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26.燃え燃え
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「あのバカ孫が!」
曾祖父さんが机を叩いた。
〉曾祖父さん激怒!
〉そりゃ怒るよな~
〉子供を道具と考えてるからな
〉孫がそんな人間に成長してるなんて最悪だろうな
〉自分の孫がとか思うとゾッとするぜ
〉あなたはそれより前に嫁を探さないとね
〉その前に彼女だろ
〉よよよ嫁はまだでももももかかかかかにょにょぎゅりゃいいりゅわ
〉後半カミカミwww
〉はいダウトwww
〉わかりやすいぐらい動揺してるwww
〉なんかごめんね
〉謝るな!余計にみじめになる!
《はいはい。それくらいにしとけ》
リスナー達をなだめつつ曾祖父さんに声をかける。
「お怒りはわかりますが、今はこの件を早く終わらせたいのでまずは裏の組織を捕まえるための人員を用意出来ますか?」
「そうだな。
リブル。すぐにオルフィールを呼べ」
「かしこまりました」
一礼した曾祖父さん付きの執事のリブルさんはすぐに部屋を出ていった。
〉レイン。オルフィールって?
《俺も初耳の名前だから知らない》
〉知らないのか~
〉知らないんだ~
何度でも言うが、俺はまだ赤ちゃんなので知らないことのほうが多いのだ。
「ありがとう、レイン。今回はお前のおかげで早くことが済みそうだ」
ホッとした様子で曾祖父さんは俺に頭を下げてきた。
早くことが済みそうという言葉に俺もホッとした。
「いえ。俺としてもどうにかしたいと思っていたことですので、こちらこそ感謝します」
そう答えると、曾祖父さんは俺型ドローンをまじまじと見てきた。
〉うわっ
〉曾祖父さんのどアップ!
〉誰得の映像だ!?
〉おや、近くで見るといい男じゃないかい
〉私は老眼でよく見えないわ
〉うちの爺さんよりいい男じゃないか
〉ババ得な映像だったwww
〉結構ババアが居て草
〉ババアが配信見ちゃ悪いっていうんかい?
〉今どきのババアは配信だって見るんだよ
〉ババアだからってなめんじゃないよ
〉わかったかい、ガキども
〉はい!
〉すいませんでした!
〉認識を改めます!
ババア達が若者達を粛正しているコメント欄に内心で苦笑したが、まぁ誰得かと聞かれればババ得だというのには内心同意しておこう。
「レイン。この魔法の効果はどんなんだ?」
「そうですね。遠く離れた場所の人とこうして会話が出来ますし、これが見ているものが俺にも見えてます」
「つまり、今は俺の顔が見えているわけか」
「えぇ、近すぎるくらいです」
軽く注意するも、曾祖父さんは離れようとはしなかったのでドローンの方を離した。
「今浮いたが、浮くことが出来るのは浮遊魔法なのか?」
「浮遊というより飛行と言ったほうが正しいですかね」
「飛行魔法だと!?
レイン自身は飛ぶことは出来るのか!?」
急にテンションが上がった曾祖父さんに少し驚いた。
そこまで食いつく話なのか?
「飛び回ったことはありませんが、軽く浮いたことはありますね」
〉曾祖父さんが魔法に興味津々で質問攻めしてるwww
〉見たことも聞いたこともない魔法だし仕方ないだろ
〉ってか、レイン飛べるのか!?
〉マジか!?
《だから、浮いただけだって》
本当にシーナさん達の目を盗んで一瞬フワッと浮いたくらいなので飛んだわけではない。
〉でも、浮けたということは飛ぶことも出来るってことだろ!
〉スゲーじゃん!
〉やっぱ魔法がある世界なら飛べないとな!
〉夢だよな~
リスナー達が飛べることについて盛り上がっていると、
「俺でも浮けるか!?」
さらにテンションが上がった曾祖父さんが身を乗り出して接近してきた。
〉うおっ!
〉また来た!
〉ちょっと驚いたわね!
〉私達以上にテンション高いわね!
ホントに困るくらいのテンションの高さなので、ドローンをさらに後ろへ下げた。
〉曾祖父さんの食いつきがハンパねぇ!
〉それだけ曾祖父さんも飛びたいんだよ!
〉やっぱり夢なんだろうな!
