35 / 102
8
8-5
しおりを挟む
法勝寺に帰り着いた時、夏の陽射しが残った寺には、まだ子ども達が何人か残っていた。
庭木の枝には葉が茂り、砂利の合間から生えた草の丈も大分高くなった。家賃を入れずに寺に置いてもらっている以上、庭木の手入れや破れた障子の修繕やらは雅勝の仕事である。明日あたりは寺にいて色々片付けようかと思っていた。
雅勝が今日は早く帰ってくることを和尚から聞いていたのかもしれない。開け放たれた手習い部屋の奥で、手習い所の少女達とるいが千代紙で何かを折っていた。
御見の方の遣いでちょくちょく寺にやって来るので、るいは既に手習い所の子ども達には顔馴染みである。数人で固まって楽しそうに折り紙をしている姿を少し遠くから見て、砂利を踏みしめる歩みが止まった。
女には他にいくらでも売り先があるからだろう。影衆に少女が売られてくることはない。だから雅勝はこれまで、この年頃の娘がこれほど劇的に変わって行くことを知らなかった。
綺麗になったものだと思う。最初に会った時は服装を抜きにしても少年にしか見えなかった。それがいつしか年頃の娘に見えるようになって、今では充分女に見える。――それも若くてとても綺麗な女に。
武智行久がどういう人物なのかまったく知らないが、義姉と甥の側近くに仕える彼女を見て欲しいと思った気持ちならば理解ができる。そしてそれは、影衆上がりで次席家老の家の下っ端の武士に嫁ぐより、はるかに幸せなことではないのか。
「あ、先生!」
しばらく雅勝が手習い所にいなかったので、子ども達が喜んで駆け寄ってくる。手習い張やそろばんを手にまとわりついてきた子ども達の相手をしようとした時、部屋の片づけをしていた和尚が子ども達に声をかけた。
「――お前たち、もうすぐ暗くなるぞ。早く帰れ」
仔細を話したわけではないが、二人で暮らす家が見つかるまで置いてくれと言ったので、一緒に暮らす相手に誰を想定しているかは気づいていただろう。和尚が子ども達を全員帰らせて自分は本堂に引っ込んだので、手習い所にはすぐに雅勝とるいの二人しかいなくなった。
「あの……雅勝殿」
刀を外して縁側に座った雅勝の隣にやって来た彼女の姿を直視ができない。これほど近くにいるのに。共に先を生きて行く方法を真剣に考えて、まさか本当は最初から手の届かないところにいたとは、笑い話にもなりはしない。
「……行久様のこと、忠雅から話は聞いた」
「はい」
「それでお前は、どうするんだ?」
「どうするって……」
るいが目を開いて絶句したので、何か言ってはいけないことを言ってしまったのだということはわかった。だが彼女と出会うまでまともに係ったことがない所為なのか、女の思考回路が理解できない。他になんと言っていいのかわからず、結局、黙り込むしか術がなかった。
「どうしてそんなことを聞くんですか?そんなの決まっているじゃないですか。お断りします」
「しかし……」
そもそも武家の婚姻とは家の都合で決めることであって、本人の心情を斟酌しない。雅勝の場合は武家といっても元から大した家ではないし、樋口の家自体がもう潰れているので考えなくともよかったが、筆頭家老の家の娘が領主の弟に嫁ぐのであれば、それはもはや既定路線であろう。
「どうして言ってくれなかったんだ。お前は川口様の――」
元忍び里の娘が何故、正室の側近くに仕えることができたのか。母親の法要に帰る彼女にどうして御見の方がわざわざ影衆を付けたのか。今思えば些細な疑問は多々あったが、ようやく氷解した。そしてはじめから知っていたならば雅勝は決して、彼女を欲しいとは思わなかっただろう。
「――わたしは猪瀬の熊の娘です!それはあなただって知ってるじゃないですか!」
思い切り何かを投げつけられて、それが畳紙に包まれた自分の着物だと気が付いた。そういえば、直してもらえないかと頼んでいたのだったか。拾い上げた着物は斬られた箇所が丁寧に繕ってあって、一見、刃物の傷とはわからないようになっていた。
「明日のお昼に行久様の部屋に呼ばれているんです」
一瞬ぎくりとして、側女ではなく正室として望まれているわけだし、さすがに昼日中に夜伽などという滅多なことはないかと思い直す。――だがこれを動揺するなと言う方が無理だ。
「あの方が、何を考えてこんなことを言いだしたのかわからないですけど、そこできちんとお断りします。……お願いですから、わたしの気持ちを疑うことはやめて下さい」
膝の上で握りしめた小さな拳に、涙の滴が滴った。るいは人前で涙を見せたがらない。初めて涙を見たのは忍びの山里で、雅勝が素手で狼を殺した時のことだ。血まみれの手にしがみついて泣かれた涙が決意を固めた一つの大きな要因だったので、今も明確に覚えている。
今、彼女は多く泣いたわけではなかった。滴った涙の雫は一滴だけで、黒い瞳は濡れたまま、少々葉の茂り過ぎた寺の庭木に向けられている。
陣屋が襲撃を受けた時も、加賀谷の街でも、そして水谷の外れの農家の小屋でもそうだった。出会ってからずっと、この娘のこんな顔ばかり見て来たような気がする。涙を堪える横顔を痛ましく感じて、本当は濡れた手を握ってやりたかったのに、この時、どうしても手を伸ばすことができなかった。
しばらく手習い所を放っておいたので、少しは真面目に寺のことをやっておかないと和尚に追い出される危険がある。子ども達に教える教本を書き写そうと帰りに貸本屋に寄ってきたので、自室に戻って荷を解いて、灯りを入れて机に向かって墨をすって――その手が途中で止まってしまった。
わずかに開いた窓から覗く空は薄灰色の雲で曇っている。日が落ちたというのにじっとりと蒸し暑い。雨が降ってきたのか、ぽつぽつと天井を打つ音がした。その陰鬱な音を聞いていると、少し前に故郷であったことを思いだした。
人は生まれてくる家を選べない。忠雅やるいの生まれもそうだし、雅勝が子どもを売らないとならないほど貧しい武家に生まれたのもの己で選んだわけではない。それは百姓であっても大名であっても将軍家であっても同じだろう。――だからこそ人はそこに執着し、こだわり、捕らわれる。
正直に言うなら、雅勝自身も捕らわれている。時折こんな風に思い出しては、もうすぐ二十歳にもなろうといういい年をした男がいつまでも母親恋しい、妹恋しいでもないと自分で自分に言い聞かせて何とかやり過ごしているのだから、我ながら情けないと感じている。
ずっと持ち歩いていた袱紗の守り袋は、隠し戸の底にあるわずかばかりの蓄えと一緒にしまい込んで見えないふりをしていた。中身が中身なので捨ててしまうのはまずいかもしれないが、だったら燃やしてしまえばいいのに、今はまだ痛くて触れたくない――というのが正直な心情だった。
よやく墨が用意できたのに、まったく身が入らず、手に取った筆を置いてしまった。
――わたしは猪瀬の熊の娘です!それはあなただって知ってるじゃないですか!
