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76.ババン!
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差し出されたユファ婆さまの手のひらに手を重ね、まずはユファ婆さまの魔力を可視化してみて色を探る。
《やっぱり赤か》
〉やっぱり赤か、って唐突につぶやかれてもな
〉なんのこと?ってなるじゃん
〉問題
〉ババン!
〉レインが呟いた赤とはなんの色のことでしょう?
〉髪の毛!
〉見てわかるような答えなわけあるか
〉パンツの色とか?
〉まさか!?
〉いつの間に見たんだ!?
〉そんな派手なパンツを履いているなんて!
〉アホね
〉バカね
〉この変態ども
〉少し黙りなさい
〉はい………
〉すいません………
〉流れからいってユファ婆さまの魔力の色だろ?
〉そうじゃなかったらホントにわけがわからないけど
〉まさか、この流れでそれ以外のことってありえないよな
〉では、レイン。正解は?
リスナー達が唐突に始めたクイズでそんな風に盛り上がられても困るわけだけど。
《いや、別に問題として呟いたわけじゃねーんだけどな。まぁユファ婆さまの魔力の色なんだけどさ》
しかし、家族とだけあって同じ赤か。これならすぐに魔力を通せるかな。
〉よっしゃー!
〉やっぱりね!
〉見事に正解したぜ!
〉くそっ!
〉流れ的にそうだよな!
〉これが俺の頭の限界か!
〉正解者には10ポイント獲得
〉ちなみに、100ポイント貯まると景品としてレインが異世界に招待してくれます
〉マジか!
〉やった!
〉異世界に一歩近づいたな!
〉くそっ!
〉なんてことだ!
〉それだったらもっと真剣に考えたのに!
〉悔しがってもあとの祭りwww
〉この一歩の差はデカいwww
〉出遅れ乙www
なんか勝手に景品とか言い出し始めたのでしっかりと言っておこう。
《そもそもクイズとかポイントとか景品とか言われても知るかって言うけどな》
勝手にクイズを始めてポイント貯まったから景品くれと言われて「はいどうぞ」と言うヤツはどこにもいないだろう。
〉じゃあ俺がもらったポイントは!?
〉どうすればいいんだよ!
〉せっかく正解したのに!
〉ぷぷっwww
〉ご愁傷さまwww
〉残念だったなwww
〉くそぉ!くそぉ!
勝手に一喜一憂しているリスナー達は放置して、ユファ婆さまの方に集中する。
色は赤だとわかったので魔力を通そうとしてみるけど通らない。
これはどういうことだ………。
同じ赤のはずなのにと思いながら、自分の魔力の赤ともユファ婆さまの魔力の赤をよく見比べても同じ赤にしか見えない。
しかし、俺の魔力が通らないとなると、同じように見えて違う赤ということなのだろう。
まぁ、さっきみんなに魔力を個性と表現したし、同じような個性でも完全に一致する個性なんてないわけだから、通らなくても不思議ではないか。
そう思い直したらすぐに魔力をユファ婆さまの魔力と同化させる。
魔力の同化にかかった時間はやっぱりキュリアスの時より早かった。
やっぱり家族とだけあってか、すぐに色が合ったな。
「ユファ婆さま。それじゃあ魔力を通すよ」
「あぁ。やってちょうだい」
少し身構えたユファ婆さまに魔力を通す。
身構えただけあってキュリアスのような声は出さなかったが、やっぱりくすぐったいのか少し動いた。
〉とうとうユファ婆さまにまでツッコんだのか
〉ひ孫が曾祖母さんにツッコんでるwww
〉それだけ聞くとヤバすぎるんだがwww
〉ひ孫にツッコまれて嬉しそうな曾祖母さんwww
〉確かにユファ婆さまは笑顔だけどwww
〉絵面は微笑ましいはずなのにwww
〉コメントのせいで変なことをしているように見えちまうwww
《だったら変なコメント書くな。変なことを想像するな。変な方向に持っていこうとするな》
リスナー達が変な方向へと持っていかなければ、ホントにほのぼのとした微笑ましい光景のはずなのにな。
やっていることが微笑ましいことかは別として。
そうこうしているうちにユファ婆さまの魔力の塊に到着した。
「ユファ婆さま。魔力の塊がわかりましたか?」
「えぇ」
「それじゃあ、俺が繋げた糸をつたって手のひらまで魔力を移動させてみてね」
そのために繋げた糸は初めからパイプのような形にしていた。
「わかったわ」
ユファ婆さまは集中し始めたので俺は待つだけだ。
「あの、レイン様」
キュリアスがユファ婆さまの集中を乱さないように小声で話しかけてきた。
まさかこのタイミングで話しかけてくるとは思っていなかったので少し驚いたが、ユファ婆さまの集中は途切れていないようなので、話を聞くためにドローンを作ってユファ婆さまから離れる。
「なに?」
「私の時よりユファ様の時の方が魔力を通し始めるまでに時間がかからなかったのですが、それはやっぱり家族だから魔力を同化させる必要がなかったからなのですか?」
〉早かったのか?
〉わからない
〉そんなの気にしてなかったな
〉でも同じ赤だしな
〉その可能性はあるよな
〉家族だしな
〉どうなんだ?