〉空を飛ぶ。長年の人類の夢なんだな
《いや、日本だとハンググライダーとかで空を飛べるだろ》
〉やっぱり生身一つで空を飛びたいじゃん!
〉道具に頼らず飛びたいじゃん!
〉そうなると魔法しかないじゃん!
〉だからこそ曾祖父さんの気持ちはわかるんだよ!
〉それぐらい俺達の飛びたい熱は熱いんだよ!
《そこまでか!?》
しかし、そういわれてもリスナー達はもちろん魔法が使えないので飛べるわけもなく、曾祖父さんに関しても浮けるかどうかはわからない。
なぜなら、
「俺も他人に教えたことがあるわけではないので曾お祖父様が浮けるかはわかりません」
「そうか」
俺の答えに落ち着いたのか、曾祖父さんは椅子に座り直した。
〉しかし、冷静そうな曾祖父さんのテンションがここまで上がるとはな!
〉やっぱり異世界でも浮遊や飛行は夢の魔法なんだな!
〉だから、ちょっと浮くだけでもいいから見せてくれよ!
《シーナさん達がいるうえに赤ちゃんに両裾を掴まれた状態で浮けるか!》
そんなことをすれば大騒ぎになって親達にもそのことが伝わるだろう。そうなれば俺のスローライフが終わってしまう。
〉そんなこと言わずにさ~
〉まだ俺達魔法らしい魔法を見たことないんだしさ~
〉ちょっとくらいいいだろ~
〉頼むよ~
《無理だから!》
強めに拒否するも、この程度ではリスナーが素直に引くわけもなく、
〉えー!
〉ケチー!
〉ちょっとくらいいいだろ!
〉浮~け!
〉浮~け!
〉浮~け!
〉浮~け!
《強要はイジメだと思います!》
〉浮~けwww
〉浮~けwww
〉浮~けwww
〉浮~けwww
《wwwってつけてればイジメにならないと思うなよ!》
どうにかこの流れを切れないかと考えていると、ドアのノック音で曾祖父さんの表情がキリッとしたものに変わった。
〉おぉ見事な変化だな
〉普段から使い分けしてるんだろうな
〉貴族社会って大変そう
ラッキー。ナイスタイミング。
多分、オルフィールさんを呼びに行ったリブルさんが帰ってきたのだろう。
おかげで俺への浮けコールが止まった。
これを逃す手はないと話題を変えるために一言。
《今回のことに関係なく家を出てやろうか》
〉赤ちゃんの時点ですでに貴族社会に嫌気が差してて草
〉これってもはや家出待ったなしなんじゃねwww
〉親があんなんじゃなくても結局は家出するんじゃねwww
可能性はあるけど、親の件が片付けばとりあえず落ち着くとは思う。
「入れ」
「失礼します」
曾祖父さんの言葉でリブルさんが鎧姿の女性を連れて入ってきた。
「オルフィールを連れてきました」
「ありがとう。リブル。そしてオルフィール。訓練中に呼び出してすまないな」
「いえ。それで、ご要件とは」
「うちのバカ孫が愚かな行いをしているとの情報をえたので、その確認と後始末をかねて今晩に裏の組織のアジトを制圧する。その作戦を話し合うために呼んだのだ」
「なるほど。とうとうワイザー様がやらかしましたか」
オルフィールさんの言葉に危うく吹き出しそうになった。
〉ブフッwww
〉うわっ。とうとうとか言われてるしwww
〉つまり、前々からなにかやらかしそうとは思われてたんだなwww
〉初めから信用無し、とwww
リスナー達は思いっきり笑ってるし。
《あんな態度だったら当然とも言えるだろうな》
その証拠に、曾祖父さんやリブルさん、ジルベイルさんも苦笑するだけでオルフィールさんを叱ろうとはしなかった。
「それで、裏の組織のアジトの場所はどこなんですか?」
「リブル」
リブルさんが机に地図を広げた。
「レイン。アジトの場所はどこだ?」
「はい?」
俺のことを知らないせいで戸惑っているオルフィールさんをよそに、俺は地図を一通り見てから一箇所に着地して指さした。
「ここですね」
「えっ?」
「そこか」
「か」
「はい」
「可愛い!!」
突然オルフィールさんに抱きしめられたことにより、ドローンの映像が一瞬激しく揺れて乱れた。
〉なにがおきた!