人は生まれてくる家を選べない。だが彼女はそれを己の意思で選ぶというのか。自分は筆頭家老の息女ではなく、忍び里の長の娘であると。それこそ、雅勝を相手に激高して着物を投げるつける程に。
――どうか娘を……るいをよろしく頼み申す。
雅勝自身に子どもはいないが、妹が生まれてから三年あまり、半分親のように育てた経験上、子どもの幸せを願う気持ちは実感として理解ができた。
例え二度と会えなくても。名乗ることさえできなくとも。どれほど遠くにいても永遠に願っている。幸せであってくれと。今はまだ痛くて触れられない記憶の中で、その気持ちにだけは嘘はない。
ほとんど見ず知らずの男に頭を下げて震えていた逞しい肩。あれを親でないと思えという方が無理だ。大体、あの時、こちらだって細心の注意を払って誠心誠意振舞ったのだ。――本気で妻にしたい相手の親だと思えばこそ。
るいが自分自身を猪瀬の熊の娘だと思っているのならば、雅勝もそう考えるべきではないのか。それが彼女と共に生きたいと願った男にできる精一杯の誠意ではなかったか。
不意に打たれたように悟った気がして、文机の上で頭を抱えてしまった。
「これは……、全面的に俺が悪いな」
あの娘の芯の強さは知っていたが、まさかここまでとは思わなかった。るいは常に自分の意志で選んでいる。自分自身が何者であるか。そして共に生きる相手までも。明野領において影衆がどのような存在であるか、彼女とて今はもう知らない訳でもあるいまいに。
自分の人生を自分のものとして生きる強さ。それは金で買われた人間には決して手に入らないものだと思っていた。しかし本当は違ったのではないか。確かにこの世に金で買えないものはないのかもしれない。だが歯を食いしばって踏みとどまってでも、金に換えてはならないものがあるのではないか。――自分自身の人生だけは。
ようやく、泣かれたのではなく泣かせたのだと思い至った。共に生きると決めたのであれば、この事態に彼女一人で立ち向かわせるべきではなかった。これは熊殿に殴られても仕方がないかもしれない。
現実問題として、奥座敷に勤める侍女を影衆が呼び出すことはできない。雅勝から会おう思えば以前一度やったように、言伝を頼むか手紙でも渡すしかない。ようやく、教本を書き写すより先に書くべきものがあることに思い至った時、本降りになった雨が激しく天井を叩く音がした。
庭木の枝には葉が茂り、砂利の合間から生えた草の丈も大分高くなった。家賃を入れずに寺に置いてもらっている以上、庭木の手入れや破れた障子の修繕やらは雅勝の仕事である。明日あたりは寺にいて色々片付けようかと思っていた。
雅勝が今日は早く帰ってくることを和尚から聞いていたのかもしれない。開け放たれた手習い部屋の奥で、手習い所の少女達とるいが千代紙で何かを折っていた。
御見の方の遣いでちょくちょく寺にやって来るので、るいは既に手習い所の子ども達には顔馴染みである。数人で固まって楽しそうに折り紙をしている姿を少し遠くから見て、砂利を踏みしめる歩みが止まった。
女には他にいくらでも売り先があるからだろう。影衆に少女が売られてくることはない。だから雅勝はこれまで、この年頃の娘がこれほど劇的に変わって行くことを知らなかった。
綺麗になったものだと思う。最初に会った時は服装を抜きにしても少年にしか見えなかった。それがいつしか年頃の娘に見えるようになって、今では充分女に見える。――それも若くてとても綺麗な女に。
武智行久がどういう人物なのかまったく知らないが、義姉と甥の側近くに仕える彼女を見て欲しいと思った気持ちならば理解ができる。そしてそれは、影衆上がりで次席家老の家の下っ端の武士に嫁ぐより、はるかに幸せなことではないのか。
「あ、先生!」
しばらく雅勝が手習い所にいなかったので、子ども達が喜んで駆け寄ってくる。手習い張やそろばんを手にまとわりついてきた子ども達の相手をしようとした時、部屋の片づけをしていた和尚が子ども達に声をかけた。
「――お前たち、もうすぐ暗くなるぞ。早く帰れ」
仔細を話したわけではないが、二人で暮らす家が見つかるまで置いてくれと言ったので、一緒に暮らす相手に誰を想定しているかは気づいていただろう。和尚が子ども達を全員帰らせて自分は本堂に引っ込んだので、手習い所にはすぐに雅勝とるいの二人しかいなくなった。
「あの……雅勝殿」
刀を外して縁側に座った雅勝の隣にやって来た彼女の姿を直視ができない。これほど近くにいるのに。共に先を生きて行く方法を真剣に考えて、まさか本当は最初から手の届かないところにいたとは、笑い話にもなりはしない。
「……行久様のこと、忠雅から話は聞いた」
「はい」
「それでお前は、どうするんだ?」
「どうするって……」
るいが目を開いて絶句したので、何か言ってはいけないことを言ってしまったのだということはわかった。だが彼女と出会うまでまともに係ったことがない所為なのか、女の思考回路が理解できない。他になんと言っていいのかわからず、結局、黙り込むしか術がなかった。
「どうしてそんなことを聞くんですか?そんなの決まっているじゃないですか。お断りします」
「しかし……」
そもそも武家の婚姻とは家の都合で決めることであって、本人の心情を斟酌しない。雅勝の場合は武家といっても元から大した家ではないし、樋口の家自体がもう潰れているので考えなくともよかったが、筆頭家老の家の娘が領主の弟に嫁ぐのであれば、それはもはや既定路線であろう。
「どうして言ってくれなかったんだ。お前は川口様の――」
元忍び里の娘が何故、正室の側近くに仕えることができたのか。母親の法要に帰る彼女にどうして御見の方がわざわざ影衆を付けたのか。今思えば些細な疑問は多々あったが、ようやく氷解した。そしてはじめから知っていたならば雅勝は決して、彼女を欲しいとは思わなかっただろう。
「――わたしは猪瀬の熊の娘です!それはあなただって知ってるじゃないですか!」
思い切り何かを投げつけられて、それが畳紙に包まれた自分の着物だと気が付いた。そういえば、直してもらえないかと頼んでいたのだったか。拾い上げた着物は斬られた箇所が丁寧に繕ってあって、一見、刃物の傷とはわからないようになっていた。
「明日のお昼に行久様の部屋に呼ばれているんです」
一瞬ぎくりとして、側女ではなく正室として望まれているわけだし、さすがに昼日中に夜伽などという滅多なことはないかと思い直す。――だがこれを動揺するなと言う方が無理だ。
「あの方が、何を考えてこんなことを言いだしたのかわからないですけど、そこできちんとお断りします。……お願いですから、わたしの気持ちを疑うことはやめて下さい」
膝の上で握りしめた小さな拳に、涙の滴が滴った。るいは人前で涙を見せたがらない。初めて涙を見たのは忍びの山里で、雅勝が素手で狼を殺した時のことだ。血まみれの手にしがみついて泣かれた涙が決意を固めた一つの大きな要因だったので、今も明確に覚えている。
今、彼女は多く泣いたわけではなかった。滴った涙の雫は一滴だけで、黒い瞳は濡れたまま、少々葉の茂り過ぎた寺の庭木に向けられている。
陣屋が襲撃を受けた時も、加賀谷の街でも、そして水谷の外れの農家の小屋でもそうだった。出会ってからずっと、この娘のこんな顔ばかり見て来たような気がする。涙を堪える横顔を痛ましく感じて、本当は濡れた手を握ってやりたかったのに、この時、どうしても手を伸ばすことができなかった。
しばらく手習い所を放っておいたので、少しは真面目に寺のことをやっておかないと和尚に追い出される危険がある。子ども達に教える教本を書き写そうと帰りに貸本屋に寄ってきたので、自室に戻って荷を解いて、灯りを入れて机に向かって墨をすって――その手が途中で止まってしまった。
わずかに開いた窓から覗く空は薄灰色の雲で曇っている。日が落ちたというのにじっとりと蒸し暑い。雨が降ってきたのか、ぽつぽつと天井を打つ音がした。その陰鬱な音を聞いていると、少し前に故郷であったことを思いだした。
人は生まれてくる家を選べない。忠雅やるいの生まれもそうだし、雅勝が子どもを売らないとならないほど貧しい武家に生まれたのもの己で選んだわけではない。それは百姓であっても大名であっても将軍家であっても同じだろう。――だからこそ人はそこに執着し、こだわり、捕らわれる。
正直に言うなら、雅勝自身も捕らわれている。時折こんな風に思い出しては、もうすぐ二十歳にもなろうといういい年をした男がいつまでも母親恋しい、妹恋しいでもないと自分で自分に言い聞かせて何とかやり過ごしているのだから、我ながら情けないと感じている。
ずっと持ち歩いていた袱紗の守り袋は、隠し戸の底にあるわずかばかりの蓄えと一緒にしまい込んで見えないふりをしていた。中身が中身なので捨ててしまうのはまずいかもしれないが、だったら燃やしてしまえばいいのに、今はまだ痛くて触れたくない――というのが正直な心情だった。
よやく墨が用意できたのに、まったく身が入らず、手に取った筆を置いてしまった。
――わたしは猪瀬の熊の娘です!それはあなただって知ってるじゃないですか!
人は生まれてくる家を選べない。だが彼女はそれを己の意思で選ぶというのか。自分は筆頭家老の息女ではなく、忍び里の長の娘であると。それこそ、雅勝を相手に激高して着物を投げるつける程に。
――どうか娘を……るいをよろしく頼み申す。
雅勝自身に子どもはいないが、妹が生まれてから三年あまり、半分親のように育てた経験上、子どもの幸せを願う気持ちは実感として理解ができた。
例え二度と会えなくても。名乗ることさえできなくとも。どれほど遠くにいても永遠に願っている。幸せであってくれと。今はまだ痛くて触れられない記憶の中で、その気持ちにだけは嘘はない。
ほとんど見ず知らずの男に頭を下げて震えていた逞しい肩。あれを親でないと思えという方が無理だ。大体、あの時、こちらだって細心の注意を払って誠心誠意振舞ったのだ。――本気で妻にしたい相手の親だと思えばこそ。
るいが自分自身を猪瀬の熊の娘だと思っているのならば、雅勝もそう考えるべきではないのか。それが彼女と共に生きたいと願った男にできる精一杯の誠意ではなかったか。
不意に打たれたように悟った気がして、文机の上で頭を抱えてしまった。
「これは……、全面的に俺が悪いな」
あの娘の芯の強さは知っていたが、まさかここまでとは思わなかった。るいは常に自分の意志で選んでいる。自分自身が何者であるか。そして共に生きる相手までも。明野領において影衆がどのような存在であるか、彼女とて今はもう知らない訳でもあるいまいに。
自分の人生を自分のものとして生きる強さ。それは金で買われた人間には決して手に入らないものだと思っていた。しかし本当は違ったのではないか。確かにこの世に金で買えないものはないのかもしれない。だが歯を食いしばって踏みとどまってでも、金に換えてはならないものがあるのではないか。――自分自身の人生だけは。
ようやく、泣かれたのではなく泣かせたのだと思い至った。共に生きると決めたのであれば、この事態に彼女一人で立ち向かわせるべきではなかった。これは熊殿に殴られても仕方がないかもしれない。
現実問題として、奥座敷に勤める侍女を影衆が呼び出すことはできない。雅勝から会おう思えば以前一度やったように、言伝を頼むか手紙でも渡すしかない。ようやく、教本を書き写すより先に書くべきものがあることに思い至った時、本降りになった雨が激しく天井を叩く音がした。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
織田信長IF… 天下統一再び!!
華瑠羅
歴史・時代
日本の歴史上最も有名な『本能寺の変』の当日から物語は足早に流れて行く展開です。
この作品は「もし」という概念で物語が進行していきます。
主人公【織田信長】が死んで、若返って蘇り再び活躍するという作品です。
※この物語はフィクションです。
梅すだれ
木花薫
歴史・時代
江戸時代の女の子、お千代の一生の物語。恋に仕事に頑張るお千代は悲しいことも多いけど充実した女の人生を生き抜きます。が、現在お千代の物語から逸れて、九州の隠れキリシタンの話になっています。島原の乱の前後、農民たちがどのように生きていたのか、仏教やキリスト教の世界観も組み込んで書いています。
登場人物の繋がりで主人公がバトンタッチして物語が次々と移っていきます隠れキリシタンの次は戦国時代の姉妹のストーリーとなっていきます。
時代背景は戦国時代から江戸時代初期の歴史とリンクさせてあります。長編時代小説。長々と続きます。

三國志 on 世説新語
ヘツポツ斎
歴史・時代
三國志のオリジンと言えば「三国志演義」? あるいは正史の「三國志」?
確かに、その辺りが重要です。けど、他の所にもネタが転がっています。
それが「世説新語」。三國志のちょっと後の時代に書かれた人物エピソード集です。当作はそこに載る1130エピソードの中から、三國志に関わる人物(西晋の統一まで)をピックアップ。それらを原文と、その超訳とでお送りします!
※当作はカクヨムさんの「世説新語 on the Web」を起点に、小説家になろうさん、ノベルアッププラスさん、エブリスタさんにも掲載しています。
暁のミッドウェー
三笠 陣
歴史・時代
一九四二年七月五日、日本海軍はその空母戦力の総力を挙げて中部太平洋ミッドウェー島へと進撃していた。
真珠湾以来の歴戦の六空母、赤城、加賀、蒼龍、飛龍、翔鶴、瑞鶴が目指すのは、アメリカ海軍空母部隊の撃滅。
一方のアメリカ海軍は、暗号解読によって日本海軍の作戦を察知していた。
そしてアメリカ海軍もまた、太平洋にある空母部隊の総力を結集して日本艦隊の迎撃に向かう。
ミッドウェー沖で、レキシントン、サラトガ、ヨークタウン、エンタープライズ、ホーネットが、日本艦隊を待ち構えていた。
日米数百機の航空機が入り乱れる激戦となった、日米初の空母決戦たるミッドウェー海戦。
その幕が、今まさに切って落とされようとしていた。
(※本作は、「小説家になろう」様にて連載中の同名の作品を転載したものです。)
南町奉行所お耳役貞永正太郎の捕物帳
勇内一人
歴史・時代
第9回歴史・時代小説大賞奨励賞受賞作品に2024年6月1日より新章「材木商桧木屋お七の訴え」を追加しています(続きではなく途中からなので、わかりづらいかもしれません)
南町奉行所吟味方与力の貞永平一郎の一人息子、正太郎はお多福風邪にかかり両耳の聴覚を失ってしまう。父の跡目を継げない彼は吟味方書物役見習いとして南町奉行所に勤めている。ある時から聞こえない正太郎の耳が死者の声を拾うようになる。それは犯人や証言に不服がある場合、殺された本人が異議を唱える声だった。声を頼りに事件を再捜査すると、思わぬ真実が発覚していく。やがて、平一郎が喧嘩の巻き添えで殺され、正太郎の耳に亡き父の声が届く。
表紙はパブリックドメインQ 著作権フリー絵画:小原古邨 「月と蝙蝠」を使用しております。
2024年10月17日〜エブリスタにも公開を始めました。
獅子の末裔
卯花月影
歴史・時代
未だ戦乱続く近江の国に生まれた蒲生氏郷。主家・六角氏を揺るがした六角家騒動がようやく落ち着いてきたころ、目の前に現れたのは天下を狙う織田信長だった。
和歌をこよなく愛する温厚で無力な少年は、信長にその非凡な才を見いだされ、戦国武将として成長し、開花していく。
前作「滝川家の人びと」の続編です。途中、エピソードの被りがありますが、蒲生氏郷視点で描かれます。

狩野岑信 元禄二刀流絵巻
仁獅寺永雪
歴史・時代
狩野岑信は、江戸中期の幕府御用絵師である。竹川町狩野家の次男に生まれながら、特に分家を許された上、父や兄を差し置いて江戸画壇の頂点となる狩野派総上席の地位を与えられた。さらに、狩野派最初の奥絵師ともなった。
特筆すべき代表作もないことから、従来、時の将軍に気に入られて出世しただけの男と見られてきた。
しかし、彼は、主君が将軍になったその年に死んでいるのである。これはどういうことなのか。
彼の特異な点は、「松本友盛」という主君から賜った別名(むしろ本名)があったことだ。この名前で、土圭之間詰め番士という武官職をも務めていた。
舞台は、赤穂事件のあった元禄時代、生類憐れみの令に支配された江戸の町。主人公は、様々な歴史上の事件や人物とも関りながら成長して行く。
これは、絵師と武士、二つの名前と二つの役職を持ち、張り巡らされた陰謀から主君を守り、遂に六代将軍に押し上げた謎の男・狩野岑信の一生を読み解く物語である。
投稿二作目、最後までお楽しみいただければ幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる