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17.大丈夫な
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「次に部活なんだけど、この学校では部活は強制ではないんだけど、部活に入るとしても運動部は止めてね」
元々中学の時から部活はしていなかったし、運動部に入るとなるとやっぱり体育と同じように着替えの問題も出てくるのでやっぱり入る気はない。
「とりあえず今のところ部活に入る気はないから」
とはいえ、どんな部活があるかわからないから絶対ではないけど。でも、それでも入るとしたら文化部で運動部ではないだろう。
僕がそう言うと、チョウちゃんはホッとした様子だった。
「よかった。体育で男子に混ざるくらいならいいんだけど、流石に部活となると大会とかがあるからね」
そう言われて初めてそうかと思った。
部活だと着替え以上に大会とかの問題の方が大きいのか。
いやまぁ、黙っていればバレずに男子として大会に出ることも可能なんだろうけど、バレた時に確実に色々と問題になるだろう。
ただでさえ男子校に通うことが厄介なのに、自分からさらなる厄介事を引き寄せたくはないのでやっぱり運動部には入らないのが1番だな。
しかし、体育で男子に混ざるくらいならいいと言っていたので、やっぱり体育を選ぶと言ったところでチョウちゃんは笑顔で受け入れていたな。うん。
「次に修学旅行なんかの泊まりがある行事についてなんだけど」
泊まりがあるということは着替えも当然だけど、着替えよりも問題になってくるお風呂の問題なども出てくるので、しっかりと聞いておかないといけない。
「そういう行事で泊まるホテルには各部屋にお風呂がついているホテルに泊まるから、お風呂は部屋についているお風呂を使ってね」
それは当然だろうね。大浴場を使ったら1発で女だということがバレてしまう。
もちろん女湯は普通に使えるだろうけど、普通のホテルでは男湯と女湯が隣、もしくは近くにあるので他の生徒の目を盗んで入るのはかなり骨が折れるだろう。しかし、部屋にお風呂があるのなら他の生徒の目を気にせず、バレることなくお風呂に入ることが出来る。
お風呂問題については理解したし解決したといっていいけど、お風呂問題とは別に気になる点があった。
「部屋割はどうするの?」
そう。部屋割問題だ。
これはどう考えても男子との同部屋になるのは確定だろう。
なにせ、ここは男子校であり、僕以外は男子なのだから。
もちろん、チョウちゃんがなんらかしら手を回してくれればそれを回避出来るだろうけど、そこら辺の対応をどうするのか聞いておきたかった。
「ふふふ。ちゃんと考えているよ」
待ってましたとばかりの反応がウザい。ウザいけど聞いておかないといけないのでとりあえずツッコミはしないでおく。
それをわかっているチョウちゃんがニマニマしているのがさらにウザい。
「コウくんは女子高校では1学年が何人いるか知ってる?」
急な問いかけに一瞬考えようとしたけど、
「知るわけないでしょ」
そもそも今日まで女子高校に通うことすら知らなかったのに、そんなことを知っているわけがないとすぐに思い至った。
「女子高校の1学年は250人です」
ヒサコさんの補足にへぇ~と思った。
1学年250人ってことは全校生徒は750人ってことか。なかなか多いね。
「そう!そして泊まるホテルは1部屋4人!ということは!?」
どうぞとばかりに僕に手を向けてくるチョウちゃん。
ってか、なんで急に数学、というか算数の問題が来るの?と思いつつも頭の中で計算する。
「62部屋とあまり2人ってこと?」
「そう!」
正解するのは当然として、僕を指さしてくるチョウちゃんのテンションがウザい。
「その残りの2人には当然2人部屋が割り振られるわけだけど、そこにコウくんが割り振られるようにこっちで手を回すから!」
確かに4人部屋に入るよりかは2人部屋のほうがいいとは思うけど、それでも男子と同部屋なことには変わりはないわけで、そうなってくると相手の男子が誰か、という点が今度は問題になってくる。
「2人部屋はいいとして、同部屋に入る男子はどうするのさ」
まだ指をさしてきたままでいるので、その指を軽く反らしながら聞く。
「イタい!イタい!ごめん!もう指ささないから離して!」
なので指を離してあげると、チョウちゃんは指をふーふーし始めた。
やけどをしたわけでもないのにイタい箇所をふーふーするのは漫画やアニメの影響だろうね。昔の漫画やアニメだとケガした箇所がムダに大きく腫れてそれをふーふーする、なんて演出がよくあったからね。現実であんな風にケガした箇所が腫れるなんてありえないわけだけど。それに、ふーふーしたからといってケガが治るわけでもないのに、なんてムダなことをしているんだろうな、と思ってしまう。
と、閑話休題。
「同部屋になる男子の選定はすでに済ませています。と、言いますか、今年入学してくる生徒名簿を見た瞬間にチョウが、こいつに決めた、と即決していました」
まぁ、こんなことを言い出すのだから選定は終わっているとは思っていたけど、即決というところは気になったのでチョウちゃんを睨みつける。
「即決ってどういうこと?ちゃんと考えてる?」
「考えてるって!ちゃんと大丈夫な男子だから!」
ホントに大丈夫なのかと心配しかないのでチョウちゃんを見つめると、まっすぐな瞳で見つめ返してきたのでとりあえず大丈夫なのだろう。
まぁ、ダメだった時はその時でお仕置きすればいいわけだし。
元々中学の時から部活はしていなかったし、運動部に入るとなるとやっぱり体育と同じように着替えの問題も出てくるのでやっぱり入る気はない。
「とりあえず今のところ部活に入る気はないから」
とはいえ、どんな部活があるかわからないから絶対ではないけど。でも、それでも入るとしたら文化部で運動部ではないだろう。
僕がそう言うと、チョウちゃんはホッとした様子だった。
「よかった。体育で男子に混ざるくらいならいいんだけど、流石に部活となると大会とかがあるからね」
そう言われて初めてそうかと思った。
部活だと着替え以上に大会とかの問題の方が大きいのか。
いやまぁ、黙っていればバレずに男子として大会に出ることも可能なんだろうけど、バレた時に確実に色々と問題になるだろう。
ただでさえ男子校に通うことが厄介なのに、自分からさらなる厄介事を引き寄せたくはないのでやっぱり運動部には入らないのが1番だな。
しかし、体育で男子に混ざるくらいならいいと言っていたので、やっぱり体育を選ぶと言ったところでチョウちゃんは笑顔で受け入れていたな。うん。
「次に修学旅行なんかの泊まりがある行事についてなんだけど」
泊まりがあるということは着替えも当然だけど、着替えよりも問題になってくるお風呂の問題なども出てくるので、しっかりと聞いておかないといけない。
「そういう行事で泊まるホテルには各部屋にお風呂がついているホテルに泊まるから、お風呂は部屋についているお風呂を使ってね」
それは当然だろうね。大浴場を使ったら1発で女だということがバレてしまう。
もちろん女湯は普通に使えるだろうけど、普通のホテルでは男湯と女湯が隣、もしくは近くにあるので他の生徒の目を盗んで入るのはかなり骨が折れるだろう。しかし、部屋にお風呂があるのなら他の生徒の目を気にせず、バレることなくお風呂に入ることが出来る。
お風呂問題については理解したし解決したといっていいけど、お風呂問題とは別に気になる点があった。
「部屋割はどうするの?」
そう。部屋割問題だ。
これはどう考えても男子との同部屋になるのは確定だろう。
なにせ、ここは男子校であり、僕以外は男子なのだから。
もちろん、チョウちゃんがなんらかしら手を回してくれればそれを回避出来るだろうけど、そこら辺の対応をどうするのか聞いておきたかった。
「ふふふ。ちゃんと考えているよ」
待ってましたとばかりの反応がウザい。ウザいけど聞いておかないといけないのでとりあえずツッコミはしないでおく。
それをわかっているチョウちゃんがニマニマしているのがさらにウザい。
「コウくんは女子高校では1学年が何人いるか知ってる?」
急な問いかけに一瞬考えようとしたけど、
「知るわけないでしょ」
そもそも今日まで女子高校に通うことすら知らなかったのに、そんなことを知っているわけがないとすぐに思い至った。
「女子高校の1学年は250人です」
ヒサコさんの補足にへぇ~と思った。
1学年250人ってことは全校生徒は750人ってことか。なかなか多いね。
「そう!そして泊まるホテルは1部屋4人!ということは!?」
どうぞとばかりに僕に手を向けてくるチョウちゃん。
ってか、なんで急に数学、というか算数の問題が来るの?と思いつつも頭の中で計算する。
「62部屋とあまり2人ってこと?」
「そう!」
正解するのは当然として、僕を指さしてくるチョウちゃんのテンションがウザい。
「その残りの2人には当然2人部屋が割り振られるわけだけど、そこにコウくんが割り振られるようにこっちで手を回すから!」
確かに4人部屋に入るよりかは2人部屋のほうがいいとは思うけど、それでも男子と同部屋なことには変わりはないわけで、そうなってくると相手の男子が誰か、という点が今度は問題になってくる。
「2人部屋はいいとして、同部屋に入る男子はどうするのさ」
まだ指をさしてきたままでいるので、その指を軽く反らしながら聞く。
「イタい!イタい!ごめん!もう指ささないから離して!」
なので指を離してあげると、チョウちゃんは指をふーふーし始めた。
やけどをしたわけでもないのにイタい箇所をふーふーするのは漫画やアニメの影響だろうね。昔の漫画やアニメだとケガした箇所がムダに大きく腫れてそれをふーふーする、なんて演出がよくあったからね。現実であんな風にケガした箇所が腫れるなんてありえないわけだけど。それに、ふーふーしたからといってケガが治るわけでもないのに、なんてムダなことをしているんだろうな、と思ってしまう。
と、閑話休題。
「同部屋になる男子の選定はすでに済ませています。と、言いますか、今年入学してくる生徒名簿を見た瞬間にチョウが、こいつに決めた、と即決していました」
まぁ、こんなことを言い出すのだから選定は終わっているとは思っていたけど、即決というところは気になったのでチョウちゃんを睨みつける。
「即決ってどういうこと?ちゃんと考えてる?」
「考えてるって!ちゃんと大丈夫な男子だから!」
ホントに大丈夫なのかと心配しかないのでチョウちゃんを見つめると、まっすぐな瞳で見つめ返してきたのでとりあえず大丈夫なのだろう。
まぁ、ダメだった時はその時でお仕置きすればいいわけだし。
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