〉どうした!
〉ただでさえ2画面で見てるのに
〉その片方だけ揺れられると
〉うぇ~
俺も片目しかコンタクト型モニターを入れていないので少し気分が悪くなった。
「小さくてプニプニして触り心地が気持ちいいですし、飛んで喋ってなんですか!なんなんですか!この可愛い生き物は!」
「落ち着け!オルフィール!」
「はっ!」
曾祖父さんの一喝で我に返ったオルフィールさんはドローンを離してくれたので、俺はオルフィールさんから一気に距離を取った。
「あぁ~」
オルフィールさんが物悲しそうな声を出してきたが、あいにくと戻る気はない。
「オルフィール」
「はっ!」
オルフィールさんは手を後ろに組んで姿勢を正した。
「そういえば、お前は可愛いモノに目がなかったな。最近はその姿を見ることはなかったから忘れていた」
「お恥ずかしいかぎりです」
言葉でいうほど恥ずかしがっているわけではなさそうだ。
〉なるほど!
〉可愛いモノ好きならあの反応は仕方ないな
〉今のレインの姿をしたドローンはとても可愛いからね
〉このレインをうちで飼いたいわ!
〉毎日家に帰ってきた時に「おかえりなさい」とか「お仕事お疲れ様」とか言われたい!
〉そんなこと言ってもらえるなら毎日頑張れるね!
女性リスナー達が盛り上がっている最中も、オルフィールさんの視線はドローンから外れない。
「オルフィール。レインについては今回の件が片付いてからだ」
「はっ!」
姿勢正しく返事をするオルフィールさんはさっきまでと違ってカッコよかった。
〉普段はカッコいい女騎士がふと見せる可愛い一面
〉これがギャップ萌えか!
〉萌えね
〉萌えだな
〉萌え萌えね
〉燃え燃えだな
〉漢字が違うぞwww
〉それだと火事になるぞwww
〉燃えすぎて鍋に入れてる油から火が!
〉誰かー消火器ー!
〉水かけろ!
〉バカ!それをすると!
〉ファイヤー!
《とりあえずお前達のテンションを鎮火しろ》
曾祖父さんが机を叩いた。
〉曾祖父さん激怒!
〉そりゃ怒るよな~
〉子供を道具と考えてるからな
〉孫がそんな人間に成長してるなんて最悪だろうな
〉自分の孫がとか思うとゾッとするぜ
〉あなたはそれより前に嫁を探さないとね
〉その前に彼女だろ
〉よよよ嫁はまだでももももかかかかかにょにょぎゅりゃいいりゅわ
〉後半カミカミwww
〉はいダウトwww
〉わかりやすいぐらい動揺してるwww
〉なんかごめんね
〉謝るな!余計にみじめになる!
《はいはい。それくらいにしとけ》
リスナー達をなだめつつ曾祖父さんに声をかける。
「お怒りはわかりますが、今はこの件を早く終わらせたいのでまずは裏の組織を捕まえるための人員を用意出来ますか?」
「そうだな。
リブル。すぐにオルフィールを呼べ」
「かしこまりました」
一礼した曾祖父さん付きの執事のリブルさんはすぐに部屋を出ていった。
〉レイン。オルフィールって?
《俺も初耳の名前だから知らない》
〉知らないのか~
〉知らないんだ~
何度でも言うが、俺はまだ赤ちゃんなので知らないことのほうが多いのだ。
「ありがとう、レイン。今回はお前のおかげで早くことが済みそうだ」
ホッとした様子で曾祖父さんは俺に頭を下げてきた。
早くことが済みそうという言葉に俺もホッとした。
「いえ。俺としてもどうにかしたいと思っていたことですので、こちらこそ感謝します」
そう答えると、曾祖父さんは俺型ドローンをまじまじと見てきた。
〉うわっ
〉曾祖父さんのどアップ!
〉誰得の映像だ!?
〉おや、近くで見るといい男じゃないかい
〉私は老眼でよく見えないわ
〉うちの爺さんよりいい男じゃないか
〉ババ得な映像だったwww
〉結構ババアが居て草
〉ババアが配信見ちゃ悪いっていうんかい?
〉今どきのババアは配信だって見るんだよ
〉ババアだからってなめんじゃないよ
〉わかったかい、ガキども
〉はい!
〉すいませんでした!
〉認識を改めます!
ババア達が若者達を粛正しているコメント欄に内心で苦笑したが、まぁ誰得かと聞かれればババ得だというのには内心同意しておこう。
「レイン。この魔法の効果はどんなんだ?」
「そうですね。遠く離れた場所の人とこうして会話が出来ますし、これが見ているものが俺にも見えてます」
「つまり、今は俺の顔が見えているわけか」
「えぇ、近すぎるくらいです」
軽く注意するも、曾祖父さんは離れようとはしなかったのでドローンの方を離した。
「今浮いたが、浮くことが出来るのは浮遊魔法なのか?」
「浮遊というより飛行と言ったほうが正しいですかね」
「飛行魔法だと!?
レイン自身は飛ぶことは出来るのか!?」
急にテンションが上がった曾祖父さんに少し驚いた。
そこまで食いつく話なのか?
「飛び回ったことはありませんが、軽く浮いたことはありますね」
〉曾祖父さんが魔法に興味津々で質問攻めしてるwww
〉見たことも聞いたこともない魔法だし仕方ないだろ
〉ってか、レイン飛べるのか!?
〉マジか!?
《だから、浮いただけだって》
本当にシーナさん達の目を盗んで一瞬フワッと浮いたくらいなので飛んだわけではない。
〉でも、浮けたということは飛ぶことも出来るってことだろ!
〉スゲーじゃん!
〉やっぱ魔法がある世界なら飛べないとな!
〉夢だよな~
リスナー達が飛べることについて盛り上がっていると、
「俺でも浮けるか!?」
さらにテンションが上がった曾祖父さんが身を乗り出して接近してきた。
〉うおっ!
〉また来た!
〉ちょっと驚いたわね!
〉私達以上にテンション高いわね!
ホントに困るくらいのテンションの高さなので、ドローンをさらに後ろへ下げた。
〉曾祖父さんの食いつきがハンパねぇ!
〉それだけ曾祖父さんも飛びたいんだよ!
〉やっぱり夢なんだろうな!
〉空を飛ぶ。長年の人類の夢なんだな
《いや、日本だとハンググライダーとかで空を飛べるだろ》
〉やっぱり生身一つで空を飛びたいじゃん!
〉道具に頼らず飛びたいじゃん!
〉そうなると魔法しかないじゃん!
〉だからこそ曾祖父さんの気持ちはわかるんだよ!
〉それぐらい俺達の飛びたい熱は熱いんだよ!
《そこまでか!?》
しかし、そういわれてもリスナー達はもちろん魔法が使えないので飛べるわけもなく、曾祖父さんに関しても浮けるかどうかはわからない。
なぜなら、
「俺も他人に教えたことがあるわけではないので曾お祖父様が浮けるかはわかりません」
「そうか」
俺の答えに落ち着いたのか、曾祖父さんは椅子に座り直した。
〉しかし、冷静そうな曾祖父さんのテンションがここまで上がるとはな!
〉やっぱり異世界でも浮遊や飛行は夢の魔法なんだな!
〉だから、ちょっと浮くだけでもいいから見せてくれよ!
《シーナさん達がいるうえに赤ちゃんに両裾を掴まれた状態で浮けるか!》
そんなことをすれば大騒ぎになって親達にもそのことが伝わるだろう。そうなれば俺のスローライフが終わってしまう。
〉そんなこと言わずにさ~
〉まだ俺達魔法らしい魔法を見たことないんだしさ~
〉ちょっとくらいいいだろ~
〉頼むよ~
《無理だから!》
強めに拒否するも、この程度ではリスナーが素直に引くわけもなく、
〉えー!
〉ケチー!
〉ちょっとくらいいいだろ!
〉浮~け!
〉浮~け!
〉浮~け!
〉浮~け!
