41 / 85
41.3度目の
しおりを挟む
「でも、ホントは男?」
イチョウさんの左隣に座る少女が首を傾げながら僕の心をえぐるような疑問をど直球で投げかけてきた。
「ちょっ!ヒマワリちゃん!?」
ヒマワリちゃんと呼ばれた少女の隣に座る少女が驚きの声をあげながらヒマワリちゃんを見た。
その声はインターホンで僕達と話したサクラちゃんの声だったので、この子がサクラちゃんなのだろう。
「どうなの?」
サクラちゃんの言葉を気にした様子もなく、ヒマワリちゃんはど直球の疑問を投げかけてくる。
「ヒマワリちゃん!」
そんなヒマワリちゃんの名前を今度は注意するように呼ぶサクラちゃん。
「ヒマワリ。サクラ。まずは自己紹介をしなさい」
名乗らずに問いかけてくるヒマワリちゃんと、そんなヒマワリちゃんを注意するまだ名乗ってないサクラちゃんを注意するイチョウさん。
確かに自己紹介はしてほしいとは思うけど、その前に男とか聞いてきた方についてサクラちゃんみたいにヒマワリちゃんを少しでも注意してほしいと思うのは間違いだろうか。
「私の名前は見爪ヒマワリ。秋冬中学の2年生。この中で1番若い女子」
自己紹介を終えたヒマワリちゃんは誇らしげに胸を張った。
うん。途中までは普通の自己紹介でいいのだけど、なぜか最後にいらない言葉がついてきた気がするね。
「ヒマワリ。最後の言葉は必要か?」
イチョウさんも気になったというか引っかかったのだろう。軽く睨みながら問いかけた。
「事実」
そう返されたイチョウさんが何も言えずにいるところを見るとホントに事実なのだろう。
「私もヒマワリちゃんと同じ秋冬中学の2年生の優美サクラです。よろしくお願いします」
自己紹介しながらちょこんと頭を下げるサクラちゃん。
「私の誕生日が11月でサクラの誕生日が5月だから私のほうが6か月若い」
本当にいらない付け足しをしてくるヒマワリちゃん。
どうしてそこまで若いアピールをするのかがわからない。というか、若いアピールをしまくるせいでイチョウさんとチョウちゃんがヒマワリちゃんを睨んでいた。
人間という括りで言えばイチョウさんとチョウちゃんが1番年上になるので睨むのはわからないくもないのだけれど、相手は中学生なんだから大人気ないとも思う。
ヒマワリちゃんは2人に睨まれても動じることなく胸を張り続けているところを見るに、若いアピールは完全に2人への当てつけだろう。
ちなみに、本来の年齢というこでいうと、当然ながら神獣のリンがダントツで年上であるのは言うまでもないだろう。
「ヒマワリちゃん!」
イチョウさんやチョウちゃんの視線に慌てたサクラちゃんがヒマワリちゃんを注意するように呼ぶも、事実なので引く気のないヒマワリちゃんは胸を張ったまま堂々としていた。
その度胸はいいことなのか悩むところだね。
「ところで」
イチョウさんとチョウちゃんを煽るだけ煽って満足したのか、胸を張るのをやめたヒマワリちゃんは僕を見てきた。
「コウさんは男?」
ホントにど直球で質問を投げつけてくるよね、この子。心に160キロの剛速球を受けたような衝撃だよ。
「ヒマワリちゃん!」
またしてもサクラちゃんがヒマワリちゃんを注意するように叫んだ。
同級生だし、普段からこういう関係性なんだろうな。と思える光景だった。
しかし、そういう関係性ということは、サクラちゃんは僕やヒサコさんと同じでなかなかの苦労人なのかもしれないね。
「もしくは女装男子?あるいは男の娘とか?」
サクラちゃんに注意されてもやっぱり止まらないヒマワリちゃんはおかしな方向へといっている。
中学生だからそういうことを知っていてもおかしくないけどさ。結局それ全部男だよね。いや、最初に男かと聞いてきてたけど。そっちの方向性で聞くことはないっていうか、なんでそっちの方向へ向かっていったのかナゾすぎるのだけど。
「ヒマワリちゃん!」
「ぐふっ」
3度目の注意とともにサクラちゃんの拳がヒマワリちゃんの脇腹に入った。
わーお!これは予想外!
しかも殴り慣れたかなりキレイなフォームのパンチだったので、普段からだいぶ殴っているのだろう。多分ヒマワリちゃんを。
「サ、サクラ。な、殴るのは、よく、ない」
脇腹をおさえながらイチョウさんの膝の上に倒れ込んだヒマワリちゃんは、苦痛に耐えながらも抗議の言葉をあげた。
「ヒマワリちゃんが私の注意を聞かないからだよ!」
怒っているサクラちゃんは頬を膨らませた。
そんなサクラちゃんの姿はとても可愛らしく思える。拳を握りしめてかまえてなければだけど。
その拳を見たヒマワリちゃんはビクッとしたかと思うとサクラちゃんから視線を外して小さく呟いた。
「ごめんなさい」
「はい!」
ヒマワリちゃんの謝罪を聞き、拳をほどいて笑顔になるサクラちゃん。そんなサクラちゃんを見てホッとしつつも、殴られたダメージは大きいようで起き上がれずにいた。
アハハ。これはホントに意外すぎる関係性かな。
イチョウさんの左隣に座る少女が首を傾げながら僕の心をえぐるような疑問をど直球で投げかけてきた。
「ちょっ!ヒマワリちゃん!?」
ヒマワリちゃんと呼ばれた少女の隣に座る少女が驚きの声をあげながらヒマワリちゃんを見た。
その声はインターホンで僕達と話したサクラちゃんの声だったので、この子がサクラちゃんなのだろう。
「どうなの?」
サクラちゃんの言葉を気にした様子もなく、ヒマワリちゃんはど直球の疑問を投げかけてくる。
「ヒマワリちゃん!」
そんなヒマワリちゃんの名前を今度は注意するように呼ぶサクラちゃん。
「ヒマワリ。サクラ。まずは自己紹介をしなさい」
名乗らずに問いかけてくるヒマワリちゃんと、そんなヒマワリちゃんを注意するまだ名乗ってないサクラちゃんを注意するイチョウさん。
確かに自己紹介はしてほしいとは思うけど、その前に男とか聞いてきた方についてサクラちゃんみたいにヒマワリちゃんを少しでも注意してほしいと思うのは間違いだろうか。
「私の名前は見爪ヒマワリ。秋冬中学の2年生。この中で1番若い女子」
自己紹介を終えたヒマワリちゃんは誇らしげに胸を張った。
うん。途中までは普通の自己紹介でいいのだけど、なぜか最後にいらない言葉がついてきた気がするね。
「ヒマワリ。最後の言葉は必要か?」
イチョウさんも気になったというか引っかかったのだろう。軽く睨みながら問いかけた。
「事実」
そう返されたイチョウさんが何も言えずにいるところを見るとホントに事実なのだろう。
「私もヒマワリちゃんと同じ秋冬中学の2年生の優美サクラです。よろしくお願いします」
自己紹介しながらちょこんと頭を下げるサクラちゃん。
「私の誕生日が11月でサクラの誕生日が5月だから私のほうが6か月若い」
本当にいらない付け足しをしてくるヒマワリちゃん。
どうしてそこまで若いアピールをするのかがわからない。というか、若いアピールをしまくるせいでイチョウさんとチョウちゃんがヒマワリちゃんを睨んでいた。
人間という括りで言えばイチョウさんとチョウちゃんが1番年上になるので睨むのはわからないくもないのだけれど、相手は中学生なんだから大人気ないとも思う。
ヒマワリちゃんは2人に睨まれても動じることなく胸を張り続けているところを見るに、若いアピールは完全に2人への当てつけだろう。
ちなみに、本来の年齢というこでいうと、当然ながら神獣のリンがダントツで年上であるのは言うまでもないだろう。
「ヒマワリちゃん!」
イチョウさんやチョウちゃんの視線に慌てたサクラちゃんがヒマワリちゃんを注意するように呼ぶも、事実なので引く気のないヒマワリちゃんは胸を張ったまま堂々としていた。
その度胸はいいことなのか悩むところだね。
「ところで」
イチョウさんとチョウちゃんを煽るだけ煽って満足したのか、胸を張るのをやめたヒマワリちゃんは僕を見てきた。
「コウさんは男?」
ホントにど直球で質問を投げつけてくるよね、この子。心に160キロの剛速球を受けたような衝撃だよ。
「ヒマワリちゃん!」
またしてもサクラちゃんがヒマワリちゃんを注意するように叫んだ。
同級生だし、普段からこういう関係性なんだろうな。と思える光景だった。
しかし、そういう関係性ということは、サクラちゃんは僕やヒサコさんと同じでなかなかの苦労人なのかもしれないね。
「もしくは女装男子?あるいは男の娘とか?」
サクラちゃんに注意されてもやっぱり止まらないヒマワリちゃんはおかしな方向へといっている。
中学生だからそういうことを知っていてもおかしくないけどさ。結局それ全部男だよね。いや、最初に男かと聞いてきてたけど。そっちの方向性で聞くことはないっていうか、なんでそっちの方向へ向かっていったのかナゾすぎるのだけど。
「ヒマワリちゃん!」
「ぐふっ」
3度目の注意とともにサクラちゃんの拳がヒマワリちゃんの脇腹に入った。
わーお!これは予想外!
しかも殴り慣れたかなりキレイなフォームのパンチだったので、普段からだいぶ殴っているのだろう。多分ヒマワリちゃんを。
「サ、サクラ。な、殴るのは、よく、ない」
脇腹をおさえながらイチョウさんの膝の上に倒れ込んだヒマワリちゃんは、苦痛に耐えながらも抗議の言葉をあげた。
「ヒマワリちゃんが私の注意を聞かないからだよ!」
怒っているサクラちゃんは頬を膨らませた。
そんなサクラちゃんの姿はとても可愛らしく思える。拳を握りしめてかまえてなければだけど。
その拳を見たヒマワリちゃんはビクッとしたかと思うとサクラちゃんから視線を外して小さく呟いた。
「ごめんなさい」
「はい!」
ヒマワリちゃんの謝罪を聞き、拳をほどいて笑顔になるサクラちゃん。そんなサクラちゃんを見てホッとしつつも、殴られたダメージは大きいようで起き上がれずにいた。
アハハ。これはホントに意外すぎる関係性かな。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
ハーレムに憧れてたけど僕が欲しいのはヤンデレハーレムじゃない!
いーじーしっくす
青春
赤坂拓真は漫画やアニメのハーレムという不健全なことに憧れる健全な普通の男子高校生。
しかし、ある日突然目の前に現れたクラスメイトから相談を受けた瞬間から、拓真の学園生活は予想もできない騒動に巻き込まれることになる。
その相談の理由は、【彼氏を女帝にNTRされたからその復讐を手伝って欲しい】とのこと。断ろうとしても断りきれない拓真は渋々手伝うことになったが、実はその女帝〘渡瀬彩音〙は拓真の想い人であった。そして拓真は「そんな訳が無い!」と手伝うふりをしながら彩音の潔白を証明しようとするが……。
証明しようとすればするほど増えていくNTR被害者の女の子達。
そしてなぜかその子達に付きまとわれる拓真の学園生活。
深まる彼女達の共通の【彼氏】の謎。
拓真の想いは届くのか? それとも……。
「ねぇ、拓真。好きって言って?」
「嫌だよ」
「お墓っていくらかしら?」
「なんで!?」
純粋で不純なほっこりラブコメ! ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる