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130.鬼教官が

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「はい!みんな!練習を止めて集合!」

 俺がそう声をかけるとみんな一瞬で集まってきた。

「みんな布の扱いも慣れてきたし、そろそろ飛ぶ練習でもしようか」
『うぉーーー!』

〉うおっ!
〉なんだなんだ!
〉地鳴りか!
〉み、耳が………
〉鼓膜が………
〉急な雄叫びは………
〉これは………
〉予想外………

 みんなにとっては待ちに待ったことなので雄叫びをあげることは予想してたよ。だからこそ、耳栓代わりに音を遮断する結界を耳に張ったのでダメージはない。

「はいはい。嬉しいのはわかるけどまだ飛べたわけでもないし、叫ぶ前に練習するよ」
『うぉーーー!』

 俺の言葉を聞いていたはずなのにまた叫びだすみんな。

《これは不治の病だったのか………》

〉また叫ばれてレインが遠い目をしてるwww
〉叫ぶ前に練習とか言ったのに叫ばれて遠い目をしてるwww
〉でも言いたいことはわかるwww
〉こうも連続で叫ばれるとなwww
〉ホントに鼓膜がヤベーよwww
〉ミミガー!
〉それは沖縄料理の豚の耳だろが!

 リスナー達のボケも不治の病だろうな。

「まずは翼の形を作るところから。この時注意しないといけないのは翼の大きさだね。みんな翼は大きいほうがいいと思ってないかな?」

 俺の問いに祖母様達を含むほとんどの騎士達が頷いている。

〉そりゃあ大きいほうがいいだろ?
〉大は小を兼ねるっていうだろ?
〉その方が羽ばたいた時により風を捉えて飛びやすくなるだろうからな
〉デカいは正義だぜ!

「確かに大きいほうが安定して飛べるだろうけど、翼を大きくするということはそれだけ多くの魔力を使うわけだから長く翼を維持することは出来なくなる。かといって小さすぎると飛ぶとこすら出来ない。とはいえ、俺もどれくらいの大きさの翼がベストなのか知らないし、人それぞれにあった翼の大きさがあるだろうから、それはこれから練習していって確かめていこう」
『はい!』
「それじゃあまずは伸ばした腕と同じくらいの翼を作ってみて」
『はい!』

〉えっと………
〉一糸乱れぬ返事が返ってくるって………
〉これってどこの軍隊の練習風景ですか?
〉なんかちょっと怖いんですけど………
〉もう少しにこやかに出来ませんか?

《元々騎士団の訓練の延長線上みたいなものだからしかたないだろ?》

〉そうだけど!
〉というか鬼教官のお前のせいじゃないのか!?
〉幼児が鬼教官ってwww
〉異常者だからそうなってもおかしくないかwww
〉そして鬼教官か異常者だから部下も異常者に育つ、と
〉ヤベーじゃんwww
〉ヤバすぎるなwww

 何もヤバくはないというか、俺は鬼教官になったつもりもなければ騎士団を部下にしたわけでもないんだけどな。

 まぁ、それを言ったところでリスナー達が止まるわけでもないしおなじみとなった無視でいいだろう。

「それじゃあ練習開始」
『はい!』
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