《強要はイジメだと思います!》
〉浮~けwww
〉浮~けwww
〉浮~けwww
〉浮~けwww
《wwwってつけてればイジメにならないと思うなよ!》
どうにかこの流れを切れないかと考えていると、ドアのノック音で曾祖父さんの表情がキリッとしたものに変わった。
〉おぉ見事な変化だな
〉普段から使い分けしてるんだろうな
〉貴族社会って大変そう
ラッキー。ナイスタイミング。
多分、オルフィールさんを呼びに行ったリブルさんが帰ってきたのだろう。
おかげで俺への浮けコールが止まった。
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《今回のことに関係なく家を出てやろうか》
〉赤ちゃんの時点ですでに貴族社会に嫌気が差してて草
〉これってもはや家出待ったなしなんじゃねwww
〉親があんなんじゃなくても結局は家出するんじゃねwww
可能性はあるけど、親の件が片付けばとりあえず落ち着くとは思う。
「入れ」
「失礼します」
曾祖父さんの言葉でリブルさんが鎧姿の女性を連れて入ってきた。
「オルフィールを連れてきました」
「ありがとう。リブル。そしてオルフィール。訓練中に呼び出してすまないな」
「いえ。それで、ご要件とは」
「うちのバカ孫が愚かな行いをしているとの情報をえたので、その確認と後始末をかねて今晩に裏の組織のアジトを制圧する。その作戦を話し合うために呼んだのだ」
「なるほど。とうとうワイザー様がやらかしましたか」
オルフィールさんの言葉に危うく吹き出しそうになった。
〉ブフッwww
〉うわっ。とうとうとか言われてるしwww
〉つまり、前々からなにかやらかしそうとは思われてたんだなwww
〉初めから信用無し、とwww
リスナー達は思いっきり笑ってるし。
《あんな態度だったら当然とも言えるだろうな》
その証拠に、曾祖父さんやリブルさん、ジルベイルさんも苦笑するだけでオルフィールさんを叱ろうとはしなかった。
「それで、裏の組織のアジトの場所はどこなんですか?」
「リブル」
リブルさんが机に地図を広げた。
「レイン。アジトの場所はどこだ?」
「はい?」
俺のことを知らないせいで戸惑っているオルフィールさんをよそに、俺は地図を一通り見てから一箇所に着地して指さした。
「ここですね」
「えっ?」
「そこか」
「か」
「はい」
「可愛い!!」
突然オルフィールさんに抱きしめられたことにより、ドローンの映像が一瞬激しく揺れて乱れた。
〉なにがおきた!
〉どうした!
〉ただでさえ2画面で見てるのに
〉その片方だけ揺れられると
〉うぇ~
俺も片目しかコンタクト型モニターを入れていないので少し気分が悪くなった。
「小さくてプニプニして触り心地が気持ちいいですし、飛んで喋ってなんですか!なんなんですか!この可愛い生き物は!」
「落ち着け!オルフィール!」
「はっ!」
曾祖父さんの一喝で我に返ったオルフィールさんはドローンを離してくれたので、俺はオルフィールさんから一気に距離を取った。
「あぁ~」
オルフィールさんが物悲しそうな声を出してきたが、あいにくと戻る気はない。
「オルフィール」
「はっ!」
オルフィールさんは手を後ろに組んで姿勢を正した。
「そういえば、お前は可愛いモノに目がなかったな。最近はその姿を見ることはなかったから忘れていた」
「お恥ずかしいかぎりです」
言葉でいうほど恥ずかしがっているわけではなさそうだ。
〉なるほど!
〉可愛いモノ好きならあの反応は仕方ないな
〉今のレインの姿をしたドローンはとても可愛いからね
〉このレインをうちで飼いたいわ!
〉毎日家に帰ってきた時に「おかえりなさい」とか「お仕事お疲れ様」とか言われたい!
〉そんなこと言ってもらえるなら毎日頑張れるね!
女性リスナー達が盛り上がっている最中も、オルフィールさんの視線はドローンから外れない。
「オルフィール。レインについては今回の件が片付いてからだ」
「はっ!」
姿勢正しく返事をするオルフィールさんはさっきまでと違ってカッコよかった。
〉普段はカッコいい女騎士がふと見せる可愛い一面
〉これがギャップ萌えか!
〉萌えね
〉萌えだな
〉萌え萌えね
〉燃え燃えだな
〉漢字が違うぞwww
〉それだと火事になるぞwww
〉燃えすぎて鍋に入れてる油から火が!
〉誰かー消火器ー!
〉水かけろ!
〉バカ!それをすると!
〉ファイヤー!
《とりあえずお前達のテンションを鎮火しろ》
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