「家族だからっていうのは少しはあるかな。でも、同化はしないといけないよ」
《やっぱり赤か》
〉やっぱり赤か、って唐突につぶやかれてもな
〉なんのこと?ってなるじゃん
〉問題
〉ババン!
〉レインが呟いた赤とはなんの色のことでしょう?
〉髪の毛!
〉見てわかるような答えなわけあるか
〉パンツの色とか?
〉まさか!?
〉いつの間に見たんだ!?
〉そんな派手なパンツを履いているなんて!
〉アホね
〉バカね
〉この変態ども
〉少し黙りなさい
〉はい………
〉すいません………
〉流れからいってユファ婆さまの魔力の色だろ?
〉そうじゃなかったらホントにわけがわからないけど
〉まさか、この流れでそれ以外のことってありえないよな
〉では、レイン。正解は?
リスナー達が唐突に始めたクイズでそんな風に盛り上がられても困るわけだけど。
《いや、別に問題として呟いたわけじゃねーんだけどな。まぁユファ婆さまの魔力の色なんだけどさ》
しかし、家族とだけあって同じ赤か。これならすぐに魔力を通せるかな。
〉よっしゃー!
〉やっぱりね!
〉見事に正解したぜ!
〉くそっ!
〉流れ的にそうだよな!
〉これが俺の頭の限界か!
〉正解者には10ポイント獲得
〉ちなみに、100ポイント貯まると景品としてレインが異世界に招待してくれます
〉マジか!
〉やった!
〉異世界に一歩近づいたな!
〉くそっ!
〉なんてことだ!
〉それだったらもっと真剣に考えたのに!
〉悔しがってもあとの祭りwww
〉この一歩の差はデカいwww
〉出遅れ乙www
なんか勝手に景品とか言い出し始めたのでしっかりと言っておこう。
《そもそもクイズとかポイントとか景品とか言われても知るかって言うけどな》
勝手にクイズを始めてポイント貯まったから景品くれと言われて「はいどうぞ」と言うヤツはどこにもいないだろう。
〉じゃあ俺がもらったポイントは!?
〉どうすればいいんだよ!
〉せっかく正解したのに!
〉ぷぷっwww
〉ご愁傷さまwww
〉残念だったなwww
〉くそぉ!くそぉ!
勝手に一喜一憂しているリスナー達は放置して、ユファ婆さまの方に集中する。
色は赤だとわかったので魔力を通そうとしてみるけど通らない。
これはどういうことだ………。
同じ赤のはずなのにと思いながら、自分の魔力の赤ともユファ婆さまの魔力の赤をよく見比べても同じ赤にしか見えない。
しかし、俺の魔力が通らないとなると、同じように見えて違う赤ということなのだろう。
まぁ、さっきみんなに魔力を個性と表現したし、同じような個性でも完全に一致する個性なんてないわけだから、通らなくても不思議ではないか。
そう思い直したらすぐに魔力をユファ婆さまの魔力と同化させる。
魔力の同化にかかった時間はやっぱりキュリアスの時より早かった。
やっぱり家族とだけあってか、すぐに色が合ったな。
「ユファ婆さま。それじゃあ魔力を通すよ」
「あぁ。やってちょうだい」
少し身構えたユファ婆さまに魔力を通す。
身構えただけあってキュリアスのような声は出さなかったが、やっぱりくすぐったいのか少し動いた。
〉とうとうユファ婆さまにまでツッコんだのか
〉ひ孫が曾祖母さんにツッコんでるwww
〉それだけ聞くとヤバすぎるんだがwww
〉ひ孫にツッコまれて嬉しそうな曾祖母さんwww
〉確かにユファ婆さまは笑顔だけどwww
〉絵面は微笑ましいはずなのにwww
〉コメントのせいで変なことをしているように見えちまうwww
《だったら変なコメント書くな。変なことを想像するな。変な方向に持っていこうとするな》
リスナー達が変な方向へと持っていかなければ、ホントにほのぼのとした微笑ましい光景のはずなのにな。
やっていることが微笑ましいことかは別として。
そうこうしているうちにユファ婆さまの魔力の塊に到着した。
「ユファ婆さま。魔力の塊がわかりましたか?」
「えぇ」
「それじゃあ、俺が繋げた糸をつたって手のひらまで魔力を移動させてみてね」
そのために繋げた糸は初めからパイプのような形にしていた。
「わかったわ」
ユファ婆さまは集中し始めたので俺は待つだけだ。
「あの、レイン様」
キュリアスがユファ婆さまの集中を乱さないように小声で話しかけてきた。
まさかこのタイミングで話しかけてくるとは思っていなかったので少し驚いたが、ユファ婆さまの集中は途切れていないようなので、話を聞くためにドローンを作ってユファ婆さまから離れる。
「なに?」
「私の時よりユファ様の時の方が魔力を通し始めるまでに時間がかからなかったのですが、それはやっぱり家族だから魔力を同化させる必要がなかったからなのですか?」
〉早かったのか?
〉わからない
〉そんなの気にしてなかったな
〉でも同じ赤だしな
〉その可能性はあるよな
〉家族だしな
〉どうなんだ?
「家族だからっていうのは少しはあるかな。でも、同化はしないといけないよ」
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