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35.加減を間違えて
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そのあとはみんな1回はゴブリンとの1対1を経験し、その後は出会ったゴブリンの数と同じ人数で組み合わせを変えて5戦ほど戦ってからダンジョンを出た。
ダンジョンの外に出たことにより、緊張感から解放されたのでノビをしていると、離れて歩いていたルーファさん達が近づいてきた。
「昼飯休憩するのか?」
確かに時間的には昼食の時間ではある。それに昼食を食べようと思ってもいた。だけど、休憩というのはちょっと違うので首を振った。
「ううん。今日の探索はこれで終了だよ」
僕の答えにルーファさん達は驚いていた。
何をそんなに驚くことがあるのかと不思議で首を傾げる僕。
「いや、さっきまでの戦いぶりを見ていると余裕に見えたからな。まだまだ戦えるだろ?」
なるほど。ルーファさん達が驚いていたのはそういうことか。
確かに初めて魔物と戦ったとはいえ相手は最弱のゴブリン。1対1で戦っていても楽勝だったし余裕は十分あった。今も余力は十分残っているし、戦おうと思えば戦えただろうけど、初日の今日からそこまで頑張ろうとはもともと思っていなかった。
「魔物との対戦は今日が初めてだからね。目に見えない疲れが溜まっているだろうから早めに切りあげようと入る前から話し合っていたんだ」
「話し合っていたのか?」か。
もちろん話し合っていたよ。だからこうやってダンジョンを出たわけだからね。
僕の説明を聞いたルーファさん達はさらに驚いていた。
「そんなに驚くこと?」
さらに首を傾げていると、ルーファさんは首を振った。
「いや、普通、初めてダンジョンに来た新人冒険者はその興奮とかで加減をミスして大きなケガをして帰ってくることがよくあるからな。
そこまで冷静になれる新人なんてなかなかいないぞ」
そう言われるとそれもそうかと思える。
まぁ、人によるところではあるだろうけど、冒険者になりたくてなった新人冒険者の場合は、ようやくダンジョンに来れた嬉しさや興奮で疲れを忘れ、加減を間違えて突っ込みすぎる、なんてことはよくあることなのかもしれないね。
「冒険者としては新人だけど、人生経験としてはだいぶ先輩だからな」か。
そうだね。
そういった経験があるからの考え方だろうね。
その経験がなければ、まだ余裕だからともっと奥へと進んでいってただろうね。
「それに、カリスナさんからも余裕があるうちに引くように言われてたからね」
僕の言葉にルーファさん達は納得して頷いている。
「そんなこと言われたのか?」って。
言われてないね。
「ないのかよ!」って。
ルーファさん達なら疑ってかかってくることはないけど、僕達が考えて行動しているっていうより、歳上の人にアドバイスを貰ったって言ったほうが納得しやすいだろう?
「いや。それはそうだけど、納得してもらう必要はあるのか?」って。
あるよ。
自分達で考えたってことで納得してもらうより、カリスナさんにアドバイスを貰ったってことで納得して貰ったほうが僕達へのルーファさん達の注目も少しは減るし、今後の冒険者生活も普通に平凡に過ごせるだろ。
「いや。もう遅い気がするけど………」って。
そんなことはないだろう。
「それより、なんで今日俺たちについてきたのですか?」
ションゴンがルーファさん達にそう問いかけた瞬間、カレン達が僕を抱きしめてきた。
「えっ?」
まさかションゴンから再度そんな質問が来たことにルーファさんが戸惑っているが、ションゴンはルーファさんを見たまま答えを待っていた。
「どういうことだ?」か。
わからないけど、とりあえず様子を見るしかないだろうね。
「入る前に言ったように、興味と心配からだけど?」
ルーファさんの答えは入る前と変わらなかったが、ションゴンは何かを怪しんでいるのか、ルーファさんの答えに納得していない様子だった。
「それもウソではないのでしょうけど、本当の目的はそれじゃないのではないですか?」
「本当の目的って?」って。
僕に聞かれてもわかるわけないだろ。
そもそもションゴンがなぜこんなことを言い出したのかもわからないのだからね。
「胸を張っていうことか?」か。
わからないことをわからないといって何が悪いの?って言いたいけどね。
「本当の目的って何を言ってるんだい?」
わからないとばかりに首を傾げたルーファさんに、ションゴンはため息を吐いた。
「本当は俺たちをダンジョン以外の危険から守るためにやって来たんじゃないの?」
「ダンジョン以外の危険ってなんだ?」って。
だから僕は知らないって。
ションゴン達のことはなんでもかんでも知ってると思わないでほしいね。
