茜さす

横山美香

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君水藩本領で起こった変事は、すぐに明野領にも伝わった。
 藩主逝去の一報の五日後、武士の正装たる羽織袴を身にまとい、他の四人と家老達と共に領主に謁見した川口忠道はその足で、正室と嫡子のいる奥座敷に足を向けていた。
 領主の正室である御見の方――お紫乃の方は忠道の実娘である。加賀からはるばる明野領に嫁いできた正室の残した唯一の子であり、まだ十代の頃から川口家の奥向きを取り仕切って管理していた。今では一部の家臣から密かに女傑と呼ばれたりもしているらしいが、今でも忠道にとって紫乃は可愛い娘だ。若い頃に駆け落ち騒ぎを起こして胆を冷やされたこともあったが、最初の婚姻で夫に先立たれた時は心底心配した。その後望まれて正室となって嫡子を生み、幸せに暮らしてくれたので、父親として胸を撫で下ろしたものだった。
 この日、久しぶりに対面した娘は、以前よりさらに、亡くなった妻に似てきたように見えた。
 血縁上は父と子だが、正室である紫乃は忠道よりも身分が上である。本領より裕福な明野領の正室なのだから、いくらでも豪奢な着物を着られるだろうに、相変わらず質素な打掛を身にまとい上座に座った娘は、妻によく似た柳眉を寄せ、実父に向けて深く嘆息した。
「父上。殿もわらわも何度も言ったはずじゃ。――離縁する気などないと」
 それはもう随分と前から、父娘の間で話し合われていたことだった。
 本来、武智家の嫡流は初代明野領主の道久である。忠道の父は道久に仕えており、忠道の道の字は初代領主から賜った。何の因果か幕府が初代君水藩主を智久と定めた為に嫡流を外れたが、本来ならば川口家も忠道が本家を継いでいるはずだったのだ。
 そうして三代を経た今、君水藩主武智泰久は老齢であり、嫡男嗣久は病弱の為、男子出生の望みがない。明野領三代の悲願は若く壮健な明野領主雅久にかかっており、実際、本領の一部でも雅久を藩主に期待する声もある。――ただその場合、川口家にとって一つだけ、問題があった。
 ――藩主の正室が、家臣の娘であってはならない。
 藩主の正室は江戸にある藩邸で暮らす。しかるべき大名家との縁組が必須であり、忠道の娘である紫乃にその資格はない。一度正室として君臨した者が側室に下りることは慣例上ありえないので、領主夫妻の行く先には離縁しかなかった。
 無論、紫乃は忠道の娘なのだから、その辺りことはよくわかっているはずだ。しかし何度進言しても領主雅久は離縁について頑として首を縦に振らない。やがて雅久が独断で藩主泰久と対面し、千代丸君を嗣久の養子とする話をまとめてしまった為、離縁話もいったんは宙に浮いたが、泰久が逝去した今、もう何としてでも二人には別れてもらわなければならなかった。
 ――例えそれが、愛する娘がようやく得た平和で幸せな結婚生活を壊すことであったとしても。
「――じいじ」
 不穏な気配を漂わせて見合った父娘の横で襖が開き、孫の千代丸君が顔を出した。二度目の婚姻で紫乃が生んだ千代丸は、祖父のひいき目を抜きにしても利発で可愛いらしい子だ。このまま無事に成長すれば、きっと素晴らしい若武者に育つことだろう。忠道には他にも息子の嫁が生んだ孫が幾人かいるが、娘の生んだ孫はことさらに可愛い。思わず相好を崩して腕を伸ばすと、遊び道具の独楽を片手に膝に飛び乗ってきた。
「じいじ!」
「千代丸君は大きくなられましたな。どれどれ、このじいじと一緒に独楽を回しますかな?」
 さすがに幼子と戯れる老父を相手に、そう剣呑なことも言えなかったのだろう。千代丸君と遊び出した忠道を見て、紫乃は軽く息を吐き出した。しばらく幼子の楽しげな笑い声が響き渡った後、もう一度襖が開いて、奥座敷に勤める侍女が飛び込んできた。
「――御見の方様!」
 筆頭家老と正室が話している場に飛び込んでくるということは、奥座敷に何か変事があったのだ。席をはずして侍女のところに向かった紫乃が戻ってきた時、白い頬から血の気が引いていた。我が子と父親の顔を交互に見て、それから腕を伸ばして、千代丸を抱き上げようとする。
「父上、すまないが今日はもう――」
「よい、よい。千代丸はわしが見ているから行って来い」
 無論、娘に帰れと言われたことくらいわかっているのだが、今日は紫乃と会う以上に、千代丸君に会いに来たのだ。祖父との楽しい遊びを中断されて、千代丸君は不満そうに首を左右に振っている。しばし眉間にしわを寄せて悩んだ後、紫乃は千代丸君を忠道に預けて部屋を出て行った。時に男以上に――父親以上に胆の据わった正室が顔色を変える事態とは何事であろうかと考えないでもなかったが、今日はそれ以上にしなければならないことがあった。
 他に誰もいなくなった部屋の中で千代丸君を膝に抱き上げ、持参した餅菓子の包みを開ける。目を輝かせ、自らの手で菓子を口に運んだ幼子が、顔を歪めて口の中の餡を吐き出した。
「じいじ?これ苦い――」
 それはそうだろう。苦いに決まっている。何しろこの餅菓子の中には鼠取りに使う石見銀山の毒がたっぷり仕込まれているのだから。
「千代丸君。お父上の――武智家の為です。このじいじも共に逝きますので、死んでくだされ」
 忠道だって孫は可愛い。目の中に入れても痛くないくらいに可愛い。だがこの幼子が生きていると、次代藩主は嗣久であり、千代丸君はその子として藩主の後継者になってしまう。それでは不当に奪われたものを取り戻したことにならない。何としてでも明野領主に藩主になってもらわなければ、明野領三代の悲願は達成しない。
 どれほど幼くとも生への本能はある。異様な様子におびえた千代丸君は這いつくばって、その場から逃げ出そうとした。何故逃げるのか。一瞬、本気で腹が立った。この祖父が共に死ぬと言っているのだから、武士の子であればどれほど幼くとも、黙って毒を口に運ぶのが筋というものだろう。
 人の世には通さなければならない筋がある。妻が夫に従うのは筋であり、子が親に従うのも筋だ。だから昔、紫乃が駆け落ちした時は無理やりにでも連れ戻したし、忠道が娘と年の変わらぬ若い侍女を手籠めにしたと知った時、紫乃は父親を激しく糾弾したが、それの何が悪いのかと思っていた。
 女は男を受け入れるものであり、女が己の意思で肌に触れる男を選ぶなどということは、筋違いの最たるものだ。急にそんな昔のことを思いだしたのは、かつて自分が犯した若い娘の顔と、今、目の前で組み敷いた幼い孫の苦悶の表情が妙に被って見えたからだ。
「……じいじ、いや!」
 三歳の孫の背中にのしかかり、吐き出した毒入り菓子を無理やり口の中に押し込めた。小さな手足をばたつかせ、咳込みながら抵抗する千代丸君の喉奥が鳴る。鼠を殺す毒薬がもはや手の施しようのないところにまで入り込んだのを確認し、ようやく腕の力を緩めた。
 幼子の遺骸をそのままに着物を解いて脇差しを抜く。武家の男であれば元服前に父や祖父から切腹の作法を習うが、無論、試みたのは初めてのことだ。抜いた刀を一息に腹に突き立て、左から右へ切っていったん抜く。血脂に塗れた短刀を再度みぞおちに突き立て、臍の下まで切り下げると、焼け付くような激痛に視界が揺らいだ。
 介錯のない切腹は苦しい。というよりも腹を切ったくらいで人間は死なないのだ。一文字に切っただけではまず死なない。忠道がしたように十文字に切ってもなお絶命するまでにとてつもなく時間がかかる。だからこそ介錯という作法が生まれたわけだが、今の忠道に介錯人はいない。凄まじい苦痛に耐えながら、今ここにいない主君に向けて語りかけた。
「殿、どうか藩主におなり下され。明野領三代の悲願……お頼み申す」
 父が初代領主・武智道久の重臣であった為、忠道もまた初代の追放と同時に問答無用で明野領にやってきた。幕府と本領があるべき道を歪めた為に、今の君水藩と明野領の関係がある。それを正しい道に戻す為の行為は、絶対的に正義だと断言できる。わずか三歳で命を奪われた千代丸を哀れに思う気持ちはあるが、それも君水藩の再生の為に流されなければならなかった血であることは、いつかは紫乃も理解してくれることだろう。
 いったいどれくらいの時が経ったのか。苦悶の汗が顎を伝い畳の上にしたたり落ちる。喉を突けばより早く絶命することはわかっていたが、決意のほどを示す為にもここはどうしても切腹して果てたかった。どこか遠くの方角から、到底人のものとは思えぬ呻き声がする。それが自分の口から洩れているのだと気付いた時、不意に、床に転がったままの千代丸君と目が合った。
 可愛くてたまらない孫を守るべき筋の為に手にかけたのだ。今この目から流れている涙は血の色をしていると思ったのに、見開いたまま濁り始めた幼子の目に映った祖父の顔は、鬼の顔をしていた。


 君水藩はじまって以来の大騒動が落ち着くまで、二カ月近くかかった。ようやく少しは事態が落ち着いて、忠雅が菊乃と共に法勝寺を訪れた時、寺の敷地の楓や紅葉はすっかり色づいていた。
 法勝寺の裏には、影衆達の墓がある。
 無論、死んだ影衆の遺体がきちんと残ることの方が稀だ。墓に収められているのは遺髪だったり、本人が大切にしていた持ち物だったりするのだが、雅勝の墓には奴が彫り貯めていた木仏を焼いた灰を収めた。十六まで一緒に暮らしていたのでその存在を知っていたし、実際に彫っているところを見たこともあったのだが、隠し扉の向こうにずらっと誰かの面影を宿した木仏を見た時にはぞっとした。よくぞまあ、あんなものを並べた部屋で三年も寝起きをしていたものだ。
 友の墓である石灯籠に花を供え、菊乃と二人、手を合わせてしばし瞑目した。乾いた風が下草を揺らし、赤く色づいた紅葉がどこからともなく飛んで来て、忠雅と菊乃の間にひらりと舞い降りた。
「……おるいさんは今、どうされているのですか?」
「それは……」
 ――あの後、おるいが目覚めた時には、すべてが終わってしまっていた。
 明野領に戻り、御見の方に仔細を話しておるいの身柄を預けたのだが、ほんの少し目を離した隙に毒を呑んで自害をはかった。附子の毒だというから、恐らく雅勝が守り袋に入れて持っていたものだろう。幸い、発見が早かったので大事に至らなかったのだが、彼女の中で何かが壊れてしまったらしい。――完全に、魂が抜けてしまった。
 女の寝間に踏み込むわけにはいないので、奥座敷を訪れた時にちらりと様子を見ただけだが、くるくると表情のよく動く小動物じみた可愛らしい娘はそこにはいなかった。何も言わず、何も聞かず、ただ壁に向かって座っているだけで、この世のものを見る目をしていなかった。
 こんなことを考えてはいけないのだろうし、死んだ雅勝だってそんなことを望んではいないだろうが、あまりに痛ましくて、もういっそこのまま死なせてやった方が、本人の為ではないのかと思ってしまった。
 御見の方は日にち薬で様子を見て、いずれ実家に帰すと言っていたが、その御見の方も到底、正気でいるとは思われない。藩主逝去の一報が明野領に届いて間もなく、筆頭家老であり御見の方の実父である川口忠道が、嫡子千代丸君を殺害して自害するというとんでもない事態が出来したのだ。
 御見の方の弟で川口家の嫡子であった川口成雅は自邸で切腹、かろうじて明野領川口家の家督は成雅の子が継いだものの、川口家が世襲していた筆頭家老の座は没収となった。下手をすれば御見の方にまで連座の罪が及びそうなところだったのだが、それだけは領主が必死で止めたらしい。げっそりと痩せ、顔にも唇にも血の気を失い、それでいて眼光だけ鋭く、お紫乃の方は今、ほとんど意地だけで正室のつとめを続けているようだった。
 雅勝が危惧していた通り、もし千代丸君が生きていたならば、本領側が形振り構わず明野領を潰しに来る可能性はあっただろう。だが相次ぐ訃報と不祥事に、ただでさえ病弱な武智嗣久が危篤状態に陥ってしまい、結局、大もめにもめた挙句、幕府から明野領主武智雅久を藩主とする許しが出たのが、つい先日のことである。
 無論、この先何事もなく雅久が藩主の座につけるのか不明ではあるし、葉隠衆が黙ってこの事態を認めるかどうかも甚だ怪しい。それでも明野領主が幕府から君水藩主に認められたということは、初代道久候から続く明野領三代の悲願の達成に他ならない。
「忠雅様。お殿様が藩主になることが決まって……何かいいことがありましたか?誰か幸せになりましたか?」
 菊乃の白い頬を一筋涙が伝って落ちた。忠雅にはその問いに返す言葉がない。本家の家督相続は明野領武智家三代の悲願だ。陣屋では起こった悲劇などまるでなかったように誰もが喜び、明野領で暮らす民もまた、自分たちの殿様が藩主になるのだと無邪気に歓迎している。
 だがその為に雅勝は死んで、おるいは壊れて、千代丸君も反本領派の筆頭であった川口忠道までもが亡くなってしまった。領主雅久が藩主にならずとも、明野領は豊かで、平和で、誰も不幸せではなかったはずなのに。
 忠雅だってそうだ。筆頭家老川口家が事実上崩壊した今、次席家老である清水家の果たすべき役割は大きいはずなのに、未だに意識があの日の石牢で止まったまま動けずにいる。
 一体、どうすればよかったのだろう。物事が悪い方向に進む時は得てしてそういうものなのだろうが、あの時、忠雅は決断が遅く、雅勝は行動が早すぎた。もしも忠雅と雅勝の立場が逆であったなら、今頃、もっと違った結末があったのだろうか。
 最年長の雅勝が死んだことで、影衆の最年長は雅明・雅道・雅規の三人となった。雅道だけは何とか医者の修行に送り出してやれそうだが、一番の遣い手がいなくなったことで、雅規が明野領を離れることは不可能になった。この先、雅明が己の夢を見つけたところで手助けしてやることはできないだろう。――雅勝が彼らに見せてやりたかったのは、こんな未来ではなかったはずなのに。
「菊乃殿」
「はい」
「すまないが、俺はあなたと夫婦にはなれない。――とても、俺だけ幸せになんてなれないからな」
 婚約して三年、延々と放置し続けた後にようやく向き合って、この娘となら幸せな人生が送れそう気がしていた。だがこの先忠雅はどうあっても菊乃と夫婦として幸せに生きることはできない。雅勝とおるいから取り上げた幸福を、自分自身にだけ許すことは到底できない。
 顔を上げ、菊乃は黙って忠雅を見た。綺麗な娘だと改めて思う。雅勝とは面識があったとはいえ、明野領で人として認められない影衆の墓に手を合わせて泣いてくれた心根も尊い。三年も俺なんかに縛り付けて悪かった。どうか別の相手と夫婦になって幸せになってくれ。
「……はい。わかりました」
 菊乃の目からもう一筋、透明な涙の雫が伝って滴った。死んだところで誰からも弔われることない影衆の墓場で、この日のやりとりが忠雅と菊乃の許嫁としての別れとなった。
 ――菊乃が佐竹家の菩提寺で髪を下ろしたのは、それから三日後のことだった。
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