生き延びることは、忠雅と雅勝、二人の共通の目標だった。お前、二十歳を迎えられたんだな……と心の中で友に語り掛ける。その時は二人で一緒に酒でも酌み交わして祝おうと思っていたのに、結局、何もしてやれなかった。
「だとすれば、その男が失った記憶は十年あまり……物心ついてからで考えれば、人生の半分以上であろう。しかも、自分自身が誰かもわからなくなるだけの量を三年以上の長きに渡って使い続けている……。直接患者を診ていないので確かなことは言えないが――清水殿、その男の身体には、既に相当な負担がかかっていると見ていい」
以前、清水の邸で倒れた時の様子を考えると、その可能性は充分にありえそうだ。となれば仮に薬を抜いて記憶を戻すことができたとしても、養生や治療が必要となる。もっとも今の段階では確かなこと何もいえない。何としても当の本人に会って、玄徳の診察を受けさせないことには。
その際にはどうか頼むと忠雅が頭を下げると、玄徳はできるだけのことはしようと約束してくれた。
「上杉の忍びの秘薬か……」
戦国乱世の頃、武智氏は上杉の重臣であった篠宮氏に従属していた。初代君水藩主である智久候と初代明野領主・道久候兄弟の生母は篠宮の姫君なので、武智一族は篠宮氏の家臣というより、一門集といった存在であったらしい。
しかし天下分け目の関ケ原の合戦で、篠宮家は上杉の属する西軍に、そして武智家は徳川の東軍について戦っている。当時の事情について多くは語られていないが、裏切りや反目といったことではなく、小国ゆえの生き残り策であったのではないかと忠雅は考えている。結局、戦後の上杉氏の外交上手に助けられ、篠宮家も高濱藩として幕府に残ったので、今も公的には、高濱藩と君水藩は本藩・支藩の間柄とされている。
君水藩本領の忍びは篠宮家を通して、上杉の流れを汲んでいる。玄徳の師匠がいうところの秘薬とやらの製法が、武智家の隠密である葉隠衆に残っていることは、充分にありえる話なのだ。
記憶を失くした娘は間もなく、親が決めた商家に嫁いだ。誰もが祝福する縁組であり、祝言からすぐに懐妊したので、両親はさぞかしほっとしたころだろう。月満ちて生まれた赤子は健やかだったそうだから、これでもう何も心配いらないと思ったに違いない。お七夜のお祝いに娘の嫁ぎ先に向かう時、主人夫婦の顔は幸福で光り輝くようだった――と、後にお調べにやってきた役人に奉公人の一人が語ったそうだ。
お七夜の祝い席で起きた事件は、上方で長く語り草となるほどの惨劇だった。何しろ裕福な商家の若女将が出刃包丁で両親を斬殺し、自らも喉を突いて自害したのだから。娘はまず、孫の顔を覗き込んだ父親の無防備な後ろ首を包丁で刺した。その後、驚いて逃げようとした母親の背中に馬乗りになって滅多刺しにしたうえで、血脂で濡れた包丁で再び父親の胸を刺し貫き、最後にその刃で自分の首を突いた――という順であったそうだから、娘の両親に対する恨みの深さが垣間見える。三人分の血しぶきで部屋の中は文字通り、足の踏みどころもない有様であったという。事件について書かれた瓦版は飛ぶように売れ、大阪中の読売が歓喜の悲鳴を上げたとか。
当時医師見習いであった玄徳は、瓦版に書かれなかった事実を一つ知っている。この事件で命を失くしたのは三人ではない。四人だ。血にまみれた惨劇の中ただ一人、生まれたばかりの赤子の顔だけが綺麗だった。赤ん坊は――生みの母の手で、濡れた半紙で鼻と口を塞がれ死んでいた。
聞いているだけで、鼻先に血の匂いが漂ってきた。生臭く、それでいてその奥底に微かに甘い芳香が漂う。あまり大きな声で語られることはないが、人の血の香は甘い。浴びる程に血の匂いを嗅いだ者にしかわからない感覚であり、戦乱の世が終わった今、それを知っている人間は少ないだろう。
「つまり娘の記憶はこの時点で完全に戻っていたと?」