しかし、ルーファさんの表情にはわずかに反応があったので、ションゴンの指摘は間違ってはいないのだろう。ということだけはわかった。
ダンジョンの外に出たことにより、緊張感から解放されたのでノビをしていると、離れて歩いていたルーファさん達が近づいてきた。
「昼飯休憩するのか?」
確かに時間的には昼食の時間ではある。それに昼食を食べようと思ってもいた。だけど、休憩というのはちょっと違うので首を振った。
「ううん。今日の探索はこれで終了だよ」
僕の答えにルーファさん達は驚いていた。
何をそんなに驚くことがあるのかと不思議で首を傾げる僕。
「いや、さっきまでの戦いぶりを見ていると余裕に見えたからな。まだまだ戦えるだろ?」
なるほど。ルーファさん達が驚いていたのはそういうことか。
確かに初めて魔物と戦ったとはいえ相手は最弱のゴブリン。1対1で戦っていても楽勝だったし余裕は十分あった。今も余力は十分残っているし、戦おうと思えば戦えただろうけど、初日の今日からそこまで頑張ろうとはもともと思っていなかった。
「魔物との対戦は今日が初めてだからね。目に見えない疲れが溜まっているだろうから早めに切りあげようと入る前から話し合っていたんだ」
「話し合っていたのか?」か。
もちろん話し合っていたよ。だからこうやってダンジョンを出たわけだからね。
僕の説明を聞いたルーファさん達はさらに驚いていた。
「そんなに驚くこと?」
さらに首を傾げていると、ルーファさんは首を振った。
「いや、普通、初めてダンジョンに来た新人冒険者はその興奮とかで加減をミスして大きなケガをして帰ってくることがよくあるからな。
そこまで冷静になれる新人なんてなかなかいないぞ」
そう言われるとそれもそうかと思える。
まぁ、人によるところではあるだろうけど、冒険者になりたくてなった新人冒険者の場合は、ようやくダンジョンに来れた嬉しさや興奮で疲れを忘れ、加減を間違えて突っ込みすぎる、なんてことはよくあることなのかもしれないね。
「冒険者としては新人だけど、人生経験としてはだいぶ先輩だからな」か。
そうだね。
そういった経験があるからの考え方だろうね。
その経験がなければ、まだ余裕だからともっと奥へと進んでいってただろうね。
「それに、カリスナさんからも余裕があるうちに引くように言われてたからね」
僕の言葉にルーファさん達は納得して頷いている。
「そんなこと言われたのか?」って。
言われてないね。
「ないのかよ!」って。
ルーファさん達なら疑ってかかってくることはないけど、僕達が考えて行動しているっていうより、歳上の人にアドバイスを貰ったって言ったほうが納得しやすいだろう?
「いや。それはそうだけど、納得してもらう必要はあるのか?」って。
あるよ。
自分達で考えたってことで納得してもらうより、カリスナさんにアドバイスを貰ったってことで納得して貰ったほうが僕達へのルーファさん達の注目も少しは減るし、今後の冒険者生活も普通に平凡に過ごせるだろ。
「いや。もう遅い気がするけど………」って。
そんなことはないだろう。
「それより、なんで今日俺たちについてきたのですか?」
ションゴンがルーファさん達にそう問いかけた瞬間、カレン達が僕を抱きしめてきた。
「えっ?」
まさかションゴンから再度そんな質問が来たことにルーファさんが戸惑っているが、ションゴンはルーファさんを見たまま答えを待っていた。
「どういうことだ?」か。
わからないけど、とりあえず様子を見るしかないだろうね。
「入る前に言ったように、興味と心配からだけど?」
ルーファさんの答えは入る前と変わらなかったが、ションゴンは何かを怪しんでいるのか、ルーファさんの答えに納得していない様子だった。
「それもウソではないのでしょうけど、本当の目的はそれじゃないのではないですか?」
「本当の目的って?」って。
僕に聞かれてもわかるわけないだろ。
そもそもションゴンがなぜこんなことを言い出したのかもわからないのだからね。
「胸を張っていうことか?」か。
わからないことをわからないといって何が悪いの?って言いたいけどね。
「本当の目的って何を言ってるんだい?」
わからないとばかりに首を傾げたルーファさんに、ションゴンはため息を吐いた。
「本当は俺たちをダンジョン以外の危険から守るためにやって来たんじゃないの?」
「ダンジョン以外の危険ってなんだ?」って。
だから僕は知らないって。
ションゴン達のことはなんでもかんでも知ってると思わないでほしいね。
しかし、ルーファさんの表情にはわずかに反応があったので、ションゴンの指摘は間違ってはいないのだろう。ということだけはわかった。
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