上 下
113 / 125

107.苦労しか

しおりを挟む
「さて、他に聞きたいことはありますか?」
「そうだな」

 カタログについては理解したので聞きたいことはないのだが、

「神様はどうして俺を転生させてこんな配信をさせてるんだ?」

 俺にとっての一番のナゾを唯一答えられそうな天使に聞いてみた。

「それは、神様が楽しむためですよ」
「は?」

 その答えに自然と拳を握った。

〉マジか~
〉ホントにただただ神様が楽しむためにやっていたことなのか
〉そんなことのために転生までさせるって
〉神様って理不尽な存在だよな
〉それに付き合わされるほうの身にもなってほしいぜ
〉仕方ないよ。だってこれは
〉暇をもてあました
〉神々の
〉遊び
〉やっぱり最低な遊びだな!

「レインの怒りはもっともです。私も普段から振り回されている側なので、多少でもレインの怒りを理解できます」
「天使も苦労してるんだな」
「えぇ。苦労しかありません。
 ですので、向こうに戻ったら神を一発殴っておきますよ。レインの怒りも込めて」

 そう言いながら天使は拳を突き出してきた。

「頼む」

 俺も拳を突き出してグータッチする。

「承りました」

〉天使が神様を殴る宣言ってwww
〉いいのか?
〉ってか殴れるのか!?
〉殴っても大丈夫なのか!?

「大丈夫ですよ。色々とやらかしてるので結構日常的に殴ってますし」

〉日常的に色々やらかす神様ってwww
〉それを日常的に殴る天使www
〉色々異常すぎてわけわからんwww
〉そんなのでこの世界大丈夫なのか!?
〉とてつもなく心配だ!

「最悪の事態にはなってないので大丈夫でしょう。そうならないように私が殴っているのですし」

〉あれ?もしかして………
〉この世界の支配者って………
〉天使………なのか………
〉あはは、まさか、な
〉違う、よな?

「そう思いますか?」

〉いやいやいや!
〉そんなわけないだろ!
〉ありえないありえない!
〉もしそうだったとしたら、そんな天使で変なことを考えた俺達は………

「リスナーのみなさん。ここ一週間ぐらいは家では角に注意しましょうね」

〉角………だと………
〉どういうことだ?
〉何に注意しろと言うんだ!?
〉まさか!?

「こ・ゆ・び」

〉地味に痛い天罰だ!
〉ご勘弁を!
〉それだけは!それだけは!
〉なにとぞ!なにとぞ!

「では、レイン。さよならの時間です」
「あぁ。神に一発キツいのを食らわせてやってくれ」
「はい」

 いい笑顔の天使と、阿鼻叫喚のコメントを見ながら俺の意識は遠のいた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

天使「倒れている今のうちにもう数発いっときますか」
神「ガハッ!グフッ!ゴフッ!」
天使「はぁ。まだ打ちたりませんね」
神「ガハッ!ゴフッ!」
天使「もう少し」
神「やめい!神はサンドバッグじゃねーんだぞ!」
天使「サンドバッグ以下ですもんね」
神「なわけあるか!」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

可愛いけど最強? 異世界でもふもふ友達と大冒険!

ありぽん
ファンタジー
[お知らせ] 書籍化決定!! 皆様、応援ありがとうございます!!      2023年03月20日頃出荷予定です!! 詳しくは今後の刊行予定をご覧ください。  施設で暮らす中学1年生の長瀬蓮。毎日施設の人間にいいように使われる蓮は、今日もいつものように、施設の雑用を押し付けられ。ようやく自分の部屋へ戻った時には、夜22時を過ぎていた。  そして自分お部屋へ戻り、宿題をやる前に少し休みたいと、ベッドに倒れ込んだ瞬間それは起こった。  強い光が蓮を包み込み、あまりの強い光に目をつぶる蓮。ようやく光が止んできたのが分かりそっと目を開けると…。そこは今まで蓮が居た自分の部屋ではなく、木々が生い茂る場所で。しかも何か体に違和感をおぼえ。  これは蓮が神様の手違いにより異世界に飛ばされ、そこで沢山の友達(もふもふ)と出会い、幸せに暮らす物語。 HOTランキングに載せていただきました。皆様ありがとうございます!! お気に入り登録2500ありがとうございます!!

学園テンセイ劇場 -目が覚めたら悪役令嬢の双子の姉にTS転生してた件について-

名無しさん家の権兵衛さん
ファンタジー
 とあるアラサー社会人(独身男性)は、いま時にしては珍しい男女兼用恋愛ゲーム『学園レンアイ劇場』――通称『レン劇』のプレイヤー。それも、孤独を紛らわすために始めたつもりが、シナリオ性にはまり込んで総プレイ時間400時間超を叩き出すほどの廃プレイヤーとなっていた。  そんな彼は、ここ最近仕事が原因の過労で注意力が散漫になっていた。それでも休むことを最低限に仕事にいそしんでいた結果、彼は近づいてきていた自動車に気づかず撥ねられてしまう。  次に目が覚めた時、彼は『レン劇』に登場する悪役令嬢の一人――の双子の姉にして、男性主人公の攻略キャラである西園寺瑞樹に憑依転生していていた。  彼は最初は悪役令嬢である双子の妹の影響で家が没落してもどうにかなるように、と後ろ向きな姿勢を見せていたが――  よくある恋愛ゲームキャラクター転生もの、だけどちょっとだけ変化球なヒューマンドラマ。明日はどこへ向かうのか!? ※この小説は小説家になろうでも連載しています

錬金術師カレンはもう妥協しません

山梨ネコ
ファンタジー
「おまえとの婚約は破棄させてもらう」 前は病弱だったものの今は現在エリート街道を驀進中の婚約者に捨てられた、Fランク錬金術師のカレン。 病弱な頃、支えてあげたのは誰だと思っているのか。 自棄酒に溺れたカレンは、弾みでとんでもない条件を付けてとある依頼を受けてしまう。 それは『血筋の祝福』という、受け継いだ膨大な魔力によって苦しむ呪いにかかった甥っ子を救ってほしいという貴族からの依頼だった。 依頼内容はともかくとして問題は、報酬は思いのままというその依頼に、達成報酬としてカレンが依頼人との結婚を望んでしまったことだった。 王都で今一番結婚したい男、ユリウス・エーレルト。 前世も今世も妥協して付き合ったはずの男に振られたカレンは、もう妥協はするまいと、美しく強く家柄がいいという、三国一の男を所望してしまったのだった。 ともかくは依頼達成のため、錬金術師としてカレンはポーションを作り出す。 仕事を通じて様々な人々と関わりながら、カレンの心境に変化が訪れていく。 錬金術師カレンの新しい人生が幕を開ける。 ※小説家になろうにも投稿中。

離縁された妻ですが、旦那様は本当の力を知らなかったようですね? 魔道具師として自立を目指します!

椿蛍
ファンタジー
【1章】 転生し、目覚めたら、旦那様から離縁されていた。   ――そんなことってある? 私が転生したのは、落ちこぼれ魔道具師のサーラ。 彼女は結婚式当日、何者かの罠によって、氷の中に閉じ込められてしまった。 時を止めて眠ること十年。 彼女の魂は消滅し、肉体だけが残っていた。 「どうやって生活していくつもりかな?」 「ご心配なく。手に職を持ち、自立します」 「落ちこぼれの君が手に職? 無理だよ、無理! 現実を見つめたほうがいいよ?」 ――後悔するのは、旦那様たちですよ? 【2章】 「もう一度、君を妃に迎えたい」 今まで私が魔道具師として働くのに反対で、散々嫌がらせをしてからの再プロポーズ。 再プロポーズ前にやるのは、信頼関係の再構築、まずは浮気の謝罪からでは……?  ――まさか、うまくいくなんて、思ってませんよね? 【3章】 『サーラちゃん、婚約おめでとう!』 私がリアムの婚約者!? リアムの妃の座を狙う四大公爵家の令嬢が現れ、突然の略奪宣言! ライバル認定された私。 妃候補ふたたび――十年前と同じような状況になったけれど、犯人はもう一度現れるの? リアムを貶めるための公爵の罠が、ヴィフレア王国の危機を招いて―― 【その他】 ※12月25日から3章スタート。初日2話、1日1話更新です。 ※イラストは作成者様より、お借りして使用しております。

F級テイマーは数の暴力で世界を裏から支配する

ゆーき@書籍発売中
ファンタジー
ある日、信号待ちをしていた俺は車にひかれて死んでしまった。 そして、気が付けば異世界で、貴族家の長男に転生していたのだ! 夢にまで見た異世界に胸が躍る――が、5歳の時に受けた”テイム”の祝福が、最低位のF級!? 一縷の望みで測った魔力容量と魔力回路強度も平凡だって!? 勘当されたら、その先どうやって生きてけばいいんだー! と、思っていたのだが…… 「あれ? 俺の”テイム”何かおかしくね?」 ちょくちょくチートな部分があったことで、俺は”強く”なっていくのであった

グーダラ王子の勘違い救国記~好き勝手にやっていたら世界を救っていたそうです~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
ある日、ティルナグ王国の自堕落王子として有名なエルクは国王である父から辺境へ追放を言い渡される。 その後、準備もせずに木の上で昼寝をしていると、あやまって木から落ちてしまう。 そして目を覚ますと……前世の記憶を蘇らせていた。 これは自堕落に過ごしていた第二王子が、記憶を甦らせたことによって、様々な勘違いをされていく物語である。 その勘違いは種族間の蟠りを消していき、人々を幸せにしていくのだった。

危険な森で目指せ快適異世界生活!

ハラーマル
ファンタジー
初めての彼氏との誕生日デート中、彼氏に裏切られた私は、貞操を守るため、展望台から飛び降りて・・・ 気がつくと、薄暗い洞窟の中で、よくわかんない種族に転生していました! 2人の子どもを助けて、一緒に森で生活することに・・・ だけどその森が、実は誰も生きて帰らないという危険な森で・・・ 出会った子ども達と、謎種族のスキルや魔法、持ち前の明るさと行動力で、危険な森で快適な生活を目指します!  ♢ ♢ ♢ 所謂、異世界転生ものです。 初めての投稿なので、色々不備もあると思いますが。軽い気持ちで読んでくださると幸いです。 誤字や、読みにくいところは見つけ次第修正しています。 内容を大きく変更した場合には、お知らせ致しますので、確認していただけると嬉しいです。 「小説家になろう」様「カクヨム」様でも連載させていただいています。 ※7月10日、「カクヨム」様の投稿について、アカウントを作成し直しました。

悪役令嬢は永眠しました

詩海猫
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」 長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。 だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。 ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」 *思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

処理中です...