「……恐らく。腹の子に障る可能性があるので、身重の女に薬は使えぬ。しかも女が子を産むのは命懸けだ。身体に刻まれた過去の記憶が、失った記憶を呼び起こすことは充分にありうる。清水殿、わしはこの件で一つ学んだ。人の世には、例えできたとしてもしてはならないことがある。人の記憶を奪うということは、その代表なのではないか」
恐らく、玄徳の師匠も同じことを感じていたのだろう。残っていた生薬の材料をすべて火にくべて燃やした上で、その灰を水に溶かして海に流してしまったというから念がいっている。そしてその後は亡くなるまでただの一度たりも、薬のことは口に出さなかった。
――人の世には例えできたとしても、してはらないことがある。
なかなかに含蓄のある言葉だ。できないことを成し遂げようとするより、できることをしないで耐え忍ぶ方が辛くて苦しいかもしれない。次席家老として人の上に立つことの多い忠雅としては、胆に銘じておこうとも思う。
ただ今、とてつもなく重くて後味の悪い昔語りから、忠雅が学ぶべきことは一つだけだ。過去に、記憶を奪われた人間が確かに存在した。そしてその人間は、過去の記憶を取り戻していた。
それはつまり、雅勝もまた、今いる環境から引き離して薬の投与を止めれば記憶が戻るということではないのか。身体的要因がきっかけになるのであれば、おるいに事情を話して同意を得た上で、一晩一緒に過ごしてもらうという方法もなくなはないのだし。
忠雅の問いかけに、玄徳は懐手をして低く呻いた。
「その男、年は二十二……ということで間違いないか」
「え?あ、ああ、そうだ」
雅勝は忠雅と同じ年齢なので、今年二十二歳なのは間違いない。ああ、そうかと一瞬、心が過去に引き戻された。影衆の最年長が二十歳まで生き延びることは、忠雅と雅勝、二人の共通の目標だった。お前、二十歳を迎えられたんだな……と心の中で友に語り掛ける。その時は二人で一緒に酒でも酌み交わして祝おうと思っていたのに、結局、何もしてやれなかった。
「だとすれば、その男が失った記憶は十年あまり……物心ついてからで考えれば、人生の半分以上であろう。しかも、自分自身が誰かもわからなくなるだけの量を三年以上の長きに渡って使い続けている……。直接患者を診ていないので確かなことは言えないが――清水殿、その男の身体には、既に相当な負担がかかっていると見ていい」
以前、清水の邸で倒れた時の様子を考えると、その可能性は充分にありえそうだ。となれば仮に薬を抜いて記憶を戻すことができたとしても、養生や治療が必要となる。もっとも今の段階では確かなこと何もいえない。何としても当の本人に会って、玄徳の診察を受けさせないことには。
その際にはどうか頼むと忠雅が頭を下げると、玄徳はできるだけのことはしようと約束してくれた。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
大和の風を感じて2〜花の舞姫〜【大和3部作シリーズ第2弾】
藍原 由麗
歴史・時代
息長(おきなが)筋の皇女の忍坂姫(おしさかのひめ)は今年15歳になった。
だがまだ嫁ぎ先が決まっていないのを懸念していた父の稚野毛皇子(わかぬけのおうじ)は、彼女の夫を雄朝津間皇子(おあさづまのおうじ)にと考える。
また大和では去来穂別大王(いざほわけのおおきみ)が病で崩御し、弟の瑞歯別皇子(みずはわけのおうじ)が新たに大王として即位する事になった。
忍坂姫と雄朝津間皇子の婚姻の話しは、稚野毛皇子と瑞歯別大王との間で進められていたが、その事を知った雄朝津間皇子はこの婚姻に反対する。
そんな事になっているとは知らずに、忍坂姫は大王の指示で、雄朝津間皇子に会いに行く事になった。
忍坂姫一行が皇子の元へと向かっている最中、彼女達は盗賊に襲われてしまう。
それを助けたのが、1人の見知らぬ青年だった。
そして宮にて対面した雄朝津間皇子は、何と彼女を盗賊から救ってくれたあの青年だった。
母親から譲り受けた【見えないものを映す鏡】とは?
この不思議な鏡の導きによって、彼女はどんな真実を知ることになるのだろうか。
前作『大和の風を感じて~運命に導かれた少女~』の続編にあたる日本古代ファンタジーの、大和3部作シリーズ第2弾。
《この小説では、テーマにそった物があります。》
★運命に導く勾玉の首飾り★
大和の風を感じて~運命に導かれた少女~
【大和3部作シリーズ第1弾】
★見えないものを映す鏡★
大和の風を感じて2〜花の舞姫〜
【大和3部作シリーズ第2弾】
★災いごとを断ち切る剣★
大和の風を感じて3〜泡沫の恋衣〜
【大和3部作シリーズ第3弾】
☆また表紙のイラストは小説の最後のページにも置いてます。
☆ご連絡とお詫び☆
2021年10月19日現在
今まで大王や皇子の妻を后と表記してましたが、これを后と妃に別けようと思います。
◎后→大王の正室でかつ皇女(一部の例外を除いて)
◎妃→第2位の妻もしくは、皇女以外の妻(豪族出身)
※小説内の会話は原則、妃にたいと思います。
これから少しずつ訂正していきます。
ご迷惑をお掛けして、申し訳ありません。m(_ _)m
狩野岑信 元禄二刀流絵巻
仁獅寺永雪
歴史・時代
狩野岑信は、江戸中期の幕府御用絵師である。竹川町狩野家の次男に生まれながら、特に分家を許された上、父や兄を差し置いて江戸画壇の頂点となる狩野派総上席の地位を与えられた。さらに、狩野派最初の奥絵師ともなった。
特筆すべき代表作もないことから、従来、時の将軍に気に入られて出世しただけの男と見られてきた。
しかし、彼は、主君が将軍になったその年に死んでいるのである。これはどういうことなのか。
彼の特異な点は、「松本友盛」という主君から賜った別名(むしろ本名)があったことだ。この名前で、土圭之間詰め番士という武官職をも務めていた。
舞台は、赤穂事件のあった元禄時代、生類憐れみの令に支配された江戸の町。主人公は、様々な歴史上の事件や人物とも関りながら成長して行く。
これは、絵師と武士、二つの名前と二つの役職を持ち、張り巡らされた陰謀から主君を守り、遂に六代将軍に押し上げた謎の男・狩野岑信の一生を読み解く物語である。
投稿二作目、最後までお楽しみいただければ幸いです。
暁のミッドウェー
三笠 陣
歴史・時代
一九四二年七月五日、日本海軍はその空母戦力の総力を挙げて中部太平洋ミッドウェー島へと進撃していた。
真珠湾以来の歴戦の六空母、赤城、加賀、蒼龍、飛龍、翔鶴、瑞鶴が目指すのは、アメリカ海軍空母部隊の撃滅。
一方のアメリカ海軍は、暗号解読によって日本海軍の作戦を察知していた。
そしてアメリカ海軍もまた、太平洋にある空母部隊の総力を結集して日本艦隊の迎撃に向かう。
ミッドウェー沖で、レキシントン、サラトガ、ヨークタウン、エンタープライズ、ホーネットが、日本艦隊を待ち構えていた。
日米数百機の航空機が入り乱れる激戦となった、日米初の空母決戦たるミッドウェー海戦。
その幕が、今まさに切って落とされようとしていた。
(※本作は、「小説家になろう」様にて連載中の同名の作品を転載したものです。)
【新版】優しい狩人 【『軍神マルスの娘』と呼ばれた女 1】 ~第十三軍団第七旅団第三十八連隊独立偵察大隊第二中隊レオン小隊~
take
歴史・時代
拙著「アサシンヤヨイ」シリーズ、第一作の新版になります。
活動報告でもお伝えしておりますが、先行してノベルアッププラスさんにUPしたものを投稿します。
シリーズ全体との整合性はそのまま、心理描写、戦闘シーンなどを増量しました。
どうぞよろしくお付き合いください。
なお、カテゴリーは「歴史・時代」としました。
織田信長IF… 天下統一再び!!
華瑠羅
歴史・時代
日本の歴史上最も有名な『本能寺の変』の当日から物語は足早に流れて行く展開です。
この作品は「もし」という概念で物語が進行していきます。
主人公【織田信長】が死んで、若返って蘇り再び活躍するという作品です。
※この物語はフィクションです。

くぐり者
崎田毅駿
歴史・時代
黒船来航を機に天下太平の世が揺れ始めた日本。商人に身をやつしていた忍びの一流派である鵬鴻流の鳳一族は、本分たる諜報において再び活躍できることを夢見た。そのための海外の情報を収集をすべく、一族の者と西洋人とが交わって生まれた通称“赤鹿毛”を主要な諸外国に送り込むが、果たしてその結末やいかに。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
幕末博徒伝
雨川 海(旧 つくね)
歴史・時代
江戸時代、五街道の内の一つ、甲州街道が整備され、宿場町として賑わった勝沼は、天領、つまり、徳川幕府の直轄地として代官所が置かれていた。この頃、江戸幕府の財政は厳しく、役人の数も少なかったので、年貢の徴収だけで手がいっぱいになり、治安までは手が回らなかった。その為、近隣在所から無宿人、博徒、浪人などが流れ込み、無政府状態になっていた。これは、無頼の徒が活躍する任侠物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる